株主熱想~Time Capsule Orchestra株主総会議事録~ vol.2
この記事は、茅原実里、CMB、そしてTime Capsule Orchestraを追いかけてきた4人のマニアが、それぞれのバックグラウンドから、茅原実里やCMBの思い出、Time Capsule Orchestraとその未来を語った会議を記録したものである。
会議は四時間に及び、書き起こし原稿は五万字を超える大作になった。話題も流れに流れ、迷走に迷走を繰り返しながらも、認識と結論は大筋で一致するに至った。
参加者全員が55000円のVIPチケットを購入していたことも判明したために、この会議体を「Time Capsule Orchestra株主総会」と呼ぶことになった。
vol.1 の記事はこちら
「宇宙をかける少女」
SATOH:どこまで行きましたっけ(笑)
Zoe.:須藤さんの予算+オペレーターから脱線に脱線したんだった(笑)
SATOH:Time Capsule Orchestraはザ・低予算って感じではありますね。最初の河口湖円形ホールも、アコースティックでピアノはあるし、機材持ち込みも最小限だし。
Zoe.:なんで日本の公共施設にはピアノ多いんだろうね。日本にあるSteinwayなんて、本国にある数より多いんじゃない?
SATOH:日本製だと、YAMAHAとかKAWAIとか……
Zoe.:KAWAIはあのレンジの製品はないなあ。しばらく前に、静岡県のどこかの町で、町民会館かなんかで火災警報が誤作動したとかで、スプリンクラーでピアノが犠牲になりましたみたいなニュースがあって。それがSteinway。静岡でSteinwayは裏切り者でしょ(笑) ホントになんで日本には雑に、ちっちゃい自治体のホールにポンってあるのか……
SATOH:円形ホールのピアノはベーゼンドルファーですね。三日間続いた2022年の音楽熱想フェスでは、今はハートカンパニーをやめちゃったYuReeNaさんも弾いてました。感情が乗るとどこまでも響く、扱いにくい不思議なピアノだったように思います。そんなピアノのアコースティックを経て、今回は初めてのエレキ、「ELEKI de BURN」ということで。まず我々が心配してるのは、「会場に要塞セットが入るか」です。
Zoe.:斎藤さんが「エレキになれば予算がかかる」って言ってたけど、その予算の大半はそこだろと(笑)
くの:eggmanにも入ってたし、渋谷パセラの地下のイベントスペースにも入ってましたから。半分近くはハモンドでしたけど(笑)
トツ:ブロンテは奥行きがすごく心配で、またドラマーが真ん中にいないみたいなことになるんだろうなと……
Zoe.:ギリギリ入るかどうかだよね。なんなら竿の二人は前にいるんじゃないか。ステージの下で弾く説あるよ(笑)
トツ:セカンドライブの逆の配置になるんじゃないかって……
SATOH:CMBのセカンドライブはドラムとキーボードが前、後ろにその他。
トツ:あんな演奏しにくいライブがあるのかと(笑)
SATOH:この前(2021年)キング・クリムゾンのライブに行ったら。前にドラムが三人いましたよ(笑) これがプログレか!って。
トツ:何なんですかね(笑)ドラムは周りが見えないから、ドラムが振りかぶったのを見て合わせろってスタイルなんですかね……
今回のライブで気になるのは、あの少人数編成で、エレキサウンドはどうなるか? そもそもCMB時代は同期音源を使ってきてましたけど、今回は使うのかどうか。
Zoe.:会場の構造上、袖がないから、同期を使うとしたらマニピュレータはどう配置するか?
トツ:逆に、アコースティックでやった流れがあるので、がっつり生でやってくるかもしれません。
くの:須藤さん、もともと生志向というか、バンド志向ですもんね。同期は使いたがらないタイプだったから、なおさらやる気なんでしょうね。
トツ:須藤さんはライブになると「いいとこ弾き」「おいしいとこ弾き」をするタイプ。キーボードパートがあるとき、本来のパートはオケで流して、その上にオルガンで弾くのをやってきたわけです。
Zoe.:1パート増えてるぞ、みたいな感じになる。
トツ:そうやってバンドとしての厚みを出すことに終始してきたんだけど、今回はそれを変えて、がっつり演奏してくる可能性が高い。
Zoe.:同期なしだとアレだね、「Open the new century」が聴けない(笑) あれは100%オケがないと成立しないから。
SATOH:セトリもだいぶ毛色が違うんだろうって感じがしますね。弦がないし(笑)
トツ:アレンジのし直しになるんじゃないかと思います。もともと「宇宙かけ」のサントラですらストリングスが入っているやつだから、それをアレンジして(大先生)ストリングスありにしてるのに、そこからさらにストリングス抜けるのかと(笑)
SATOH:「宇宙かけ」の話はどこから入ってきたんですか???
