【エンジニアの道は果てしない】キャリア形成を考える
こんにちは。すうちです。
以前、エンジニアの35歳の壁という記事を書きました。
その最後の方で触れた30代後半の転職で考えた事を、今回書きたいと思います。
■キャリア形成で考えたこと
(はじめに)キャリアとは何か?
goo辞書で調べると
とあります。
キャリア形成のフレームワーク
一般的な自己分析やキャリアを客観的に把握するため、以下のキーワードで考えるやり方があります。
これをキャリア形成手段の一つ、転職に置換えたものが太字です。
後半、当時考えたことを上記キーワードで触れています。
30代後半転職のきっかけ
転職前は、主に製品開発のチームリーダやマネジメント業務(開発管理や顧客向け資料作成等がほとんど)をやっていました。
当時の職場では、社員はマネジメント主体で開発人員は基本的に外注へ依頼する方針でした。
あるプロジェクト終了後、技術内容の大枠は理解していてもその詳細や実現方法はあまり把握できてない自分に危機感を覚えたのが最初のきっかけです。
また会社で将来の自分の姿を考える時に上司や先輩を参考にすると良いと言いますが、社内になりたいロールモデルが居なかったのも理由の一つです。
転職しよう…じゃあどうする?
先ほどのWill Can Mustで書くと、当時の状況は以下でした。
Will: 技術的なトレンドや詳細も把握できる開発業務に関わりたい
Can: 組込OS、ドライバやミドルウェア制御の知識、開発管理経験
Must: Canの経験が活かせる業務(即戦力でできること)
マネジメントのキャリアで進むことに不安を覚えたのと、もともと手を動かすことが好きだったので、再び開発業務に戻りたい希望は早い段階で決まりました。
キャリア形成の差別化
当時組込系の開発経験を活かした求人は、車載向けが爆発的に増え始めた頃でしたが、その方向には進みませんでした。
一番の理由は、車載系の開発経験は多くの組込エンジニアが持つはずなので将来的に差別化が難しいかもしれないと考えたからです。
また別分野ではAIの求人も増え始めていて、どちらかというと興味関心がそちらにあったのも理由です。
しかし、冷静に考えると当時転職でいきなりAI関連の職種につくのは、私の場合いくつか問題がありました。
補足:
車載系で当時多かったのはカーナビなどの画像処理やエンジン制御でしたが、最近はAIの画像認識を応用した開発(衝突防止や自動運転)もあります。
求人条件と経験のギャップ(Mustの不足)
もともと組込の携帯開発中心だった事に加え、当時マネジメント職だったのでAIの技術的な知識や実績(Can)は当然無く、希望(Will)の職種に即戦力としての採用は難しいと判断しました。ただ、やるならなるべく早く転職したいジレンマはありました。
2段階で希望のキャリア形成
AIの職種を調べる中でIoTの組込分野は、AIとセンサを組み合わせる事例があり、センサと連携するソフトウェアならばこれまでの経験の延長線上で働けそうと分かりました。
また、一旦転職して新しいセンサ関係の業務経験に加えて、並行してAIの知識や経験を積み、次のステップで本格的にAIを使う職種に挑戦する方が実現性あるかもしれないと発想を変えました。
転職活動と自己学習
上記を踏まえて、転職エージェントとも相談しつつ、30代後半にセンサのハードウェア開発が主体の会社にソフトウェアエンジニアとして転職しました。
直前はマネジメント職で技術から離れたブランクがありましたが、ソフトウェア専業の会社では無かったため、あまり負荷なく開発業務に戻る事ができました。
またAIに関しては、そこでの在職期間に自己学習で基礎を勉強したり、GitHub等の公開モデルを参考に簡単なAIアプリを試作して勘どころを探りました。
その後、再度40代になって転職したのが現在所属している外資系企業です。
今はセンサやAIを用いた開発をやれているので、(少し遠回りしましたが)当初の希望に沿ったキャリア形成ができていると思います。
■よりよいキャリア形成とは?
人の価値観や意見は色々と思いますが、私の場合、以下を指針に活動しました。
自分のやりたいことができる
自分の成長につながる
将来的な仕事の需要が見込める
エンジニアのキャリア形成について、まとめると
現在の職種と進みたい方向はあっているか
自分の知識や経験のかけ算で差別化できる分野はないか
希望条件の職種と現在の経験に差があれば、段階的に進む道はないか
を考えると良いかなと思っています。今後定期的に私も見直すつもりです。
■最後に
今回のキャリア形成の話は、当時転職の不安の中で全てがはっきり見えていたわけではなく、正直言うと少しだけ後付けの理由もあります。
ただ、漠然とでも進みたい方向をその時定めて行動した事が結果につながったと思っています。
少し特殊な事例かもしれませんが、何か参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。