レーシックを受けられなかった男の細かすぎるICL体験記(後編)
前編でICL手術を受ける理由や検査までを書いたので、後編では手術当日やその後の経過について書いていきます。(随時更新予定)
前編ではレーシックとも比較しながら話を進めましたが、ここからはICLのみの話になるため、その点はご容赦ください。
また、術後経過は個人差があります。
今回の記事はあくまでも僕個人の話になるので、参考程度に捉えてもらえると助かります。
前編に引き続き後編も恐ろしく細かくて長いため、是非お時間のある時にお読みください。
手術当日
1. 手術当日の流れ
検査日は待ち時間がとても多くて大変でしたが、手術当日はとてもスムーズで、日曜日の12:30開始、14:30終了でした。
一旦ここでは手術当日の流れを説明し、一部の項目は次章以降で詳しくご説明します。
①来院準備
- 前日までの行動制限は特になし、コンタクトも前日まではOK。
- ただ目の細菌を減らすための術前点眼が3日前から始まり、1日5回(起床時・朝・昼・夜・就寝前)をする必要がある。
- しばらくシャワーが浴びられないので、朝シャワーを浴びておくのがおすすめ。
- 髪や顔に塗るメイクや日焼け止め、整髪料などは禁止で、化粧水や乳液も目の周りにしてはいけない。
- 気持ち悪くなる人がいるらしく、術前1.5時間は絶食なので、しっかり朝ご飯を食べておいた。
②検査(12:30-12:55)
- 到着したら診察券を渡して受付を済ます。
- 5分ほど待ち、検査員による瞳孔を開く目薬投与、目の血管撮影を実施。
- この時に瞳孔を開く目薬を渡され、手術開始まで10分おきに点眼するように言われる。Apple Watch大活躍。
→おそらく検査時よりも強い目薬で、結構しみるし目はギンギン、近くが見えづらくなった。
- 10分ほど待ち、医師による瞳孔の開き具合を確認。
- ここで今後の流れと手術中の注意点を説明される。
→特に「頭を固定していないから動かさないように」と念を押され、不安そうな顔をすると、「覚悟決めろ」と言われる。まさかの根性論。
→ただ嫌味な感じでは一切なく、お母さん的な方で妙に安心感があり、和やかな雰囲気で解散。
③支払い(13:55-13:00)
- 5分ほど待ち、受付に呼ばれる。
- 前払金19万円は支払済みなので、残り38万円を支払う。
→普段利用しているカードが1日の上限が30万のため、2枚に分けて支払った。
- 荷物をロッカーに預け、手術待合室に行くように案内される。
→ここでスマホやApple Watch含めて預ける必要がある。
④手術(13:00-13:30)
- 目薬を色々投与した後にオペ実施。オペ自体は片目5分ずつ程度だった。
- 2. 手術内容と前後の流れパートにて詳しく説明。
⑤安静タイム(13:30-14:30)
- 手術直後の経過観察のため、1時間は専用の待機場所で安静にする。
- 2. 手術内容と前後の流れパートにて詳しく説明。
⑥帰宅
- ⑤まで終わると解散。受付にも寄る必要なし。
- 甘えん坊なので父親に車で迎えに来てもらった。優しい父親に大感謝。
2. 手術内容と前後の流れ
①目薬タイム…10m
- 専用の待機場所には自分1人だけ。
- 保護用サングラスのサイズM/Lを選びながら、1.2分ほど待機。
- すぐに履物を脱いだスペースに案内され、髪の毛を抑えるための手術用キャップをかぶる。
- テキパキした看護師さんが定期的に訪れ、目薬を点眼してくれる。
→7.8回ほど点眼され、消毒用の目薬はとてもしみた。
- 目薬のスペースには僕の他に3人いたのだけれど、隣に座っていたおじさんが「術後2日目なのに目がとても痛い。なんとかしてくれ。」と喚いてた。
→看護師さんが「痛み止めの目薬で対応します。」と言っても納得していなさそうなご様子。
→話を聞いているとレーシックだったけど、手術前に見せられると正直怖くなった。
②手術室前で待機…5m
- 点眼が終わると、手術室の扉前の椅子に案内された。