トツ:お……?(笑)
SATOH:今日はこういう話をしに来たので(笑)
トツ:これはくのさんから話した方がいいんじゃないですか? 「宇宙をかける少女」とCMBの関係。
くの:なんであんなに「宇宙をかける少女」なのかとは思ったんですけど、結構前から「TRYFORCE」という影山さん・河野さん・栗山(善親)さん・須藤さんでやってた劇伴専門のユニットがあるんですけど、その頃のインタビューから「アニメ用BGMで作った曲を生で弾けたらいいよね」みたいな話をずっとしてて。確か「宇宙をかける少女」のブックレットのコメントでも、「いつか生で弾きたい」とずっと言ってました。好き勝手に好きな曲を演奏していい機会があるから、ここだと思って出してる感じはあるのかなと思います。どこそこで作ったインスト曲をライブでやりたい、というのは昔から言っていたことです。
それにしてもCMBの楽曲が思いっきり「宇宙をかける少女」なので、タイトルが変わることに凄い違和感が(笑) CMB仕様になると斎藤Pが名前をつけて曲名が変わる。転用に次ぐ転用、セルフリメイクですね。
トツ:ファーストライブの時に、「The time of Mysterious Mind」、まあ「IRON WITCH」が流れ始めて、「知ってる曲来た! 新曲なのに知ってる曲だ!」って思い出が(笑)
くの:「進研ゼミでやったところだ!」(笑)
トツ:須藤さんも、もともとプログレを作ってて、それが演奏したかったというのがあって、それがハマるタイミングが来て、「今だ!」と思って出してる感じが凄くありますよね。
くの:「宇宙をかける少女」でほかにもやるんだったら、私の好きな曲がまだ全然披露されてないので、その辺を拾い上げて欲しいなあと(笑)
SATOH:ここに書いたらいつかやってくれるんじゃないですか?
くの:「GLORIOUS, MAJESTIC」と「DUEL IN MYTHOLOGY」ですね。この二曲を聴きたいんですけど、多分、やってない。
トツ:ちょっと流しますね……(手元で音源を流す)
SATOH:めっちゃELP感ある(笑)
くの:「宇宙をかける少女」に限ってはそうですね。あと、本当は、もっと古い曲だと「超者ライディーン」とか「サイレントメビウス」とかになってしまうんですが、気が向いたら是非。ライディーンのサントラひどいですからね、曲は須藤さんオリジナルの曲ではあるんですけど、曲名が全部ELPなんですよ(笑)
トツ:曲名考えるのめんどくさかったのかなと(笑)
Zoe.:だから斎藤さんが曲名付ける羽目になるんだな(笑)
くの:ライディーンあたりは井上さんがつけているかもしれません。
あの曲が聴きたい
SATOH:CMBのマニアはこういう話ができていいですね。CMBのセカンドアルバムが出た後、サマチャンやってたころのインストはどんなのでしたっけ? インストやらないこともあったし……
Zoe.:最後のサマチャンがなかったんだよな。
SATOH:あとはメドレー形式だったり、新曲もなくなったなって感じがしました。なおやん時代の楽曲はあんまり演奏されなかったり、CDに入ってなかったり。
Zoe.:そもそも他のメンバーの曲がちょいちょい混じってるからね。須藤さん以外の曲、最初の「Change Attack Mode」とか。
トツ:「NGO」とか。
Zoe.:あれも転用曲なんだよね。提供した曲に全く同じフレーズが出てくる。どっかで聴いたフレーズだぞこれ、って。
トツ:「DanceDance Revolution SuperNOVA 2」!
くの:判定が難しいんですよね。あと、陽介さんもあったし。
トツ:「The Beginning」。「Refreshing Zone」も、加藤さんが元々持ってる曲で、GRANRODEOの飯塚昌明さんと弾いた音源もありましたよね。
くの:鍋ちゃんだけCMBライブで弾いてないんですよね。客席には来てましたけど。過去のメンバーが作った曲を果たしてどこまでやれるのか、と。もう名義としてはCMBではないから、やらなさそうな気がするんですよ。
Zoe.:後期の曲だと、藤田淳平さんとか陽介さんが書いたのもあったけど、あの二人が書くと茅原さんの曲の方がモチーフも出てくるからなおさら厄介。
SATOH:今回は茅原さんのカバーもやるということで。CMBが過去のCDで取り上げたのは「純白サンクチュアリィ」と「君がくれたあの日」のアレンジでしたね。
Zoe.:バキバキの(笑)
SATOH:聴きたい曲、ありますか? 期待でもいいですし、リアルなものでも。
くの:「蒼い孤島」ですね。
一同:ああ~~~~!
