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【エッセイ】初めての板わさ
今日、人生で初めて「板わさ」を食べた。
夫が流し見していたYouTubeで、板わさの調理動画が流れてきたのがきっかけだった。
板わさを知らなかった私に、「じゃあ、作ってあげるよ」と夫がかまぼこを買ってきてくれたのだ。
かまぼこと板の間に包丁を入れて切り離した後、かまぼこの側面に包丁で切り込みを入れ、そこにチューブわさびを絞り入れていく夫。
最後に一口大に等分すれば完成だ。
皿に盛られた板わさを見て、そのかわいさに興奮した。
色味がいいのだ。ピンク色からのぞく淡い緑がなんとも華やかで、春を思わせる。
一切れ摘んで口に入れると、かまぼこの甘さの中にわさびの辛さがツンと広がって、思わず手で鼻を仰いだ。
辛さが引くと、爽やかな香りと後味が残る。
なるほど、夫が言っていた通り、これは酒のつまみにぴったりである。
しばらくお酒は飲めそうにないけれど、解禁の暁には、ぜひこれをつまみに夫とグラスを傾けたいものだ。