- 待っているのは自分1人。「今は前の患者のオペ中なので、もう少しだけ待っててください」とのこと。
- 手術直前なのにびっくりするほど集中してなくて、夕飯のことばっか考えていた。
- 5分ほど待つと、オペ担当の医師が迎えに来て、手術室に案内される。
③手術準備…5m
- 手術室にはオペ担当の医師を含めて5人いた。
→ドラマで見るような、手袋と青い服装していて、少し実感が湧いてくる。
- 歯医者みたいなリクライニングができるに椅子に座らされ、仰向け状態になった瞬間、まな板の上の魚のような気分になった。
→手術室に異質な空気が流れていて、この瞬間から集中モードに入る。やっと「覚悟」が決まった瞬間だった。
- まず顔に目の穴だけ開いている不織布をかけられ、テープで固定される。
- その後瞬きができないように、金属製の道具で上下まぶたも固定。
→頭はくぼみにはまっているだけで自由に動かせるので、結局は自分次第な感じは否めなかった。
- 瞳孔が開いているので、正面から当てられるライトがとても眩しい。
- 乱視の向きの確認のために写真を撮って、手術準備完了。
④手術本番…10m
- いよいよ手術本番。右目からオペ開始。
- まずは麻酔からだけど、医師の姿も麻酔の針も見えるので普通に怖い。
→麻酔中は刺されているのはわかったけど、全く痛くはなかった。
- そして大量の消毒液で洗浄タイム。
→定期的に振りかけられるので、目が開いていても乾燥することはない。
- 角膜を3mm削り、オペ担当の「レンズいれまーす」を合図にレンズが挿入される。
→削られるときも、レンズが入った時も全く痛くはない。
→レンズ入れた時はニュルッとした感覚で、この時点から少し見えるようになっているのがわかる。
→乱視矯正レンズのせいで位置を調整している時は世界が回って見えた。
→術前の医師に言われた通り、「覚悟」を決めて動かず、正面の3つの光の中心を見ることだけに専念した。
→この間、力入り過ぎていたらしく、何度も「力抜いてください」と言われた。
- その後乱視矯正レンズの回転を調節してくれる。
→水分でにじんでいるけど、よく見えるようになっているのがわかる。
- 最後に消毒用の目薬を注入される。麻酔が効いていない奥までかかるので結構しみる。「30秒でーす」を合図に完了した。
- 右目終了。オペの時間は体感5分くらいだったと思う。
- 右目のオペが終わった後、「すごくブルブルしてましたけど、大丈夫ですか?笑」と言われた。まさかの煽り。想像したら笑ってしまった。
→気持ちでは大丈夫だと強がっていても、本能が怖がっていたんだろうな。
- 同様に左目のオペも実施。
→だいぶ慣れてきて、力も抜けるようになってきた。
- 完了後にお礼をして退出。
⑤安静タイム…50m
- マッサージチェアのような椅子が4-5個並んでいる、休憩スペースのようなところに案内される。
- この時点ではく目の違和感ないし、しみたり滲んだりすることもない。
→コンタクト入れた感じで割と見える。完全じゃないけど。
- 最初に眼圧を下げる薬とペットボトルの水をもらって飲んだ。
→副作用で手足のしびれが出ることもあるらしい。特に何ともなくて良かった。
- 持ち物何もないし、正直寝るくらいしかやることがない。
→でも結構部屋寒くて、小さめの毛布あるけど寒い。長袖がおすすめ。
→しかも①目薬エリアと⑥術後検診エリアと部屋が同じだから、眩しいし話し声もするし、「こんなんじゃ寝れないよ」と文句を内心呟く。
- その後、体感5分後くらいに同じ人に呼ばれて検査の時間だと言われる。
→時計を見ると50分経っていてびっくり。しっかり爆睡かましてた。
⑥術後検診…10m
- 起きたら目がしみる感覚で結構きつい。あまり開けてられなかった。
→おそらく麻酔が切れたのだと思う。若干不安になってきた。
- 看護師による眼圧検査で風を当てられたが、特に異常なし。
- その後医師による目の状態の確認。「綺麗に終わってますね」と言われて一安心。
- 保護用サングラスをサイズ(M/L)と色(透明/黒)から選ぶ。
