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非常勤給料の読み方

お久しぶりです。
有料記事「学校教員から……」を買って読んでいただいた方、「スキ」をくれた方ありがとうございます。継続的にちょこちょこ売れております。

そこに書き忘れたなぁ、と思ったことに非常勤の給料のことがありますので、1本書いておこうと思いました。

趣味のJRECチェックをしていた私。最近、非常勤の給料額が明記されていることも多くなっていると感じます。
「本学の規定に基づきます」などとされていることが多く、最近もそのパターンがもちろん多いのですが、公募情報に予め書かれているということは良心的だなと思います。

さて、業界にいる人以外にはわかりにくい、額が記載されている場合の読み方を本ページでは書こうと思います。

さて問題です。


あなたは90分1コマ、半期15回の授業を非常勤講師として受け持ちます。
A.1コマ(90分)あたり 1,0000円
B.1コマ(90分)月単価 2,5000円
と書かれていた場合どちらがたくさん給料をもらえると思いますか?



業界に詳しくない方は「当然Bでしょう?大学によってこんなに差があるの?」と思われるかもしれません。

正解は、AもBも同じ額です。なぜか説明したいと思います。

Aはわかりやすい書き方です。10,000円×15で15万円がもらえるわけですね。

Bはややこしいです。Bの場合は、25,000円が6か月間(半期分)もらえます。
トータルすると、25,000円×6か月=15万円であり、実はAと同じなのです。

Bの書き方を理解しておらず、25,000円×15回もらえると勘違いした人が、人事課に怒鳴り込んだ、という話も、またまた聞き程度の眉唾エピソードとしては、きいたことがあります。

さて、なぜこのような分かりにくい表記がなされるのでしょうか。それは、給料の中に、実際に授業する90分の外の準備や成績の処理なども含まれるからと考えられます。
Aの場合も、もちろん実質含まれるのですが、Aだと別に手当があると解釈されかねません。Bのように、安全のため「月額」ということにし、実際授業した回数に関わらず、6か月間に分けて支払うのです。
Bの場合、前期授業の場合、一般的に4.5.6.7.8.9月に支払われますが、9月に前期の授業をしている大学は、まずないはずです。成績処理も終わっているはずです。それでも9月にも支払うことで、9月中に何か授業に付帯する仕事があったとしてもそれも含まれていることにもできてしまうのです。(基本的にはないと思いますが。)

このことを理解すると、AとB、見た目には大きく差があり、Bの方が良いと思うのですが実は同じ額だとわかります。

ちなみに、私の認識では大学の非常勤の給料は、実質1コマ10,000円前後が多いです。短大や専門学校は一段少ない(結構ばらつきもある)というイメージです。
なお、実際には、1コマ〇〇円~ と「~」がついていて、本務校の職階(教授・准教授・講師)や、年齢などによって増減することが一般的であり、〇〇円は若手の講師相当と考えてよいと思います。

専任ポストを得るために教歴をつけたいので、あるいは、専任をやっている(本務校がある)のでお小遣い程度で、お世話になっている先生に依頼されたので、というのが非常勤をやる主な理由ではないかと思うので、給料はあまり気にしてもいられない、あるいはしないかもしれませんが、上記の観方を参考にして、契約書にサインする前に確認してください。
(上記の内容はすべての高等教育機関に当てはまる一般的な考えかたであるとは思いますが、念のため確認してください。)

ちなみに、非常勤だけで、色々な大学を掛け持ちして、生きていくことの困難はよく新聞やネットで記事になりますが、この件については、また気が向いたら私の考えを書いてみようかなと思っています。


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