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eスポーツ大会による関係人口の拡大を目指して 東部地域のスポーツ「eスポーツ×三島市」

〈はじめに〉
 三島市では、2023年から市主催のeスポーツイベントを開催し、関係人口の拡大と地域の活性化の推進を図っています。

 「スポーツ」には、サッカーや野球のように肉体を動かして競い合う「フィジカルスポーツ」の他に、チェスや囲碁の様な主に思考能力を使って競技する「マインドスポーツ」があります。
 「eスポーツ」は「エレクトロニック・スポーツ(electoronic sports)」の略で、競技性の高いテレビゲームやパソコンゲーム、スマホゲームなどを使って電子上で行われる対戦のことを言い、現在はマインドスポーツの1つとして、スポーツのカテゴリーに入れられ始めています。(参考:筧誠一郎著「eスポーツ地方創生」)

 今回は三島市内でeスポーツイベントを開催した、三島市政策企画課戦略プロジェクト推進室小嶋室長と同課の山田主事にお話を伺いました。

〈三島市政策企画課のお二人にお話しを伺いました〉
 三島市では今までにeスポーツを活用したイベントとして、過去2回対戦形式のeスポーツ大会を開催したとお伺いしました。大会開催の経緯を教えてください。
 「三島市政策企画課は移住定住人口や関係人口の拡大・創出を所管事業としています。
当時、eスポーツという言葉が段々と認知され、注目を集めており、IOC(国際オリンピック委員会)もeスポーツをオリンピック種目へ追加することの検討を始めていました。
 その様な中で、関係人口づくりの新たな切り口としてeスポーツを活用できないかと検討を始めました。
 イベントを開催するに当たり、市役所内で若手を中心としたeスポーツ好きの有志を募り、プロジェクトチームを立ち上げました。
 会議やチャットでの意見交換を通して、ゲームプレイヤーの嗜好性に関する助言や、大会でのゲームコンテンツの選定などのアドバイスをしてもらいました。大会当日の運営なども手伝ってもらうなど、大会開催に貢献してくれました。」

 三島市さんは過去2年間イベントを実施していますが、今までのイベントの内容を教えてください。
「第1回大会は2023年3月4日(土)に、スマホゲームのモンスターストライクを使用した『モンスターストライク MISHIMA e-Sports Exhibition』を開催しました。
 イベント開催に合わせてWebスタンプラリーを実施し、三島市の観光施設全6か所をチェックポイントとして、イベント参加者の市内周遊を促進しました。そのほかにも、大会参加者に地元事業所からサービスを受けられるパスを配付したり、東急ホテルとタイアップした宿泊プランなど、地元事業者と連携した取組も実施することで、単にゲーム好きが集まってゲーム上の優劣を争うだけでなく、地域とのつながりや、参加者が三島に来る意義を作り出すための企画を取り入れました。」

「第2回大会は2024年3月20日(水・祝)に、ストリートファイター6を使用した『MISHIMA STREER FIGHTER6 CHALLENGE』を開催しました。
 本大会ではゲストに三島市出身のプロゲーマー等を招待し、大会上位者とゲストチームによるエキシビションマッチを実施しました。」

 イベント参加者からはどのような反響がありましたか。
両大会共に、Xのハッシュタグキャンペーンを実施しました。大会に関する感想以外にも、三島市での食事の様子などを投稿していただき、今までにない層へ三島市のPRができたと感じています。
 第1回大会開催当時は新型コロナの影響で、全国的にオフライン大会(会場に集まって開催する大会)が開催されていない中、三島市では対面の大会を開催しました。試合後には参加者同士がプレイに関するアドバイスをし合ったり、SNSでの連絡先を交換し合ったりなど、イベント後の参加者同士のつながりも生み出すことができ、地方でリアルの大会を行うことの手応えを感じました。」

 今年度はどのような大会を計画しているのか教えてください。
今年度の大会に関しては、まだ詳細は決まっていません。令和7年1月~2月の開催を計画しています。市役所内のeスポーツプロジェクトチームの意見を参考にしながら関係人口づくりの手段として効果的なゲームタイトルの選定、市民との交流の機会を創出する仕掛けの検討を進めていきたいと考えています。是非多くの人に三島市に足を運んでいただき、また、三島市民にも楽しんで貰えるイベントにしたいです。」

〈今後について〉
 今回、三島市政策企画課の担当者さんのお話しを伺い、eスポーツ大会を開催するまでの経緯、実際に大会を開催した感想などを聞くことができました。
 大会開催に手応えを感じる一方、「リピーターづくり」や「都市部の大規模大会との差別化」などの課題を感じているそうです。
 今後、プロゲーミングチーム・大会の増加や、IOCによるeスポーツの国際大会の開催など、ますますeスポーツが盛り上がっていくことが考えられます。いち早くeスポーツを、関係人口創出の新しい切り口として取り上げた三島市の今後の取組が楽しみです。

 静岡県東部地域局では今後も静岡県東部地域におけるスポーツに関する取組を取り上げていきます。次回もぜひ御覧ください。