SATOH:それ!それ!
くの:あとねえ……「蒼い孤島」ですね。推しに弾かせたいですねえ。推しの大変そうな顔を見たい。
Zoe.:ピアノはまだいいよ。ベースは誰一人弾けないからね、最後の最後まで。両手で足りないくらい演奏されてるけど、一度たりとも誰一人ちゃんと弾けてないからね。あれは無理。
SATOH:どこのフレーズ?
Zoe.:2サビ前に一瞬入るスラップ。あれは絶対無理だから!
くの:あれは難しいって言ってた気がする。
Zoe.:前後の脈絡なく放り込まれて、次のフレーズは頭から始まるから、物理的に間に合わないので絶対無理。別トラックだから成立してる。
くの:淳平さんアレンジだと、だいたいきつめになりますからね。俊龍・淳平の組み合わせがヤバい。
Zoe.:藤田さんは後期になればなるほど、わけの分からない曲を放り込むようになってきてね。最近にバンドリでハッスルしてるよ。ひところのRASの曲がわけの分からないことになったの、だいたい藤田さんのせいだから。またやってるーって(笑) 最近は大分難易度が下がったんだけど。
SATOH:「蒼い孤島」、いいですね。でも、この状況だと音の厚み的にも、これ以上減らせない的なギリギリな感じになるかな……
くの:バージョン違いがたくさん欲しいので(笑) 「君くれ」ももう一回やってくれていいし。
Zoe.:岩切さんがああいうタイプのプレイヤーじゃないからなあ。
トツ:茅原実里カバーの方って、アレンジするんですかね? そもそもボーカルパート、メロディーラインを何かのパートがやらなきゃいけないじゃないですか。そうすると1パート減ってちょっと無理が出てくる。
SATOH:そこに同期を入れるなら、なんとかなる……
Zoe.:同期を当てるか、完全にセッション曲っぽい感じで、誰かがメロディを持って。
トツ:それか須藤さんが歌うか!
一同:(爆笑)
Zoe.:ボーカル4人いるから。
くの:ありあり。歌ってくれれば須藤さんの歌が音源として残るので。プレイボタンだろうけど。
Zoe.:須藤さんがCMBに帰ってきて思ったのは、キーボーディストとしてもそうだけど、須藤さんのコーラスはこのバンドにとって唯一無二だったなあっていうのと、MCにおけるツッコミ役というのも唯一無二だったなと。
トツ:あの役を代替できる人がいないんです。
くの:茅原さんのライブを見に行くまで、須藤さんが喋ったのをほとんど見たことないんですよ。影山さんのところだとほとんど喋らなくて、影山さんがメチャクチャ喋るじゃないですか。
Zoe.:喋りたがるタイプじゃないんだろうなあって気はする。
くの:昔TRYFORCEの座談会があって、河野さんと影山さんと須藤さんで雑誌のインタビューを受けて、A4で3,4ページ分くらいの長いインタビューだったんですけど、須藤さんは3行くらいしか喋ってないんですよ。全部影山さんと河野さん。あの二人がメチャクチャ喋るんですよ、関西人だから。須藤さんが喋ったのは茅原さんの現場だけで、「こんなに喋るんだ」って思いました。
Zoe.:ツッコミ不在だったからね、当時から。
トツ:あそこ以外で喋ってるのを見たのは、「アニぱら音楽館」で番組の最中にゲストがトークするコーナーがあって、その時にゲストがいなかったから須藤さんが呼ばれた回。
くの:あれ、雑誌の特典で、なぜか須藤さんがゲストの回がDVDとしてついていて、マジで謎なんですけど。
トツ:「資料が遅い」とか、須藤さんが愚痴をひたすら言うだけの番組で……
くの:ガオガイガーがめちゃくちゃ大変だったとか(笑)
トツ:須藤さんがピックアップされてる回は本当に少ないから。
Zoe.:積極的に喋りに行くタイプの人じゃないからね。
くの:喋らないし、周りにいる人がおしゃべりばかりだから、本当に茅原さんのところで一生分喋ってるような(笑) 私がライブに行き始めた最初の頃から、須藤さんの出ているライブにばかり行ってるんですけど、初めて行ったときもブロードウェイが演奏だったり、須藤さんとガンタさんだったんで。でも、影山さんのライブでも一言か二言くらいしか喋らない。茅原さん現場ではライブ中は喋るし、DVDでも喋るし。喋らせてくれてありがとうみたいな感じがありましたね。
