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11/16(木)この街はもう私のものではなくて

久しぶりに郡山の街を少し歩いた。仕事の関係でちょくちょく来てはいるものの、トンボ帰りになるのが殆どだから、歩く速度で街を見るのは本当に久しぶりだった。

私がこの街を離れたのは、もう15年以上前のことだ。
その後、一度帰ってきて1年だけ働いたものの、その時は遊ぶ時間もあまりなくて、私の記憶のなかの郡山は高校時代の印象が強い。

変わっていない所を探す方が難しかった。
よく友達とコスメコーナーをひやかしたマルイ。
窓際の席から少しだけ夜の街を垣間見たミスド。
いつも決まってキムチチャーハンとなんこつの唐揚げを頼んでいたカラオケ。
そして何より、服を見るのもプリクラを撮るのも新譜を視聴するのもリードを買うのも初めてサブカルと出会ったのも、受験勉強をしたのさえそこだった、アティ。
全て、もう、どこにもない。

変わりゆくのは街の宿命で、悪いことばかりではない。そして街並みが失われたからと言って、思い出まで消えることはない。

でも。

制服という鎧を纏い、若さという武器を振り翳しながら、我が物顔で遊び回っていたあの頃。確かに私たちは世間知らずで、全てに守られていて、だからこそ無敵だった。

そういう、人生の春の残影を見ることが叶わないという事実が、少しだけ寂しい。

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