かぐや姫の物語
絵コンテ補佐を務めました。
現場では、ラフコンテと呼んでいました。私が描いたものを、田辺さんが清書をし、最終形になります。
高畑さんとマンツーマンで、かぐやのコンテは半分くらい描きました。一年間かかりました。
「この絵から何を感じ取れるか」を試行錯誤するのが、ラフコンテの役割だったように思います。
この仕事をどう解釈すれば良いか? 私は「警察の似顔絵描き」なんだ、と閃き、腑に落ちました。
高畑さんしか目撃者がいない。私はそれを聞き取りして、絵に起こす。そういう仕事です。
ひとつ、今も思い出す事があります。
絵コンテを描く際、キャラクターの気持ちに寄り添うからと言って、カメラを寄せる必要はない。状況を視聴者が理解すれば、自ずと感情移入する。
高畑さんがそう仰って、私がなるほど、と思った後に、
でもここは寄せましょうね、と続いたのでした。
シーンは丁度、ヒメが山から都へと行くところでした。
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