
ミッキーマウス化する「くまきち」
こんにちは、ディズニーとぬいぐるみが大好きな冬野です。
いきなりですが、くまきちという地球上に住む白いくまのことをご存知ですか?
とりあえずYoutubeチャンネルのリンクを貼りましたが、一見ちょっと怖そう……と思ったあなた、全くそんなことありません!くまきちは暖かく優しくユーモアと機智に富み、常にそっと寄り添ってくれるぬいぐるみのくまさんなのです。
パッと見、ちょっとダークさがあるかと思いきや、動画で話す内容は、主にお菓子を食べたり、ガチャガチャを回したり、動物と触れ合ったりお悩み相談に答えたり……とってもほのぼの。お子さんのファンもいらっしゃるようです。
くまきちの活動は、オリジナルソングを歌う、ダンス、お悩み相談、食レポ、ラジオDJ、ことわざを分かりやすく紹介、新しく生まれたぬいぐるみに教育を行う、などなど、まさに八面六臂の活躍をされてます。グッズやLINEスタンプもたくさんある。
かく言う私もくまきちワールドの大ファンで、先日ACDC RAGでくまきちコラボアパレルが発売した時など完売に涙し、再販情報を心待ちにして、再販開始日に即注文したくらい。
そして昨日、くまきちの仲間である「きんたろう」について書かれたこの記事を拝見し、考察ブログの存在にに感銘を受けたところだった。
ということで、私も一つくまきちについて思っていたことを書いてみようかと思った次第です。拙い部分はあるかもだけど、よろしくヤ〜。
くまきちの変化
まず、最新のくまきちの活動から。
新曲『がんばってるよっとっとん』のくまきちを見てみよう。(くまきちのパートは0:57くらいから)
次に、後述するきんたろうとの共演動画(2020/7/15に公開)
ちなみにきんたろうの理不尽なお菓子強奪もといくまきちからの寛大なおすそ分けはこれが2回目である。
くまきちは実に物分かりの良い優雅で知的なしろくまのようだ。
くまきちは2017年12月3日生まれ。
ネットでの活躍の場は、はじめTwitterだったとのこと。(公式ホームページより)
ここで、初期のくまきちの動画を見てみよう。
「ここ最近機嫌悪かったんだよ ミュウツー欲しくてさぁー」「おいっ」
(クレープを焼いている時)「マダー?」「ウワァーバナナだ」「くまきちも、モーニング娘になりたいっ!」
・・・
少し印象が異なって感じられることと思う。
昔から、お悩み相談や1人で語ることなどは、観ている人に寄り添おうとしているし、やはり考えることが好きという点は今と変わらないが、最初の頃は欲望を素直に吐露したり、言うなればちょっとヤンチャなのである。
カウンター魂・きんたろうの登場
ところで、くまきちには仲間がたくさんおり、『くまくま大集合2018』という楽曲でもよく分かる。
タイトル通り、くまのぬいぐるみがたくさん紹介される。
しかし!この曲にはまだ、後にくまきちをして「人気あってねびっくりこいて腰抜かしたんだけど」と言わしめる存在、きんたろうが出てきていない。
きんたろうとは何者か。
それは最初に貼ったブログでも発展した考察がされていたが、一言で言うと
「くまきち」の突然変異の”緊張型”
(くまきちのInstagramより)
つまりくまきちと同じ「くま」である。
だが、性格は大きく異なる。
まず、語彙が少ない。
最も多く発する言葉は「キンチョーする」である。
ただ、語彙が少ない仲間は他にもいる。
くまきちとの違いが一番分かりやすい動画といえばこれだろうか。
一番最後のパート。ふたりがそれぞれ本を読んでいて、くまきちが「信頼」と「信用」の違いについて考えていて、どう違うと思うかきんたろうに問うたところ
「字が違うね!」
え、ええええええええ〜〜〜(((((((՞•.̮ •՞))))))))
「たしかに。」
一方きんたろうは「トド」と「セイウチ」の違いを勉強しているという。
「えぇー 一体何が違うの?」
「うーん 字が違うよ」
((((((((((((((((((՞•.̮ •՞)))))))))))))))))))
きんたろうはくまきちほど「深く考える」とかには向いてないタイプなのだ。
もちろんきんたろうにはきんたろうの悩みや考えがあるのだが、くまきちの深みを持った思考法などにはついていけないことが多い。
くまきちラジオ2に出演した時も、収録されていることにも気付かず「ラジオ撮ってるの?なにそれ」と、質問している。(きんたろうの登場は10:17くらい〜)
また、きんたろうはそのムキムキの腕からも見られる通り、インテリというよりはフィジカルである。
『くまくま大集合2020』でも「暇さえあれば筋トレさ」と歌っており(きんたろうのパートは、2018ver.では桃太郎のパートだった)、ソロ曲『宝石みたいになりたいな』でも筋トレシーンが映っている。
一方で、福笑いやシールブックで遊んだ時はそのセンスにくまきちが驚いていたくらい、アーティスト肌でもある。つまりセンスで行動するタイプなのだ。
お片付けも苦手なようである。
つまり、「最高のティータイムを始めさせてもらうよ」「スプラトゥーンみたいな動くゲームは苦手」「趣味ってなんだろう」「どうしても婚姻届を出さなきゃいけなくなったら、自分と結婚する」などの、くまきちの「思考寄り」なペースに対するカウンター的存在としてきんたろうはその人気を博したのだ。
変わっていったミッキーマウスの「キャラクター」
