新型コロナワクチンを1回で止めたらどうなるのだろう(3)
ワクチン接種が遅れた理由(言い訳?)の続きです。
④ そのうち全員打てるようになるだろうと考え、全く焦りが無かった
その当時、政府からも自治体からも「ワクチンの供給量は充分ある」と、再三報告がありました。私は基本的には政府や自治体を信じていますので、政府や自治体が「充分にある」と言う限りは絶対に自分の分もあると信じていました。
それでも多くの人がわれ先にと接種しようとしたのは、おそらく政治家や公務員への不信感があったからなのだと思います。もちろん「感染したくない」という思いがあったのが、接種を急いだ最大の理由だとは思いますが。
私は職業柄と言いますか、親戚・身内の中に…と言いますか、非常に近いところに政治家や公務員がおりますので、彼らがどれだけ国民のために尽力しているかを知っています。個人としても、記者としても、国民のためにと全力を尽くす人たちを目の当たりにしてきました。
まあ、決して全員がそうだとは言いませんが…。(あかんヤツ、どうしようもないヤツもおります)
政治家・公務員の人たちが、国民をだまして「ワクチン供給量は充分にある」と言っているわけではないことも理解していました。
ですが!「充分にある」ワクチンを「充分ではない」かのように思わせた存在が当時ありました。マスコミ(メディア)です。
私もメディア側の人間ですので、報道のウラを見る機会がこれまでにありました。そして「なぜメディアは事実をそこまでして歪めようとするのか!」と、腹立たしく思ったことが幾らでもあります。
普段から政治家や公務員の人たちを、一貫して「悪」だとして報道しましたら、いくら「ワクチン充分あります」と言っても、国民は彼らの言葉を信じないでしょう。
私自身は…と言えば、政府や自治体を信頼していたというのもありますが、何より「たとえかかっても自力で治してやる!」という、妙な自信がありましたし、自分のワクチン接種は最後の最後になってもいいという覚悟がありましたので、全く焦ってなかったです。
自分は最後でいい…的な考え方は、聖職者であった両親から教わったものだったのですが。その両親たちは歳を取ってから「もう充分生きた」「いつ死んでも構わない」というのを口癖にしていたにも関わらず、いざ新型コロナが流行りだすと「コロナにかかりたくない」「コロナにかかるのは怖い」と話していました。
聖職者と言えども人間なのですね…。
老いた両親にとって、コロナは恐怖だったのだと思います。
⑤ 自分よりも若い子や高齢者に先に打ってあげて欲しいと思っていた
「ワクチンがそんなに効くならば」という前提があっての話になりますが、その当時、ワクチンの優先順位は、年寄りではなく若い子たちだろうと思っていました。そこそこ生きてきた私たちの年代や、「いつ死んでもいい」などと普段から言っている両親の世代ではなく、未来のある若い子たちが生き延びれるように支援するのが、先に生まれた者としての正しい姿勢ではないかと。
もちろん「mRNAワクチンって、ホンマに大丈夫なん?」というのが前提になると、話は変わってきますが。その件については後ほど…。
繰り返しにはなりますが、「若い子や高齢者を先にどーぞ」と思えたのは、「たとえコロナにかかっても自分で治せる」という根拠のない自信があったからでもあります。
⑥ 住んでいる自治体でワクチンの供給が遅れ、希望者が殺到した
これは全国ニュースになったので、ご存知の方もおられるかと思いますが。私の住む自治体では「全員に接種できるだけの供給量を確保しています」と、自治体からの報告があったにも関わらず、某メディアが「ワクチンが無い!」と大騒ぎしたことで、住民がパニックに陥り、逆に接種希望者が殺到する事態となりました。
スクープがメディアの生命線、というのはその通りではありますが。
報道が人をパニックに陥れてどうすんねん…。
この時、自治体ではワクチン接種の予約を先着順から、優先順位に沿ったものに、急遽切り替えました。どれだけネットを駆使して早く申し込んでも、年齢順または優先度が高い順にワクチン接種が行われるようになったのです。65歳以下の人たちには不評ではありましたが、これについては自治体の判断が正しかったと思っています。
こうした対応により、当然のことながら私の年代の接種時期は、何カ月も先送りされることになりました。結果として、私の年代にワクチンが回ってきたのは9月の下旬でした。
9月下旬、自治体の担当者から「遅くなって申し訳ありませんでした」という連絡が入りました。あまりに低姿勢でしたので、気の毒にも思われました。おそらくその相当者は、嫌というほど住民からの苦情を受けていたのでしょう。
後で触れますが、私は8月に国産ワクチンの治験へのエントリーを済ませていましたので、自治体からの「ワクチン打てます!」のご連絡をいただいた時に、「他の人に、先に接種してあげてください」と伝えました。
そして「国産ワクチンの治験が受けられなかったら接種しますので、再度申し込んでもいいですか?」と尋ねると、「構いませんよ。いつでもいいので連絡をください」と、優しい声で言ってくれました。
ワクチン担当者。本当に大変だったと思います。