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2024.2.14

この話の始まりは、前日、2/13に遡ります。

明日はバレンタイン!
世の恋する女の子にとっては一大イベントです。
でも、私には関係ない行事です。なんでかって?
私が恋しているのは学校の先生。バレンタインチョコを取り締まる側です。
そんな人にチョコを渡す…、そんなことしても叱られるだけ、「不要物持ってきちゃう子なんだ…」と失望されるかも知れません。
自分から嫌われに行くような行為をするわけありません。だから私は以前から、バレンタインになにかアクションを起こす気なんてありませんでした。

ですが、その日の終学活の担任の話によって、私のその意思は変わったんです。
案の定、バレンタインの話が出ました。
(こんなに言われて持ってくる奴いんのかなぁ…)
なんて思いながら話を聞いていると、担任が、
「どーしても学校で渡したいんだったら手紙とかにして!そしたら別に不要物にはならんから。」と言いました。

手紙…!その発想はなかった…。
やっぱりバレンタインに心残りがあったんでしょうね。それを聞いた瞬間に決意しました。

「明日…先生に手紙渡そう…!」


家について、まず便箋選びです。
重い女と思われたくないので、4行くらいしかかけないレターセットにしよう。
…ちょっと待てよ?
手紙を書く機会なんて、友達の誕生日くらい。
そのレターセットもつい最近尽きてしまった。
幼稚園や低学年の頃に買ったレターセットは残っているけど、ちょっと子供っぽすぎる。

え、便箋なくね?

控えめに言ってかなり非常事態です。
バレンタインは明日…今から買いに行くって言う時間でもない…。
便箋…便箋は何処だ…。
この家に良さげな便箋はないのか…。

あっ!ある!!!
私は自室を飛び出し、母の文房具が置いてある棚へ…。
現在、母はお風呂です。
「お母さん、ごめん!!私に力を貸して!」
母のレターセットを、1セット拝借しました。

よし、あとは書くだけ!
…何書こう。
頭の中でずっと考えてたんです。でも全く思いつかない。
書けるスペースは限られています。伝えたいことはいっぱいあるけど、厳選しないとな…。

(考えること20分…)

よし、内容決まった!
『W先生へ
お仕事忙しい中、読んでくれてありがとうございます。
私は先生のおかげで理科が好きになって、得意教科にまですることができました。
これからもよろしくお願いします。
お仕事頑張ってください!
(私の苗字)』
よし、これでいいやろ!書こう!

_φ( ̄ー ̄ )

よし書き終わった!!(20分経過)
字が気に食わないやらなんやらでこんなに時間かかっちゃったけど、無事終わりました!
封筒に入れて…、、
準備万端です!あとは渡すだけです!!
それが1番大変なんですけどね。頑張れ明日の私!
そう思いながらベッドに潜り込みました。

2/14 当日

この日は、ずっと気が気じゃなかったですね。
理科は5時間目…その後の休み時間に渡そう!
できるだけ周りに人がいない時に…、、、
んで渡した後は流石に恥ずかしいからトイレに全力ダッシュしよう。
そういう計画でした。

教室に到着して、例の手紙を確認…。
昨夜は深夜テンションだったので心配でしたが、ちゃんと渡せる内容でした。
確認も終わって片付けようとしたとき、、、
周りに友達が5人くらいいたんです。
友達達は、おはようの挨拶も早々に聞いてきました。
「その手紙誰に渡すの〜?笑笑」
分かってるやろ。
その子達は多分、私が先生のことが好きなのを察していたのでバレバレでした。

1~4時間目の間、授業が頭に入らないくらいには緊張していました。
給食は喉を通りません。
昼休み、ちょうどその日は中庭で草抜き会が行われていて、先生も参加していました。
私は毎回、先生目的で参加していたので、その日ももちろん参加…。
そこで先生を見るたびに「え、私今日、この人に手紙渡すの?」なんて、今更ですが驚愕していました。

昼休みも終わって5時間目。
その日はテスト前期間、テスト範囲の内容は終えていたので自習時間となりました。
私は数学のワークを片付けていたのですが、よく分からない間違いが多発…笑頭が回ってなかったんでしょうね。

キーンコーンカーンコーン
授業が終わってしまった…。
その時の私は、軽く過呼吸を起こしていました。側から見ればかなり変なやつです。
「起立 気をつけ 礼」
私は委員長なので号令をかけましたが、実際声が震えていました。
『ありがとうごさいましたー』
やばい。
とりあえず例の手紙を手に持って、タイミングを見計らいます…。
その間に友達が集まってきて、「えすがんばれー!」と応援してくれました。嬉しかったけど、かなり気恥ずかしかったです。
授業終了から1、2分ほど経ち、先生の周りにいた生徒も何処かへ行きました。

今だ…!

私「…W先生…」
先生「ん?」
私「あの、えーっと、これ、お仕事終わったら読んで欲しいです…」
先生「…はい笑」
そう言って、彼は私の手紙を受け取って、いつも持ち歩いているファイルにしまいました。

流石にその後先生と喋るメンタルはなかったので、予定通りトイレに全力ダッシュ。
個室に駆け込んでほっと一息。
「渡せた…」
達成感やらなんやら、色々思うところはありますが、とりあえず思ったのは、「私、意外と根性かるじゃん」ということでした。
昨日、ぱっと思いついたこの計画、実行することができたことに感動です…。


これが、今年のバレンタインの話です。
このときが私史上最高に青春してたのではないでしょうか。
好きな人に手紙を渡すなんてこと、今までやったことがなくてかなり緊張しました。
ホワイトデーはちょっと期待していたのですが、何もなかったです笑
まぁ仕方ないなぁ、貰ってくれただけ良かった、そう思っていました。

まぁ帰ってきたんですけどね。2ヶ月ほど後、先生が離任してから。


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