恐怖のG物件
木造築古と G
一人暮らしをするにあたり、初めての物件選びは大変でした。
譲れない条件と、妥協できる条件が人それぞれありますよね。
私の場合は、家賃、駐車場、2階以上、日当たりの良さでした。
色々悩んだ結果、築古の木造アパートを選びました。
築古木造のデメリットも調べてはいましたが、家賃の為には背に腹は変えられません。ただ一番悩まされたのが、害虫(ゴキ)問題でした。
入居する時に、虫対策の燻煙剤をやります。
まあ、対策ですし、出てきても1匹とかそんなもんでしょ。
そう思っていました。
燻煙が終わり、パッと見た感じ1匹もなし。
よしよし。
そう思ってキッチンの水道に向かったら、シンクの排水口の中で1匹ひっくり返っていました。
思わず息が止まりました。
久しぶりに見た。鳥肌。
心臓がバクバク、気持ち悪くて、動けない。
たった1匹処理するのに、ものすごく時間がかかりました。
頭の中は「どうしよう、気持ち悪い、いやだ」がループしてフリーズ。
私はこんなにもGが無理だったんだ、と身をもって実感しました。
そして、かばんの中に割り箸がある事を思い出しました。
でも直接ヤツを挟むことはできません…。
足が少し動いている!!無理!!
体が一番遠くなるよう全力で腕を伸ばし、排水口のゴミ受けを持ち上げ、袋の中へ。なんとか処理完了です。
一通り部屋を見ても、その1匹だけでした。まあ1匹くらいいるか。
しかし、これで終わってくれませんでした。
こんなにも G
揃っていないことが多すぎて、少しの期間実家で暮らしました。
二日後にまた新居へ。
いないよね?と見回すと…
キッチン周辺に5匹ひっくり返っていました。
どれも小ぶりで、かなり小さいのもいました。
ほとんどが、足が動いている。
中にはまだ歩こうと頑張ってるヤツも。
これは気持ち悪すぎる。恐怖で玄関から動けなくなりました。
こんなにいるんですか…?
湧いてるって事…?
燻煙した当日じゃなくても出てくるの…?
衝撃すぎて、恐ろしすぎて、母を召喚しました。
一人で生きる練習に、本当は頼りたくなかったです。
こんなことで頼っちゃいけないと思ってました。
でも、頼れる時は頼ろう…と思うことにしました…。
ただのゴミを拾うように、ティッシュで回収していく母。
すごい…。母の強さを感じました。
まだまだ G
塞げと言われている所は塞いでるし、もう大丈夫なはず。
と思いたいけど、怖すぎて新居に向かうのはいつも憂鬱でした。
一人で行きたくない。
でもこの先一人なんだから、こんなとこで毎回甘えてられない。
その4日後、3匹。
まだいるんですか。
え、私、ここで生活するんですか?
ここで食事して、眠るんですか?
数日後、また1匹。
とにかくこの事がストレスで、業者に依頼する事も検討しましたが、その日を最後に出なくなったので、一旦依頼は見送りました。
1ヶ月で10匹回収しました。
こんなところで生活したくなかったです。
気持ち悪い、怖い。
帰宅する時はいつも嫌なドキドキで、帰りたくありませんでした。
Gまみれの家と比べたら、威圧的な家族と暮らす方がマシ…とさえ思いました。
でももう私に戻る場所は無い…!!
悲しみのG屋敷で生活が始まりました。
G と共に
10匹回収した翌月は1匹も出ませんでした。
でも、どこかで生きているのでは…と言う恐怖でした。
毎朝、起きたらGチェック。
帰宅後も必ずチェック。
いつも怖くて、気持ち悪くて仕方ありませんでした。
丸1ヶ月出なかったことは嬉しかったですが、その翌月は合計3匹回収。
無理なんだ。この家でGのいない生活なんて。
部屋は清潔を保ち、キッチンも食べ物のカスを残さないよう、神経質に掃除していました。
やれることはやった。
もうどうしようもない、無駄なんだ。
絶望しながらも諦めきれず、調べまくって色々対策を繰り返しました。
お金もかかるし、メンタルもやられる。
G、恐るべし。
4ヶ月間で、合計14匹のGを回収しました。
築古木造の当たり前なんでしょうか…?
こんな数のGに出会ったのは人生で初めてでした。
不幸中の幸いなのが、元気なGには出会っていない事です。
夏を最後に出ていませんが、Gがいると言う前提で生活しています。
対G・内見チェックポイント
今思う、対Gチェックポイントです。
・前の入居者が退去したのはいつか(どのくらいの期間空室だったかを知るため。退去理由も聞けると尚良し)
・シンク下など、フンが落ちていないか
・共有部分、ゴミ捨て場の汚さ
・外からでもわかる、汚部屋がある
内見時にひどく汚れた部分があったのですが、空室の間管理してなかったんじゃないか?とG大量発生で疑いました。
Gの事で問い合わせた時に、どのくらい空いていたか聞いたら半年くらいと返答がありました。管理状態については回答なしでした…。
汚れた部分を掃除すると言ってたのであまり気に留めなかったのですが、そこはチェックポイントだったようです。
そして入居後に室内掃除をしたら、Gのフンを沢山見つけました。
今思えばですが、事前に気がつけていたら…とも思います。
次回の引っ越しの時は、その点も注意しようと思います。
G物件かどうかは住んでみないと分からないし、どの物件でも絶対出ないようにするのは難しい事です。ですが、やはり築古木造はどうしても確率が高くなってしまうのかもしれませんね。
奴らにしか分からない侵入口もあると思います。
G と今
夏以来出会っていないので、正直油断しています。
それでも時々、転がっていることを想像しては恐怖を思い出します。
暖かくなったら絶対出ると思っています。
ここで生活するなんて、気持ち悪すぎて無理。
そう思っていましたが、今では普通に眠れるようになり、料理も食事も抵抗なくなりました。こうして人間は慣れていくのですね。
そうは言ってもGに慣れるとは思えませんが、母のように、ただのゴミを拾うかのように回収できるように…いつか強くなりたいものです。
G物件に住んで、Gの事を勉強しました。
この先の生活にも活用できる知識です。
きっとこの先も、ヤツらと戦いながら暮らすのですから。
…こんな事書いていると、明日の朝にも出るんじゃないかソワソワします。
そろそろ燻煙しないとですね。
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