德留の起案から実行までの全てを公開します。
私があちこちに顔を出して、色んなセミナーやイベントを開催していることについて、『どういう風に企画して、どうやって形にしているのか?』という質問を受けましたので現在私が行なっている、起案から実行までの過程を解説してみようと思います。
実例があった方がイメージしやすいと思うので、最近行なったオープンイベントである、『離婚時の不動産問題を考えるウェビナー』を主軸に置いて時系列に沿って詳細を説明いたします。
起案(思い付き)
そもそもなぜ、本件ウェビナーを開催しようと思ったのかというと、離婚専門の行政書士の方が、「不動産問題は必ず話題に上がるけど、売買に関しての具体的な話になると銀行さんか宅建士さんに相談してもらうしかないかと思います」と発言されたのがきっかけです。
私自身が離婚の相談を受けた時も、家を売らなければならないのか?いくらで売れるのか?売れない時はどうなるのか?等々、よく質問されていたからです。
それに対して離婚を専門としている先生でも正式な回答を持っていないということであれば、これは制度の隙間問題なのではないかと思いいたり、調べてみることにしました。
他の企画においてもだいたい始まりはこのような感じで、色んな経営者の方と話をしていて、私自身が気になったことやニーズがあるんじゃないかと気が付いたことを詳しく調べてみるところから起案が始まります。
事前調査
調べるといってもそこまで大掛かりなことはしません。
私の得意分野を活かして(というか行政書士ならみんな得意だと思いますが)事前調査を行ないます。
管轄庁や関係機関があるような問題であればまずそこのHPを調べ上げ、資料があれば読み込み、無ければ電話やメールで問い合わせをしてみる。
今回の離婚不動産ウェビナーのような場合であれば、不動産屋さんに直接聞いてみます。
この時の私は、現役不動産屋株式会社Katsuyakuの代表であり友人の木村圭志さんにすぐにLINEを入れて「離婚するんで家を売らないといけないかもなんですがどうしたらいいですか?って相談が来たらどうしてる?」と質問しました。
すると木村さんは「自分自身はそういう直球な相談はされた事がないからわからんけど、普通に不動産屋にそれ言いに行ったら、知らんがな!物件売るんやったら話聞くよってなるやろなぁ」と仰りました。
不動産屋としてはあくまでも物件の売買をすることで初めて仕事になるので、協議書のことなんか関係ないから知らんし、売る気がない人の物件をわざわざ調査して売買価格を無償で調べてあげる理由がないというのが実際のところのようでした。
じゃあ離婚協議書作ろうと思ったら不動産鑑定士に調査費用支払って評価額設定してもらうしかないんかな?
実際には売りたくないのに評価額つけてもらうだけで十何万もお金払うのはそりゃイヤってなるよね・・・。
という話をしていると木村さんが、「ぴったりな人がおったわ!その人に一回聞いてみよ!」と言いだして、イクラ株式会社の坂根代表を紹介していただける運びになりました。
(※このタイミングではまだ木村さんはイクラ株式会社のCOOに就任する前でした)
坂根さんは不動産メディアを運営しており、そのメディアには離婚にまつわるエンドユーザーさんからのご相談が毎日届いていて、その相談者と不動産会社を繋げることを業とするIT企業の代表者です。
まず木村さんから簡単に坂根さんへ話を通していただき、概要に興味を持っていただけたとのことなので、グループLINEで繋いでいただいてまずはご挨拶をさせていただきました。
企画書作成・提案
ご挨拶をさせていただく上で、当然内容を坂根さんに説明するための簡単な企画書がいるよねと思い、めちゃくちゃ急ごしらえで概要がわかるものを作成しました。
コロナ禍なので、まずは事務所にご挨拶に行って~というくだりを一切すっ飛ばしているため予備時間が全くなく、一時間程度でまとめたのでかなり拙いもので恥ずかしいですが、現物そのままを下記に公開いたします。
ご覧いただければわかると思うのですが、しっかりとパワポで作り込んでいるわけでもありませんし、ビジュアルに訴えるような装飾も一切しておりません。
今回のケースで言えば基本的な概要はLINEで説明済みなので、行政書士の現状と教えていただきたいことをまず最初に明記し、具体的な事例で多いものをピックアップしてまとめ、更に詳細に聞きたいことを書きました。
相手もお忙しい経営者の方なので、見栄えよりもわかりやすさとスピードを重視してこれを作成し、手が空いた時間に見られるようにグループLINEに添付しておきました。
クロージング
挨拶をして、企画書をお送りして、この企画への想いをLINEでお伝えして、坂根さんからオッケーをいただいたのでそこからはそのままLINEで打ち合わせを進め、開催日程と条件、開催方法など、実行するのに必要な項目をどんどん決めていきました。
日程や開催方法などが確定したら、すぐに告知文の作成をします。
私はほとんどのケースでnoteを使用して告知ページを作成していきます。
とにかくスピードとわかりやすさ重視で書ききって、企画や実行案等に問題がないかのチェックをしていただきます。
