すべて真夜中の恋人たち
上記タイトルの本。川上未映子さんの小説を読んだ。
この世界に出会ったのは18歳の夏。今から遡ること4年前の高校3年生の雨の日だ。
受験生だった当時の私は、予備校の帰り道にふと立ち寄った書店でこの本に出会った。
川上未映子氏の表現は文学的で私はとっても好きなのだ、が、この本は抽象的な表現で形容しつつも、雰囲気で全てを伝えてしまう。
真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。
それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、わたしはこの真夜中を歩きながら思いだしている。
昼間のおおきな光が去って、残された半分がありったけのちからで光ってみせるから、真夜中の光はとくべつなんですよ。
夏の真夜中を「インクのような夜の濃さ」と表現してしまう言葉選びがとてもタイプで、高校生の頃から毎年この本を夏至の深夜に読み返す。
夜属性の私にとっての教科書みたいな。
そんな大好きな本である。