→黒は見えづらいのでおすすめしないと言われたので、透明のLを選択。おすすめしないのなら何で置いてあるのか聞きたくなったが、ここはぐっと堪えた。これぞ大人の対応。
- 最後に術後1週間利用する目薬を受領し、注意事項の説明を聞いて解散。
3. 手術当日の経過・感想
①見え方
- 術後すぐから遠くは見えた。
→具体的には待合室のテレビの文字、外の景色がはっきり見えていた。
- でも術後すぐは近くのスマホの文字のピントが合わずに見えず。
→LINEの文字が読めなくて、拡大しないと連絡できないレベル。
→note用の感想記録しておきたくて、目をつぶりながら手持ちのPCでタイピングしたの良い思い出。
- 2-3時間経つと慣れてきたのか、近くも不自由なく見えるようになった。
②光
- 瞳孔を開いた目薬の効果で、光はとても眩しく感じた。
→特に太陽の光は本当に辛くて、日なたを歩いていると目を開けてられず、通行人に何度かぶつかってしまった。
- ハロー(光輪症)は強く出ていて、電球の光の周りに輪っかが見えた。
③不便さ
- 当日は寝るまで1時間おきに感染症予防の3本目薬をする必要があり、とても面倒。
→しかも5分間隔で点眼する必要があるから慣れるまでとても大変。
- 保護用サングラスの掛け心地がとても悪い。すぐに耳が痛くなる。
- 寝る前の眼帯が布製ではなく、プラスチック半円(ガチャガチャみたいなやつ)
をテープで固定するタイプだから、つけて寝るのが億劫だった。
→朝起きた時にしっかりくっついたテープを剥がすのも、肌に悪くて少し嫌だった。
④感想
- 何より無事に手術が終わり、問題なく見えるようになって良かった。
- ただ、感動があるかというとそこまでではない。
→見え方はコンタクトとあまり変わらないし、保護用サングラスのせいで眼鏡をしている感覚。
→結局ICLは「日常のちょっとしたストレスからの開放」という意味合いが強く、積み重ねで効果を感じるのだろう。
術後の経過
1. 術後翌日の経過・感想
①見え方
- 起床後1時間くらいは少し見えづらかったけど、徐々に安定して見えるようになっていた。
- 近くも問題なく見える。
②光
- 手術当日よりは光の眩しさが気にならないけど、まだ眩しく感じる。
- ハロー(光輪症)は変わらず強く出ていた。
③不便さ
- 目薬は1日5回(起床時・朝・昼・夜・就寝前)に減ったけど、まだまだ面倒。これを1週間続けるとなると結構堪える。
- 保護用サングラス+マスクだと、不審者過ぎてiPhoneのFace IDが反応しない。少し虚しい気持ちになる。
④翌日検診
- 月曜の仕事は午前休を取って10時から再来院。
- 視力(風船のやつ)、眼圧、レンズの位置を確認してもらう。
→その後視力検査も行い、既に1.5ずつ見えていた。測らなかったけど2.0も見えそうなレベル。乱視もゼロになっていた。
- その後医者による診察。経過は順調らしい。
→充血やゴロゴロする感覚は2週間くらいは続くのが通常とのこと。
- あわせて諸々の注意点を受けたので、追加で質問をさせてもらった。
→特に1週間は感染症に気をつけるように強調された。
→術後の過ごし方についての質問回答は、重複しないように前編の1. リスクと手術後の制限についてに追記した。
⑤感想
- ICL後の人が良く言う「起きた瞬間から目が良くて感動した」は幻想。
→朝起きて見えるのはプラスチックの眼帯とテープだけ。せっかくの感動体験が台無し。
- 起床直後はコンタクト入れっぱなしで寝た感覚と近く、ショボショボ・ゴロゴロした。
→目の充血もしていた。手術後はこういう異変一つ一つが不安になる。
- 午後から普通にリモートワークしたけど、目の疲れ等は全くなく、普段通りに働くことができた。
2. 術後3日目〜1週間の経過・感想
①見え方
- 3日目からは良い意味で見え方変わらず、安定して近くも遠くも見える。
- 夜は目が疲れているからか、暗い場所でのスマホの画面や光が二重に見える。
②光
- 3日目からは光の眩しさもあまり気にならなくなった。