内容をご確認いただいて、表現方法や内容など問題ないですとなれば、この内容で開催させていただいて大丈夫でしょうか?と先方の意思を最終確認いたします。
今回は無料のウェビナー企画のため、講師費用はお支払いできないということを伝えた上で、イクラ不動産という媒体を行政書士も活用してくださいねという宣伝をすることでご協力いただけないかとお願いしました。
これで問題無いです、進めましょうと言っていただけたので、無事に企画を実行できる状態を整えることが出来ました。
この間、とにかく企画を進めるスピードが速いということと、返事をするだけで手間の部分はサクサク進む手際の良さをお褒めいただけました。
相手に余計な手間は与えずに、いかに気持ちよいスピードで進められるかというのは私自身も意識して大切にしている所です。
抜けや手間ばかりになるぐらいなら少しスピードをゆるめる方がいいと思いますが、とはいえ、この人は仕事は丁寧だけど遅いなという印象を与えてしまいます。
一度印象付いた”仕事が遅い”というイメージを払拭するのは並大抵の努力では不可能だということは覚悟してください。
そうなってしまうくらいならいっそ、無理してでもやりきるか、スケジュールにゆとりがある時にしか新しいことはしないと事前に決めておく等して調整をする方がいいでしょう。
事前準備
ほとんどLINEだけで内容は詰まっていたのですが、この時点ではまだ坂根さんに直接お会いできていなかったのでランチミーティングをお願いしました。
直接会って話したことが無い人といきなりオンラインで絡もうと思っても良い掛け合いはできません。
また、文字からは浮かび上がらない呼吸の間合い等も知っておきたかったのでラフな雰囲気でお話していただきました。
実際、このランチミーティングの前と後では全然距離感が変わりましたし、不動産業界から見た離婚による不動産問題のリアルや、実は士業に聞いてみたかったこと等、とても有意義な意見交換が出来ました。
オフラインでクローズドだからこそのぶっちゃけた話をしたことで、事前に双方の考え方を共有でき、それを踏まえてそれではどこまで突っ込んだ内容のウェビナーにしましょうか?というところを話し合いました。
そして、当日までにすべきことの割り振りを決め、ランチミーティングは和やかに終了しました。
ちなみに役割については、私は集客と宣伝をしながら出来るだけ個別具体的な事例の質問を集めて事前に坂根さんにお送りするというもので、坂根さんはウェビナーに向けて話す内容をまとめておくというものでした。
実行
前日ぐらいに、明日はおおよそどんな流れでやりますか?というLINEを木村さんがグループLINEに送ってくださったので、ざっと当日の役割分担について再確認しました。
お申込みいただいたのは24名で、当日の全体の回しはオンラインGYM共同代表の谷内田さんにお任せするということと、チャットからきた質問を拾うのも谷内田さんにお願いしている旨をお伝えしました。
まず私が坂根さんと木村さんをご紹介するので、坂根さんにはそのまま講義に入っていただき、一通りお話が終わった所で私からお二人に質問を投げていくのでお答えくださいという簡単な進行もお伝えしました。
当日はほぼ時間通りに受講者の方も参加してくださり、坂根さんのぶっちゃけトークが炸裂する、士業者向けウェビナーとしてはあり得ない実に面白い内容となりました。
ちなみに、オンラインGYMにメンバーはこのウェビナーを収録した動画をいつでも見ることができます(宣伝)
開催後にいただいた感想も、今後もこんな内容の勉強会をまた行なって欲しい!という声を多くいただき、『士業×業界事業者』というお互いの知識や情報の隙間を埋める機会はなかなか他ではないのだなということを私自身も再認識出来てとても有意義でした。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか?
なんだ、簡単なことしかしてないじゃないか!と思いましたか?
その通りです。
私が提案営業する上で大切にしていることは、当たり前の事を当たり前に行ない、当たり前の気遣いを相手に提供することです。
参加することで相手にとってどんなメリットを提供できるかを伝える。
リスクやデメリットが発生するならばそれも伝える。
その上で、どうしてあなたが良いと思ったのかの想いを伝える。
たったこれだけです。
企画にしても突飛なことをしてやろうと常に頭をひねっているわけではなく、日常の中で自分が面白いと思ったこと、自分が知りたいと思ったことを企画にして共有しているだけのことです。
難しく考えずに、どんどん行動してみたら自分の知らない世界が外にはものすごく広がっていることがわかって本当に楽しいですよ。
知らない業界にこそ積極的に、無知の沼に飛び込んで溺れかける体験をぜひしてみて欲しいなと思います。
そして、その感想をぜひ私にも共有していただけると嬉しいです。
今回の記事はここまでです。気に入って頂けましたらTwitter等で感想と拡散を頂けると幸いです。
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