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黒歴史なんて言わせない

 季節感を丸無視した脚本『夏祭りパニック』をアップ致しました。高校二年の夏に、たぶん初めて(文字通りの意味で)自作自演した公演です。僕は香賀谷洸一役でした。

 今読み返すと色々と至らない点も多いのですが、当時はそれなりにウケてましたし他の部員に執筆を手伝ってもらった脚本なので、台詞はほぼそのままに雑過ぎるト書きを整えて掲載しています。人の出捌けとか全然書いてませんでした。舞台が見立てだから場面が平気でころころ変わったり、1○9で笑いが起こってしまう沸点の低さが高校演劇らしいなと思います。
 物持ちはいいはずなのにポスターもパンフも見つからなくて、代わりに登場人物たちのイメージイラストが6枚データで残っていました。鉛筆で描いた上に当時の――10年くらい前の――ケータイで写メったものでかなり画質が悪いんですが、切り貼りして見出し画像に使いました。原画は確か欲しいと言った後輩にあげたはず。あの頃は結構マンガっぽいイラストも描いてたんですよね。

 公演の裏話はいくらでもありますが、忘れられないのが「役作りを進めていく中で僕が(というか、洸一が?)何故か梓に惚れてしまったこと」です。
 脚本を読んでいただければ分かると思いますが、そんな設定は全くないんですよ。ないのに何故か本番中、特に出番待ちの舞台裏で梓から目が離せなくて、本番後に彼女に(というか、当然だけど梓役の子に)「なんか変じゃなかった?」と聞いたらこくりと頷かれてしまいました。役を離れた後はなんでもなくて、あれは何だったんだろうか……?

 そんなことがあって僕は衝動的に中学生の洸一が主人公の短編小説を書きました。ルーズリーフに書き殴った初稿を正汰役の後輩に読ませた時は「こんな過去があってたまるか!」みたいなことを言われましたが、僕の中では辻褄が合っているんですよね。
 というわけで、次はその小説を掲載する予定です。作中のケータイが明らかに現在ではないので10年くらい前だと思って読んでやってください。

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