こんなんしてました~BtoB飛び込み営業編~
不動産業社長のケーシーさんが『物上げのノウハウ』というこんな面白いnoteを書いていたので、私も営業時代の事を思い出して、その新人時代に教わった飛び込み営業のやり方を振り返りつつ書いてみようと思います。
最初にお伝えしておきたいのは、私は積極的な営業を推奨するような文章をいつも書いていますが、「みんな!ピンポンやろうぜ!」ということが言いたいわけではありません。
自分に合わない営業方法を無理して行なっても心身に不調をきたすだけですし、そもそも自営業者である皆さんに何かを強要する権利も無ければそんなことをする理由が私にはありません。
当然ですが、あくまでも判断するのは自分自身であるという前提で、興味のある人は読んでいただければと思います。
また、この会社で用いられていた営業方法や新人教育方法は法的にも道義的にも許されるものではありません。
飛び込み営業をやってみようと思っている方や新人さんに営業をさせようと思っている方は、決して今から読む内容については真似しないように反面教師としてご利用ください。
さて、本題に戻ります。
なぜ新人時代に限定するかというと、私はベンチャー企業にいたせいもあり、営業マンは数字さえ出していれば何をやってもいいという文化が濃かったので、半年もすると今から書く行動はほぼ全て行なわなくなっているからです。
残っている営業マンはみんなそれぞれ自分に合った独自の営業手法を考え、実践していくのが普通でした。
営業方法やトークに関しては、最初に言われたマニュアルの内容を何年も繰り返している人は私は他の商材の営業を行なっている時でも見たことがありません。
それゆえ時代遅れになっている内容もあるとは思いますが、あえて当時そのままの内容を一度書いてみて、最後にそれらを振り返りながら飛び込み営業とはなんぞや。行政書士の営業にも使えるノウハウはあるのか?ということを考察していきたいと思います。
もし途中でわからない用語が出てきた時はこちらの中に説明があると思いますのでご利用ください → 『よくあるビジネス用語超簡単まとめ』
ピンポンの始め方
ケーシーさんの物上げと基本的には同じです。
①インターホン鳴らす
②応答がある
③お決まりトークを話す
せっかくなのでもう少し詳しく書いてみます。
ピンポンしに行く時は他の社員とエリアが被らないように、朝礼でそれぞれどこをピンポンするか宣言します。
もしくは、上司に思い付きで決められたエリアを回れと命令されます。
エリアが被ったら話し合ってどうするかを決めます。
一緒に行って背中合わせにそれぞれ反対方向へ進みだすか、ビル毎に担当を決めて回るか、ブロック毎に担当を決めて回ることが多いです。
会社さんを相手にピンポンするので行くのは商業ビルかお店屋さんです。
新人の頃は選り好みせずに、とにかく決めたエリア内の全ての会社とお店をピンポンするように指示されます。
いわゆるローラー営業です。
ローラー営業はもれなくエリア内の全ての会社に営業をかけるので、「この地域は〇月〇日済」と少しずつ地図を塗りつぶしていけるので営業計画が立てやすくなりますし、見込み客も同時期に同エリア内で発生するので追っかけ営業がしやすくなるという利点があります。
また、新人に対して「とにかく全部行け」と命令することで、普通だったら避けてしまいそうな会社さんに突入する勇気を与え、様々な会社や社長さんと出会うことで嗅覚を養っていくという強制スキルアップ特訓の役割もあると思います。
現場での流れ
現場到着の連絡を上司に入れ、ピンポンを開始します。
この電話で様々な発破をかけられます。
まだ朝一なので、上司の機嫌が悪くなくて自分の成績も悪くなければこの段階では発破程度で済みます。
仕事スイッチをオンにして、1件1件丁寧にピンポンしていきます。
セールスお断りのシールが貼ってあろうと、怪しげな監視カメラが玄関についていようと、どんなにボロボロorやたらと豪華でも、全部ピンポンします。
大丈夫です。ピンポンしてみて下さい。全員断ってきます。笑笑
全員断ってくると思ってやれば、断られる事は普通、対応してくれる人が大当たりになります。こうなると楽です。byケーシー
まさに上記のケーシーさんの宣言通り、みんな断ってきます。
そして毎日毎日100件以上、無表情で断られ続けると断られることなんてどうでもよくなります。
まずはこの状況までメンタルを持ってきてからが勝負だと思っています。
