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使用していない物は年内に廃棄しましょう
練馬の税理士の渋谷です(ややこしい)。
事業で使う機械や備品などを新調して、古いほうは今後は使わないことは確定しているにも関わらず、廃棄のために動くのがめんどくさくてなんとなく倉庫にしまいっぱなし…ということはないでしょうか。
秋になりつつある今くらいの時期から、「今後、事業に使用しないことが確定している資産」が無いかどうかの確認作業を開始してみましょう。
年内にしっかり廃棄しておけばいくらか納税額を適正にできます。
税務上認められる費用を計上できる
償却資産を廃棄したことで生じた損失の額は、原則として損金(税務上認められる費用)になります。
第二十二条 内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
2 (一部省略)
3 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
償却資産申告の対象資産
償却資産申告は、1月1日現在で所有している償却資産を、その年の1月31日までに申告するものです。
その際、12月31日までに除却して、翌年1月1日時点で所有しなくなった資産があればそれを減少資産として申告することになります。
使わないなら早めに捨てる
使っていなくても(事業の用に供していなくても)1月1日現在で所有していれば課税されます。
Q6 未稼働資産や遊休資産のように現在事業の用に使用していない資産であっても、申告は必要ですか。
A6
現に事業の用に供することができる資産であれば、償却資産として申告の対象になります。したがって、未稼働資産や遊休資産であっても申告する必要があります。
「絶対に今後使わない償却資産」をなんとなくそのまま保有し続ける意味もないのできちんと廃棄して減少資産として申告しましょう。
証明できる資料を大切に保管
当然ですが、廃棄したら「廃棄して手元からなくなった」という点が客観的に証明できる資料を大切に保管しておきましょう。
廃棄を請け負ってくれた業者さんから発行される書類などです。
廃棄したことを税理士へ共有
廃棄した償却資産があるにも関わらず、それを税理士側へ共有できておらずそのまま1月をむかえてしまうと、税理士はその資産がまだ所有していると思って申告業務を進めることになってしまう可能性があります。
つまり現実には所有していない償却資産分、課税されてしまうことになりますので必ず共有しましょう。