Zoe.:河口湖ぐらいからご本人がだんだんフリーダムになっていって、鍋さんは喋るタイプだけどツッコミ入れるタイプじゃないから、話せって言われないと喋らないじゃん。直哉さんも喋るタイプじゃないし、ガンタさんは二人でボケ倒して話しが収まらなくなるんで、仕方なしに須藤さんがツッコミ入れざるを得なくなるっていうのが新鮮だったなあ。
SATOH:茅原実里現場って、新人の茅原実里の周りにベテランを集めた現場でしたね。
トツ:みのりんを育てようという感じでしたよね。
くの:はじめの頃は全員バンマスクラスでしたよね。
SATOH:そこから大先生が入ってきて、彼だけ同年代なんですよ。で、大ちゃんがまた年上。D-Formationでメンバーが入れ替わった時は、なおやんと大先生が残ってあとは全部入れ替えで……
くの:鍋嶋さんがカウントダウンから引き続きいて……
Zoe.:馬場さんが入ってからギタリストの平均年齢上がったんだよ(笑) 初期メンバーの中だと鍋ちゃんがちょっと若い。
くの:若いですね。遠藤さんあたりと同じくらいだから。
Zoe.:で、その下に馬場さんがいて、その直下くらいが大先生。後ろがドカッと若くなって。伝説の85-86年世代ですよ。スタジオミュージシャンがゴロゴロいる世代。
SATOH:その辺もうちょっと深掘りしていいですか?
Zoe.:CMB界隈だけで言っても、ベーシストは直近の3人(岩切信一郎・二村学・二家本亮介)全部がこの世代。髭白さんもそうだし、陽介さんもそうだから、あの辺りはみんな同じ世代。
SATOH:陽ちゃんはいろんなところでやってますね。
Zoe.:よく分からないけど、あの世代はどのパートもたくさんいる。
くの:青山英樹さんも86年かー。
Zoe.:ちなみに95-96世代も化け物が多い。最近だと、山本真央樹さんとかと一緒にDEZOLVEやってた小栢(伸五)さんもあの辺りじゃなかったかな。
SATOH:なんか、ミュージシャンがいっぱい育っていったのが、CMBなのかなと。メタラーの間で話題になってたのは、D-Formationツアー中に髭白さんがどんどん成長していった、という話。
トツ:メチャクチャうまくなりましたよね、髭白さん。
Zoe.:あの世代の中では、今では押しも押されぬ人になりまして。リズム隊が一気にガッと若くなって、キーボードに寺田さんが一瞬来て、そして伝説のパートチェンジ回があり(笑)
SATOH:あれはもう一回やってほしいんだけど……
トツ:やって欲しいと思うんだけど、今いる人って比較的万能な人が多いから……
Zoe.:パートチェンジは事故らないと面白くないんだよ(笑)
SATOH:シホリーヌのヴァイオリンね!
Zoe.:あれはただの被害者だからね。だけど、会場で聴いたときより明らかに円盤の方が音量が大きいんだもの。絶対寺田さんのヴァイオリンだけ大きくミックスしてるよ(笑) 鍋ちゃんも「誰もやりたがらなかったからボーカルやってた」って言ってたけど、複数の筋から「率先してボーカルを取りに行った」って情報を聞いてるんだよ(笑)
くの:鍋ちゃんならそうだろうなー。
Zoe.:そもそも歌うの好きな人だからね。しばらく前にAC/DCのコピーバンドもやってた。
くの:あと、歌謡曲のコピーバンドもやってて鍋嶋ファンの友達が見に行ってた気が。
Zoe.:茅原界隈、女性ファンの中にギタリスト固定の推しがいるんだよ。
SATOH:サマキャン3かどこかで水着の観客がいましたよね。あれもですよ。
Zoe.:各界隈にひとり厄介いるからなあ。馬場ちゃん追っかけて東京に来た奴も知ってる(笑)
で、須藤さん・ガンタさんが戻ってきて、と。いろいろ変遷があった。
トツ:2012年のバースデーでは、当時のフルメンバーが集まってましたね。トリプルギター、ツインドラム……
SATOH:さいたまスーパーアリーナだ。
くの:あのときは私、映画見に行ってました。やさぐれてる時期なので。
SATOH:くのさんはケニーがいる現場にしか行かないから(笑)
くの:運が悪いことに、「おじさんだらけでかっこいいから行こう!」って友達を誘ったタイミングで、JAM Projectもバンドメンバーが替わって須藤さんがいない。CMBというか茅原さんも「めっちゃいいから行こう!」って誘ったタイミングでメンバーが替わって、須藤さんがいなくなっちゃったんですよ!