きんたろう以外にもうさじスリーやたおぷりんなど、人気で個性的なぬいぐるみはたくさんいるが、私がここできんたろうに言及したのは「最近特にきんたろうがくまきちとセットで登場する」からである。
2人が会話している動画は多いし、Twitterでも2人で『世にも奇妙な物語』を観ていたり、日常的に2人が一緒にいるところを見ることができる。
ここで私が思い出したのは、ミッキーマウスとドナルドダックの関係だ。
ミッキーマウスは1928年『蒸気船ウィリー』でスクリーンデビューしてから世界的な人気を誇っている。それは今も変わらない。
ただ、ミッキーマウスのキャラクター(性格)が昔と今で変わっているのはよく語られることである。
昔のミッキーは歯をむき出しにして笑ったり、いたずらをしたり、何というかヤンチャだったのである。恋人のミニーを怒らせることもしばしばである。
しかし、そこにドナルドダックというキャラクターが現れる。
1934年『かしこいメンドリ』でデビューし、1935年『ミッキーの大演奏会』では指揮者のミッキーに何度怒られても笛を吹き続けるお騒がせな役どころだ。
ドナルドダックはアメリカ国民に大受けした。
短編作品の出演数はミッキーマウスを上回り、第二次世界大戦中は、ドナルドの短編アニメがアカデミー賞まで獲っている。
あの怒りっぽい一方で素直な性格が、プロパガンダに向いているキャラクターだったのだ、
傍若無人なまでに率直に感情を吐き出すドナルドダックの登場と人気の裏で、ミッキーマウスは、かつてのヤンチャさを捨てて、より「アメリカの象徴」としての役目を果たした。
戦後は『ミッキーマウス・クラブ』というテレビ番組で「リーダー」と称され、ディズニーランドが出来たらゲストを迎えるホストとして、あらゆるパフォーマンスを披露することになる。
余談だが、個人的には、所謂Dオタ、ミキオタの人たちが言う「ミキ様」というスパダリ的ミッキーの捉え方は、パークでのパフォーマンスがキレキレで冴え渡っているところに視点を据えた結果生まれたものと考えている。
ともあれ、そんなスーパースターになってしまったミッキーのカウンターとして『ミッキーマウス!』という、初期ミッキーのキャラクターを復活させた先祖返り短編アニメシリーズが現在発表されているが、ミッキーのファンでもあれを受け付けられないという人もいる。
先祖返りの仕方があまりにも強烈なためだろうが(この短編リストの17:13の画がすごい。私はこれも「ミッキーマウス」だと思っている。)、それくらいミッキーは1928年の誕生から「周りに合わせて大きく変化した」のだ。
その変化はドナルドダックの登場であり、大衆の願望の反映であったり、様々な要因があるが、少なくとも「ヤンチャ」「小さいネズミ」から今ではすっかり「リーダー」「スーパースター」のイメージを身につけた。
くまきちとミッキーマウス
話をくまきちに戻そう。
他のキャラクターの登場、人々のリクエストに応えラジオを始めて、入手困難なほど人気が出たくまきちぬいぐるみが遂にガチャガチャになる……
そして最初に見た通り、仲間を増やし、その上で昔の性格よりも、より達観・強キャラ感の強くなったくまきちは、もはやスーパースターの階段を登りつつあるのではないだろうか。
ところで、くまきち動画を見ている人はよくご存知だと思うが、くまきちの周りにはディズニーグッズがめっちゃある。ディズニーシーに行ってる動画もある。
そしてくまきち自身もディズニーネタを動画で披露することがある。
深夜の雑談 トイストーリーのバズライトビール pic.twitter.com/d8euQR1MNz
— くまきち (@kmakici) June 21, 2020
実によくディズニー映画を観ていて、言葉に敏感なくまきちさんらしい感想でこのトーク大好きなのだが…
さぁ、原点に戻ろう。
昔の動画に、なんと……!!!
この動画、最初に出てくるくまはくまきちではなく、普段我々がくまきちと呼んでいる魂の方は、後半パンを食べている方のくまである!
「なんだそれ」
このパンをガツガツと食べるくまきちは2019年1月29日。
そしてきんたろうがTwitterを開始したのが2020年1月。パンを食べるツイートが1月16日である。
そしてきんたろうに大量のカプリコを譲ったのが7月15日……一年半の間に、くまきちはこんな変化を遂げていたのだ。
この間、くまきちはたくさんの人たちの心を癒し、お悩みを相談し、展示も行い、つまり人々に求められ、時に勇気が出ないきんたろうを励ましたり手伝ったりしている。
最初の性格から、変化に合わせてそのキャラクターが変化し、その世界のアイコン的存在になったくまきちは、ミッキーマウス的変化を遂げていると言えるのではないだろうか。
初期のくまきちはまだ服が少ないことさえも、ミッキーマウスを彷彿させるではないか……(?)
そんなくまきちだが、この理念だけは変わらないのだろう。
公式ホームページのトップページにも、この理念は掲げられている。
くまきちはいつまでも、くまきちとしての魂を全うするのだろう。
ミッキーマウスが、モノクロからカラーになり、アニメからパークで会えるようになっても、「ミッキーマウス」として存在し続けているように。
くまきち、いつも暖かさとかわいさをありがとう。
悔いなく 魂燃やす!!!〜BURNING SOUL〜
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