出産までに乗り越えなければいけない壁の多さを、私たちは知らなかった
大学時代の友人から久々に連絡が来て、友人も妊娠していることがわかり、互いに高齢出産の大変さを語り合いました。
出産報告する芸能人の年齢を見て、同い年だ!と思っても、第二子第三子だったりでガッカリするとか。妊娠ブログも若い人の記事しか見つけられないとか。わかるわかるーと盛り上がりました。
「ていうか、知らなかったこと多すぎない?」
と友人。
「わかる。安定期が来たら安全と思ってたけど、全然そんなことなかった。切迫とか、妊娠高血圧症とか、前置胎盤とか、食べちゃいけないものとか、知らないこと多すぎ」
私も友人も不妊治療をしていたので、出産には当然興味があったけれど、妊娠したらどんなことが起きるかは、妊娠するまで知らなかったのでした。
妊娠・出産に関する情報は溢れていて、コミックエッセイや本も山ほどあるけれど、読んでみようと思うのは実際妊娠して当事者になってからでした。
出産した友人もたくさんいるけれど、事細かに体験談を教えてくれるのは、こちらが妊婦になってからです。(もしかしたら話してくれてたかもしれないけど、当事者でない時は頭に入っていなかったのかもしれない)
なので妊娠する前、私にあった知識はというと、
・ご飯の匂いやお味噌汁の匂いに「うっ…」となってトイレに駆け込む
・お腹が大きくなるとお腹の上からでも動くのがわかって、そこに旦那さんが耳をつけて「あっ、動いた」という
・お産はとにかく辛くて苦しくて、「うっ…あああああー!!!」と顔を歪めて叫ぶ
・顔を歪めて叫んだらすぐに生まれて「オギャア、オギャア」という声が響き、助産師さんが「元気な男の子ですよ」と顔のところに持ってきてくれて、赤子の頬に頬を寄せて感動のあまり泣く
・逆子だと帝王切開というものになる
以上。
ドラマなどで見るイメージだけが、私の知識のすべてでした。
芸能人の出産報告だって、とにかく幸せそうな写真と、「新たな家族と共に…」とか、「この大切な命を夫と共に…」とかの前向きなコメントだけなので、妊娠・出産というのは、ツワリが少しと、お産が痛いくらいで、とにかくハッピーなのだと思っていました。
実際のところ、ツワリは(人によるけど)24時間何ヶ月も地獄。ご飯や味噌汁の匂いに限らずずっと気持ち悪くて、洗濯物の匂いもダメ。5分と座ってられないし、思考停止になって何も考えられない。
安定期が来たからといって安心できない。赤ちゃんが生まれるのはほんと奇跡。
お産は一瞬で終わらない。40時間くらいかかったりもする。
当事者になるまで何も知らなかった私にとって、先日出産された女優の松本莉緒さんの出産報告は、本当に素晴らしかったと思います。
妊娠期は。。愛犬の体臭や冷蔵庫の中の匂いにも敏感になり、水も飲めない程、激しい悪阻に襲われ、やっと悪阻が落ち着いて来た頃に、切迫早産で突然の入院を余儀なくされ何も持たずに即入院となり、点滴を打たれながらリモートで会議や立ち合いなどをこなしましたが、正直点滴を打たれている腕でPCを打つのはとても大変だった
コロナの配慮でマスクをしながら苦しい陣痛、出産の痛みに耐え、途中過呼吸にもなりそうになりました。出産後、力む過程のどこかで、尾骨を骨折していた事が分かりました(オリコンニュースより)
……つらい。読んでいるだけで妊娠・出産のつらさが伝わってきます。
今後著名人の皆さんは、出産報告の時に喜びだけでなく、こうした辛さも語ることを義務化してもらいたいなと思いました。
また、中学生の保健体育の授業には、つらい出産を経験した人が赴いて、男子生徒にも女子生徒にも、いかに妊娠・出産がつらいものかを語り、
生徒たち一人一人に、帰ってから自分の母親か周りの女性に出産の体験談を聞くことを宿題にしてもらいたいなと思いました。
流産や中絶が、実際女性の身体にどういう影響を及ぼすのかも、体験した女性が赴いて、涙ながらに語るという授業も良いのではと、
コロナ禍で、中高生の妊娠相談が過去最多になっているというニュースを見て思ったのでした。