舞い戻った初恋の人②
初恋の人は
相変わらず穏やかで優しくて
頭が良くて
カッコよく見えた。
もっと
変な大人になっているかもと思ってたけど
そうでもなさそう
仕事の話をしていたら
偶然にも私が目指す分野で活躍していて
部分的にだけど
私と似たような事で悩んでいる
私の話を一生懸命聞いてくれて
ステキな男性だった
昼間から沢山お酒を飲んだ
私もかなりお酒には強い方だと思うけど
彼もなかなかのもんだと思う
何を話したか
あまり覚えていない
自分の話もしたけど
聞かれた事に対して
ありのままを話しただけで
取り繕うこともなく
離婚してバツイチで子育てしていた
という話や
仕事の話
これからどんな事がしたいか
を
少し話した気がする
あの時の心境
とか
今の感情
そんな事じゃなくて
何をやってきたか?
何を目指してるか?
そんな事。
彼に
なんで結婚しなかったのと聞いたけど
なんと答えてくれたかは覚えていない
彼は仕事が忙しいし
思い返せば
彼のプライベートな事は
あまりピンと来ていない私。
昔から
あんまり生活感がない
そうなんだー
と
納得のいく答えだった気もするし
それは当然だなと納得した気もする
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帰り道
私は
勇気を出して本当の気持ちを彼に伝えてみた
「私は、最初から今まで、ずっと一緒に居たかっただけ」
相当酔っ払ってた事もあって
恥ずかしさや人目や
プライドも全部捨てて
丸裸の私を彼に見せてみた。
フラれたって良いのだ
嫌われたって良いのだ
フラれるも何も
10年ぶりに会っただけで
たまたま連絡が無ければ
タイミングが合わなければ
一生会わない人だったのだ
そう思ったら
コレは自分の人生劇場だと思って
自分に正直になる事を選んだ
私は言いながら
大号泣していた。
彼は私の事を
どんな風に見ていたかはわからないけど
彼の前では
彼に見合う女性で居たいと思って
ずっと強がっていたし
彼に見合う女性になんて
なれなかった自分にも絶望していたから
ただただ側に居たかった
なんて
正直な気持ちをぶつけてみたら
涙が止まらなくなって
大号泣してしまった
今思うと
彼に受け止めて欲しいという気持ちは
ほとんどなくて
彼が私の気持ちを聞いてどんな風に受け止めてくれても良かった
自分に素直になりたかっただけなんだ
ただ
彼を通して
今日、その勇気を振り絞った自分が
また好きになった
頑張ってきた自分と
ずっと寂しかった自分を
認めて許してあげたら
泣きながら
心があったかくなって
彼は
泣いている私の手を取って
黙ってずっと一緒に歩いてくれた
何も言わない彼の存在は心地良い
また連絡する
と言って別れる時の感覚は
高校生の時と同じ。
少し名残惜しそうに寂しそうにしている彼を
どこかドライな目で見ている私。
家に帰るまで
帰ってからも
特別なメッセージはなくて
相変わらず彼はドライ。
今も
彼には戦う場があるんだろうと思った
③へ続く、、、