SATOH:呪われてる(笑)
くの:タイミングが悪すぎて、2012年はやさぐれてメタルばっかり聴いてました。DVDもあれだけは見れてないんです。
SATOH:SSAは友人の残虐王と行ったんですけど、彼がベロンベロンに泥酔して何も覚えてないと(笑) 彼とは武道館のSanctuaryでも一緒に行ったんですが、まさかのメタルTシャツが被って、しかもMANOWAR。それが最前二列目Blu-rayに映っちゃって(笑)
Zoe.:多分それ見て鍋ちゃん絶対笑ってるだろうな(笑)
SATOH:まあ茅原実里はメタルですから(笑)
私が聴きたいのは「Sing」。Re:Contactの最後が本当によかったんです。須藤賢一と茅原実里の組み合わせはずっと見てみたいと思っていたんですよ。最高でしたよね。茅原実里、2020年のSUMMER CHAMPIONで大事故を起こしたりしたけど、最後にはしっかりやってくれたんです。あの集中力は凄かった。それを改めて、須藤さんのプレイで思い出したい。
Zoe.:楽器弾きとしては「Sunshine flower」みたいに、ソロ回しパートが作れる曲はやってて楽しいだろうな。箱バン的な視点では「NEO FANTASIA」みたいにクッソリズムが難しい曲をやってみて欲しいなあと。リズム感がよくないと全く曲にならないから。
くの:みんなが苦悩する曲は聴きたいですね。
トツ:「falling heaven’s now」。
一同:ああー!
トツ:Sing All Loveツアーの間奏の演奏がめっちゃかっこよくて、あれがまた見たい。
Zoe.:SALは作家陣が普段と違うから。誰の曲だったかな。あのアルバムは斎藤さんが冒険してるから、こういうメンツで来るんだ、と。
くの:小高光太郎さん? その後はお世話になってない感じ。茅原さんはエレガが強めだし。
Zoe.:菊田さんがね。たまに藤田さんが顔出してくる。
SATOH:菊田大介・茅原実里の周りに若手グループのネットワークがあるんですよね。俊龍さんとか。
Zoe.:Re:Contactのインタビューで「俊龍」になる前の縁が話題になってて、エモさを感じたね。Emotionalって曲がありまして……
くの:俊龍さんって、茅原さんや瀬野さん(茅原実里の初代マネージャー)系の人脈ですもんね。
SATOH:エイベックスの専門学校ね。
トツ:茅原さんがエイベックス時代のオープニングSEとか作っていたのがきっかけで、ランティスに仕事をもらえるようになり、今ではひっぱりだこ……
Zoe.:今では自分のプロジェクトを立ち上げて、あのクソコラのような絵面で動画を出して、デモ音源どころか譜面までYouTube公開するという。誰得なんだろうなって(笑)
SATOH:そしてLINEをやらない(笑)
次回予告
第三回では、Time Capsule Orchestraのファン、通称「スーパーハンドクラッパーズ(SHC)」のヤバさと、CMBの歴代プレイヤーを語り尽くす。なぜ声優アーティストのバックバンドという存在が、オンリーワンのプログレッシブロックバンドに変容するに至ったか、という問いに対して、我々リスナー側からの回答を提示することができたように思う。
おわりに
トークの主題となったプログレッシブロックバンド、Time Capsule Orchestraの初エレキ編成ライブ、その名も「ELEKI de BURN」が6月17日に開催される。同日昼にはトークイベント「TALK de BURN」も行われる。
VIPチケット・グッズ付きチケットとも販売終了しているが、一般チケットは5月13日から先着順で購入できる。
2023年は「太陽と戦慄」「恐怖の頭脳改革」など、数々のプログレ名盤が50周年を迎える年だが、そんな中で、こんな時代に、新たなプログレバンドが生まれてしまったのだ。マニアには、ちょっと覗きに来てほしい。