多職種連携の軌跡は奇跡!⑥
摂食嚥下の研修を始めて、時々休診にせざるを得なくなったウチの診療所。
「これは将来のための投資だ!」と自分自身に言い聞かせながらも、診療所を閉じて研修していることに不安がなかった訳ではない。
実際に患者さんからお叱りを受ける前に他の歯医者に流れたってのはあるだろう。以前にも書いた通りウチの地区は激戦区。他所の歯医者に流れるのは結構容易なことだからだ。実際にウチの売り上げは研修に出たことを境にわずかではあるが減少し続けている。
(2020年執筆時点ではコロナの影響があるし、その前年の10月からは消費増税の影響もあるので、ここ数年の減少の原因はそういうところにもあると思う)
とある学会で発表させて頂いたが
その研修の一環でとある学会で発表することになった。学会発表なんて今までずーっとしてこなかったウチが、症例報告をしてきた。一体誰得?と思うような拙い内容だった。
しかし、それが元でいろんな人からその話を聞きたいという依頼があった。それはそれでうれしいことであったのだが、昨今のコロナ騒動で研修会も講演も全てなくなった。
こんな拙い内容でも受け入れてくれる。摂食嚥下やる人はいい人が多いなと感じた。少なくともウチの周囲はいい人ばかりだ。
最近の大きな転機:某訪看ステーションとの出会い
2019年夏、とある訪問看護ステーションが近くに出来た。
そこにはSTを含むリハ職、管理栄養士も訪問するってことで、ある意味多職種連携がそこで完結するようなフィールドが誕生した。
そこの人たちは皆熱心だ。正直ウチのことも振り回してくるぐらいだし、振り回されていることに喜びを感じている自分がいる。
このコロナ禍で在宅の訪問診療の件数が増えた。その多くはこのステーションがらみの依頼だ。
しかもその多くが「摂食嚥下も診て欲しい」というもの。正直ここからが正念場だと思う。
それとコロナ禍で2020年の3月頃から大学病院(だけなのかな?)の訪問診療はストップした。大学病院は絶対にコロナを出しちゃいけないと神経を尖らせている。そりゃ気持ちもわかる。
それに対しウチは4月下旬から大型連休まではストップしたが、それ以外は動いていた。個人開業歯科医院だからフットワークは軽い。仮にウチの歯科医院からコロナが出たとしても、ウチが犠牲になればそれで済む話かなとそんなことも覚悟して動いた。まさに困った時の歯苑先生でありたかった。もしくは末端作業員としての意地というか筋を通したかっただけである。
おかげ様で結果的にはコロナとは無縁だったけど。
コロナの次に来る連携の形
実はコロナの前、2018年から企業との連携をどうしていくかについて歯科医師会内で議論があった。実際企業とのコラボでやってきたものもある。もちろん今はコロナ禍でストップしている。
2020年後半。新しい価値観や生活様式に伴い、あらゆる意味で変革が迫られるであろう。今ウチが注目しているのは、医療介護連携よりも企業との連携だ。
それに医療保険や介護保険だけではどうしても利益が上がらないどころか赤字になることもある。保険外で利益を得ることも重要だと感じている。金儲けしたいだけなのか?と言われればぐうの音も出ないが、今の保険制度では相応の報酬が得られているとは到底思えない。
それはさておき、とりあえず企業との連携がある程度形になるまで連載は一旦休止としようと思う。
次回予告
①~⑥を書いてみて、改めて思ったことを徒然なるままに書きたいと思います。
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