- ただ、ハロー(光輪症)は相変わらず出ていて、特に夜の暗い場所での光に出やすいので、イルミネーションを見に行く用事があると楽しめないかも。
→数ヶ月経つと脳が慣れて補完してくれ、気にならなくなるらしいので期待したいと思う。
③不便さ
- 目薬は慣れてきて、あまり苦痛でもなくなってきた。
- ただ保護用サングラスだけは駄目。耳が痛くて長時間つけてられない。
→しかも僕の場合は出目なのでよく汚れるのがストレスフルだった。
→耐えきれず4日目から家では外して過ごすようになった。(医者には家なら外しても一応OKと言われている)
④1週間検診
- 日曜10時半開始で11時前に終わって非常にスムーズだった。
- 翌日検診と同様に視力(風船のやつ)、眼圧、レンズの位置を確認してもらう。
→その後の視力検査はギリギリ2.0見えた。嬉しい。
- 医者の検診も全く異常なしで良かった。
→ただ乱視は0.25(ゼロの一段階上)だけ残っているらしい。完全に取るのは難しいから想定内とのこと。まあ2.0見えているし許容範囲かな。
- 経過は順調なので、風呂・運動・保護サングラス・飲み会などもOKになった。
→当然煩わしい目薬からも解放されると思ったが、まさかの新品を渡される。しかも2本ずつ。
→「3種類を1日5回」から「2種類を1日4回」になって、減りはしたけど誤差よね。なくなったら終わりで良いけど、通常1ヶ月以上かかるらしい。しばらく目薬生活は続きそうだ。
⑤感想
- この期間での一番の思い出は4日目のシャワー解禁の気持ち良さ。
→6月で暑かったので、3日間シャワー浴びないと髪は臭いし顔はテカテカ。
→テンション上がり過ぎて一人で「気持ち良い~」「綺麗になってる~」と呟いてしまったほど。
→欲望に負けて本当は駄目だけど洗顔もしてしまった。目をつぶっておけば大丈夫だと信じておく。
- 保護用サングラスを外す生活をしてから、じわじわとちょっとした便利を感じるようになってきた。
→例えばベッドで横向きでスマホをいじる時に眼鏡が邪魔じゃなくなったのが地味に嬉しい。
- ただ全く違和感がないわけではなくて、誤って「目を強くつぶった」「触ってしまった」時に痛いし、目に異物が入っている感覚があった。
3. 術後1年以降の経過・感想
2023/08/19に1年検診受診。経過は順調。
視力は両目ともギリギリ2.0。右目は乱視0.25、左目の乱視はなし。
検査員に聞いたが、機械で乱視0を出すのは難しく、乱視は0.25単位だし、問題はないとのこと。
(乱視0.5から乱視用レンズ入れるか検討するレベル。)
現在の技術でできる最高レベルなので、安心してください。と言われた。
一点気になるところを挙げるのであれば、光の輪っかが見えるのは治っていない。医者に聞いたが、これはレンズに穴を開けている構造上仕方なく、治らないとのこと。
まあ一年生活してて気になることあまりないから、個人的には許容できるデメリット。
コンタクトいらない生活1年経って、慣れてしまったけど、改めて手術受けてよかったと実感した。
おわりに
ここまで前編9000文字+後編6000文字。長過ぎる体験記を読んでくれてありがとうございます。
まだ術後1週間しか経ってないので、最終的な感想は後ほど更新していこうと思います。
少し話が脱線しますが、文章に書くと自分の思考が整理されて良いですね。
同じテーマを掘り下げてこんなに文章を書く機会はあまりなかったので、良い経験になりました。(ここだけの話、大学時代の卒論の2倍以上長い)
良いテーマが見つかったら、またnoteに投稿しようと思います。
最後に、前編でも書いた内容の再掲です。
ICL手術は目のことなので安易におすすめできないし、自分で判断してもらいたい内容なので、その点は留意してもらいたいです。
もし追加で聞きたいこと、品川近視クリニックの紹介をして欲しい人は、LINEとかDMもらえれば対応するのでお気軽に!
以上、参考になれば嬉しいです。
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最後までお読みいただきありがとうございました!