名も無き世界のエンドロール
映画化決定と聞き、公開よりも一足先に読了。
2021年1冊目がこれでよかった。
随所に鏤められた"断片"が全て伏線となり、
(※作品中に「断片(1)」のような章がある)
サボテンとミルクを愛した孤独な"掃除屋"の主人公と、藁にも縋る思いで呼び鈴を鳴らし、ドアの前で震えるショートカットの少女が出てくる映画になぞられた、前半2/3は最早フェイクとも言えるほどに壮大なプロポーズ大作戦。
(個人的には何度も見ちゃうくらい好きな映画なのでパロってることに気付いた瞬間とっても嬉しかった)
映画のエンドロールに流れる大量の文字の羅列がフェードアウトする、あの儚さの表現が最高に美しかったのが印象的。
マチルダからの贈り物つったら、手榴弾だろ
そんな一言を添えて、世界は一瞬で変わる。
喜ぶかな
喜ぶ、んじゃねえか
読者に解釈を託すと言うよりは答えの出ないラストではあるんだけれど。
それでもどうか、この作品の結末がハッピーエンドでありますように。
一日あれば、世界は変わる。
二日あったら、
宇宙がなくなってもおかしくない。
のだから。
簡単に「メリーバッドエンド」なんて表現しちゃうのは勿体ない。
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