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仕事とプライベートの境界を考える。

先日、営業というものが根本的によくわからないという質問をオンラインGYMにて受けました。
ざっくり要約すると、「営業に行って仕事の話をしないってどういうことですか?」というようなことです。

質問を受けて、確かにこれだけ聞いてもわけわかんないよねと思ったので、今日はこの辺りについて一度しっかり考えていきたいと思います。


独りよがりな会話

普段プライベートで誰かと話をするとき、何を考えて話していますか?
例えば、「ラーメン屋さんを開きたいと思ってるんだけど」って友人が相談を持ち掛けてきたとします。
みなさん、どういう返事をされるでしょうか?

私は完全なプライベートモードになっている時であれば、どうしてラーメン屋をしようと思ったのか、その動機からまず聞くと思います。

「ラーメン屋やりたいねん」
「急になんでラーメン屋やろうと思ったん?」
「いや、実は前々から考えててんけどな・・・」
「え!?そうなん?いつから?どんなんやりたいの?」

ところが最近の私は、仕事スイッチがうまく切れていないときや、テンションが低い時だと会話するよりも先に手段や手順を考えしまい、それが口をついて出るようになってしまいました。

「ラーメン屋やりたいねん」
「そうなん?食品衛生責任者は持ってんの?」
「いや、まだやけど・・・」
「まず研修受けに行って食品衛生責任者とらんことには営業できひんで」

こんな人が相手だったら、話したいことなんてなくなりますよね。
なんてつまらない返答だろうと思います。
しかし、士業従事者はこのような会話をする人は結構多いように感じます。

日々の業務の中で、相談にすらなっていない夢物語を電話などでこちらの都合お構いなしに長尺で一方的に話したりメールを送ってくださる方がいらっしゃる時に、「個別具体的なご相談は面談にて有料でお伺いします」とか、「詳細が煮詰まってから再度ご連絡をくださいますようお願いします」とか言い続けているからだと思います。

私は許認可が専門なので、このように新しいビジネスに関する話だと特に顕著になります。
忙しくなればなるほど、スイッチがうまく切れず、たわいのないお喋りを楽しむということを忘れてすぐに答えを導きだそうとしてしまいます。

でもこれって、ものすごく独りよがりですよね。
相手はただ夢についてお喋りをしているのに、私は聞かれてもいない道筋とハードルの話をしている。
いつから私はこんな会話をするようになったのだろうと考えて気が付きました。

結論としては、仕事とプライベートの境界が曖昧になり過ぎているからでした。
なぜ曖昧になっているかというと、プライベートを装った営業の場に呼ばれるがままに行きすぎたからだと思います。


営業に行って仕事の話はしない?

「営業に行って仕事の話はしない」というのは厳密に言うと間違っています。
営業に行ったなら仕事の話はちゃんとします。
営業のつもりで行って無かった場で思わず仕事になることも多いし、広義では人に会う事そのものが営業だよねということです

そもそも営業に行っているかどうかはアポの段階で明確に違うと思っています。
仕事の話をするために会うならそれは飲み会の場であっても営業です。
逆に、ただお茶をしに行っただけならそれは事務所であっても私事です。

自分がなんの目的でその人に会うのか。
相手はなんの目的で自分に会うのか。
会うことになったからには誘った側がいるはずで、誘った側には何か理由があるはずです。

人として仲良くなりたいという興味ならプライベートなので仕事の話は相手から聞かれない限り基本的にはしない。
業務に関する興味があるなら仕事なので積極的に仕事の話や質問をする。
自分が誘う側、営業する側ならそれを徹底するだけのことです。

しかし、自分が誘われる側、営業される側になるとそこには相手の駆け引きが介入してくるので会ってから残念な気持ちになるということもとても多いのです。
そういう場面に多く遭遇すると、疑心暗鬼になってしまって仕事と私事の境界がどんどん曖昧になってくるのです。


事業主は24時間事業主である?

このような言葉を聞いたことはありませんか?
「事業主は自分が商品だから営業時間外でも常にその意識を持っていないとダメだ」
私はこのような意味合いの言葉をよく見聞きしました。

実際に周囲の事業主の方を見ていてもこれを実践されていて、プライベートの活動をうまく自事業に繋げている方をたくさん見てきました。
だから私もそういうものなんだなと、漠然と考えていたように感じます。

『本当に24時間事業主であることが私に可能なのだろうか?』ということを真剣に考えられていませんでした。
そして今まではそこになんのストレスも疑問も感じていなかったのです。

なぜ疑問を持つようになったかについてはこちらの記事に書いてある流れが直接的原因だと思っています→『スケールせずに衰退しない方法を考えて実践してみようと思います。』

上記記事のような流れがあり、実践した結果、私は24時間自営業者のままではいられなくなりました。
理由は簡単で、単にストレスになったからです。

何かしらビジネスに繋がるんじゃないか?という期待や、なんとしてもビジネスに繋げてやろうという野心が見え隠れする人がビジネスの場ではない場所に侵入してくることへの嫌悪感が高まってしまいました。

そういうことがやりたいならちゃんと手順を踏んで目的を明確にして面談を申し入れてくださいよって自分が思った時に、「あぁ、これと同じことをかつての私にも思った人が居たんじゃないだろうか?」と気付いてしまったからです。

気が付いてしまうともう恥ずかしさと申し訳なさで身動きがとれなくなりました。
『営業に行って仕事の話をしない』『24時間事業主』という言葉を間違えて解釈してしまった結果、いつでもどこでも仕事クレクレ野郎になってしまっている人は結構居るのではないでしょうか。


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