響け!ユーフォニアム3第12話 感想&考察
響け!ユーフォニアム3の第12話が個人的に素晴らしかったので私が感じた感想と考察を書いていきます。
もちろんネタバレを含みますので、見ていない方はご注意を。
オーディション結果発表
ユーフォニアム奏者が呼ばれる時、黄前久美子の方が五十音順では早いはずなのに黒江真由の方が先に呼ばれたことや公開オーディションが決まり、職員室で久美子が滝先生に奏者が見えない形でオーディションをしたいといったときの滝先生が目頭が熱くなるシーンから読み取れたことは、黒江真由の方が微妙に上手かったけれど、久美子が自分から奏者が見えない形で公平にやりたい(奏者が見える→人気投票になりかねない→当然久美子が勝つ)と言ってきたことに滝先生は久美子の成長を感じて涙ぐんだだと思いました。
公開オーディション
演奏を聴いた感じ、ほとんど実力差はなく視聴者でも好みが分かれるぐらいの差でした。1番は麗奈のトランペットに寄り添っていて音は控えめだがきれいな音、2番は1音1音はっきり出ていてきれいな音という感想を抱きました。私は、1番目の音を方が好きでした。
ソリ投票
1番目と2番目に手をあげるメンバーで1番が真由、2番が久美子と視聴者だけに知らせる演出。(私情がある奏、秀一が2番に手を上げている)しかし、同票になり、麗奈が最終票に。麗奈は1番(真由)を選んだ。なぜ、響け!ユーフォニアムのテーマでもある「実力主義」が麗奈を中心に描かれていたのかがわかった瞬間でした。もちろん、麗奈が「特別」で音楽に対しての気持ちがまっすぐなのもありますが、この12話のためにあれだけ麗奈が暴れていたのだと感じました。(9話らへん)麗奈と久美子たちが作り上げてきた北宇治高校の「実力主義」が久美子のソリを奪ってしまう形になる展開がとても美しかった。そして、親友を裏切る形になってしまっても、音楽に対する姿勢(音楽に嘘はつけない)は絶対に曲げない麗奈の姿に感動しました。あと、ソリが真由に決まり、真由が前に出るシーン。麗奈が悔しそうな表情をスローで見せる演出に痺れました。
久美子が真由を救う
案の定、真由に決まった瞬間部内はざわつき始める。久美子も放心状態になるが、ここで滝先生との会話を思い出す。正しさとは「皆に平等であること」だと。「これが今の北宇治のベストメンバー」と身を切って演説し、真由号泣。真由が、”北宇治に成った”瞬間でした。
私は、3期で一番久美子が成長した瞬間だと思いました。この一連シーンで久美子の進路が教師であることを確信した。1年生の時から、黄前相談所をやっていることや3期からやけに滝先生との会話が多い(もちろん部長だからもあるが)ことも裏付けられる。
あと、涙を流す奏と1期のデカリボン先輩が重なるシーンでもありましたね。
この感想を書くまでに4回ほど見直したのですが、この場面に行き着くまでに号泣してしまってあまり細かく見れませんでした。なのでここからは私が思ったこと(私の妄想)を書いて行こうかなと思います。
奏と久美子の名シーン
「先輩にソリを吹いてほしかった。先輩と全国で吹きたかった。」と言って泣いてくれる後輩がいる、それだけで久美子は少し救われたのではないか。2期10話のあすか先輩でも久美子に「あのホールで一緒に吹きたい」と言われ心に響いていたことからかなり奏は久美子を救ったのではないかと感じました。だが久美子は奏(後輩)の前では泣かない久美子の心の強さが垣間見えたとても良いシーンでした。ここらへんでさらに大号泣。(私が)
大吉山の名シーン
久美子「麗奈は最後まで貫いたんだよ。私はそれが何より嬉しい。それを誇らしいと思う自分に胸をはりたい。だけどそんな麗奈だからこそ実力で勝ちたかった。それで最後は麗奈と吹きたかった。」
久美子が麗奈と話していくうちに、熱くなって自然と涙が流れるシーン、声優さんの演技も相まって最高にしびれました。
この一言がこの回のすべてが詰まっていると思いました。
正しいと思ったことを実行に移したこと、正しいと思って出した選択を尊重したこと、そして結果悔しい思いをしたこと。人間は、これは正しいと思うことは簡単だが、正しいと思ったことを実行に移すのは難しい。だけど、久美子は自分の正しさを実行した。それは久美子にとっての大きな財産になり、未来への糧になると思いました。(教師という進路にも繋がる)
視聴者も1期のデカリボン先輩の気持ちがわかるのではないか。私も、久美子に吹いてほしかった、悔しいと思いました。視聴者もどっぷり感情移入できる1話でした。