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着物はこうして着物になる。~夏大島の場合~④裁断

前回書き忘れましたが、
柄合わせをしながら裁断する場所に糸印を付けておきました。

その印を頼りに、長い反物を
袖×2、身頃×2、衿+衽×1=全部で5つのパーツが重なるよう屏風畳みにします。
それぞれの輪を測り、希望通り仕立てられる寸法があるかを確認します。
確認できたら、いよいよはさみを入れます。
畳み始めた側に来た「輪」を裁断することによって各パーツが切り離されます。

パーツ毎に必要寸法を折り畳んで、
右側の輪を裁断します。

裁断するパーツの並び方は、反物の両端から中心へ向かって袖、身頃。真ん中部分が衿と衽。

という並びが通常でしょうか。
しかし実際は、柄合わせや色焼け、汚れ、傷など、その反物の状態でパーツの取り方が本当にちがっています。

裁断作業は間違うと取り返しがつかない重要な作業なので、

前日はしっかり睡眠をとる
頭の冴えている午前中
BGMなし

条件を揃えて、慎重に行っています。
あまりにも作業に集中していて
裁断の画像を撮り忘れました(笑)

一級合格時から相棒の裁ち鋏
20年たった今でも家にある刃物の中で一番の切れ味

人の手作業によって産み出される反物たち。
全く難がないものはごく稀です。
相手への礼儀として着る着物は別として、
自分のために着る着物の小さな難は、趣のある手作りの証として愛着を持つ。
そんな寛容さを感じる着物姿のひとに出会うと、
自分もこうでありたいと、憧れます。


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