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「他合わせてください」の正体

一枚にだけ作監修正が乗り「他合わせてください」と書かれたレイアウト戻しがきました。これからの原画作業はどうすればいいでしょうか。

「他合わせてください」は
作監のない他の絵を「動きの軌道を”合わせて”、量感を変えずに”合わせて”、作監の絵と遜色ないように”合わせて”、設定に”合わせて”、前後の絵を”合わせて”、描き直してね」という意味です。

難しいでしょうか。
これは動画の技術のひとつです。
動画時に身につけていて然るべきものです。

合わせの技術というのは、動画の技術です。中割り作業がそれです。前後の原画に「合わせて」動画を描きます。
軌道をとり、量感を変えずに、原画の絵が滑らかにつながるように、注意を払って描きます。角度を合わせ、線の長さを合わせ、同一のものに見えるよう、全てを「合わせて」描きます。
“同一のものに見えるように”がポイントです。

アニメーションは連続したものなので、「前後合わせ」というのはあらゆるところで必要です。
一枚の原画を描き直せば、その前後の絵も見直しが必要です。
原画では直した絵と前後で3枚の直しですが、動画では直した絵と前後の原画に合わせて、中割りし直さなければなりません。
ムービー全体では、一つのカットを描き直せば、他のカットを見直す必要があります。

その部分だけ突出することができないのが、アニメーション作業です。どこかを目立たせたいなら、それは狙ってする作業であり、狙わない部分は全て「滑らかに動く」ことが大前提です。
滑らかであるならば、コントロールされ、確かな技術で作られた、という事です。


動画の中割りができれば「他合わせてよろしく」はできます。

原画は、「当然動画の技術は身についているよね?」を前提にして進みます。

原画時の「他合わせてよろしく」ができない場合は、動画の中割り技術が身についてないということです。

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