私の感覚では、ベンチャー企業(ブラック)の営業だと、5人入社すると1人は当日の現場で失踪し、残り2人は3日以内に音信不通になり、残りの2人も1か月以内にやっぱり自分には無理ですと泣いて辞めていきます。
これを6カ月くらい繰り返すと1人くらい残る人が出てくる感じです。
1時間ピンポンしたら、上司に報告の連絡をします。
何件ピンポンして、何件決裁権のある人と話せ、どんな見込み案件が出たかの報告です。
1時間毎に必ず行なわなければなりません。
見込み案件が無ければ詰められます。
見込み案件と言いつつ中身が薄ければ詰められます。
ピンポンの件数が少なくても詰められます。
件数が多くても雑にエリアを潰すなと詰められます。
案件を出さない限り、詰められるためだけにある無駄な時間です。
この電話で散々やる気を削がれ、気力と体力を奪われ、萎え切った状態からまた無理やり仕事スイッチを入れて次のピンポンを行ないます。
これを1日におよそ6セットから8セットぐらい行ないます。
売れてない日が続くと会社に戻ることを許されず、10セット以上続けさせられることもあります。
お決まりトーク
私は物販を行なっていたので、商材も1つではありませんでしたし、必ずこれを話せというようなトークマニュアルもありませんでした。
「何売ってきても良いからとにかく売れるもん探してこい。」そういう教育を受けました。
教えてもらったこと。
①社長はだいたい奥にいるから、ピンポンしたらガンガン奥まで踏み込んで行って、社長っぽい人のところまで到達してから名刺を出して自己紹介しろ
②目に見える情報全てを見逃すな
③怖そうな人ほど客になる
基本的には一事が万事、現場で実践しながら自分で考えて改善していけ。というような有様です。
ちなみに私はこの頃は、「御社のお手伝いをするためにやってきましたトクトメです!」みたいな感じで挨拶をしていました。
あとは飛び込む先の業種が社名や外観からわかる場合はそれに合わせて、「〇〇屋です!ご挨拶にきました!」とニーズがありそう、もしくは、日ごろ営業が来ていなさそうな業種の名前を出していました。
(例:デザイン会社→印刷屋です!・飲食業→デザイン事務所です!等)
さて、やり方とひとまずのお決まりトークは書きました。
出来る気になったでしょうか?やりたい!って思ったでしょうか?
まずならないし思わないですよね。
なぜやりたくないかを考える
飛び込み営業挫折経験者と話す機会は山ほどあったので、なにがイヤで辞めたのかを話ができる退職者の方には聞きました。
とにかく辛い。しんどい。怖い。
共通して出てくる感情はこういったものでした。
何がイヤだから辞めるというよりも、もうとにかく全てがイヤ!みたいな感じです。
毎日上司に詰められ、納得出来ない商品を高値で売れと言われ、そんな商品が売れるわけもなくお客様には断られ続け、精神はボロボロで辛いです。
暑いし寒いし雨に濡れるし、スーツも靴も鞄もボロボロになるし、肉体はくたくたでしんどいです。
飛び込み営業を頑張ると機嫌の悪い事務員さんや社長さんに怒られ、それがイヤで飛び込み営業の手を抜くと上司に怒られ、尊厳を失うほど毎日否定されて人の顔色ばかり窺うようになって、誰かと話すのがだんだん怖くなります。
うん、こんな仕事なんて絶対にやりたくないですね。
私もそう思います。
でもこれは、モラルの無い上司に『やらされる仕事』だから辛いのではないでしょうか?
実際に、上司が良い人であれば圧倒的に離職率は下がりますし、理不尽な規則を撤廃するとやる気が再燃するというのもよくある話です。
個人事業主が自事業のために行なうとなれば、様々な工夫が可能ですし、そもそも詰めてくる上司も居ません。
やりたくない原因の80%は解決したようなものではないでしょうか?
私も今からまた営業会社に就職してピンポンさせられるとなれば絶対にやりたくありません。
しかし、自事業のためになるのであれば今でも全然ピンポンしていいと思っています。
営業が辛くてやめた経験のある開業者は、営業はイヤなものと決めつけるのではなく、今自分がやるならどうするだろう?と一度肯定的に考えてみてもいいのではないかと思います。
実際にやるやらないは別として。
一度も営業をしたことがないのになんとなく自分には合わない、向いてないと敬遠してる方も、きっとこういう情報を見聞きしすぎたせいでイヤになっているんだろうと思うのですが、『やらされる営業』と『やる営業』は全く別物と考えた方がいいです。
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