選挙はがきの納品
選挙はがきとは
選挙のときは、はがきを出すんです。有権者の家に送って、投票をお願いするはがきです。郵便代が高いので、ポスティングと言って、活動協力者が、各戸のポストに投函して回る手法の方がよくつかわれます。ところが、選挙はがきは、国政選挙の場合、3万5千枚までは国費で出してくれるんです。各陣営、これを使わない手はないと考えて、住所を集め、ラベルシールを貼りまくります。国費で出すには、郵便局で指定の手続きが必要になります。なかなか手間がかかる手続きです。
住所集め
そもそも、一番に、はがきに書く住所を集めなくてはなりません。集める方法には、宛名業者から買う、選挙人名簿から書き写すという方法があります。
選挙人名簿から書き写すというのは、各地の選挙管理委員会にある選挙人名簿を選挙管理委員会事務局に行って、目視で書き写すという方法のことです。これはとてもしんどい作業です。パソコンの画面上のPDFから目で見て、パソコンに住所を打ち直すんです。中には、手で紙に書きとる人もいます。1時間で、早い人で600行くらい書き写すことができます。これを、人手をかけて延々と行うのです。これ、無駄じゃないですかね。書き写すのがOKなのなら、データで渡しても良いと思います。いじわるというかいじめのような気がします。こういう社会の体質は変えていきたいです。
宛名シール貼り
書き写したり、購入して集めた住所をラベルシールに打ち出して、候補者のはがきに貼り付けます。こちらは、1時間で1000枚くらいは貼り付けることができます。
選挙活動で貼り付けを行う作業に証紙というものもあります。これは選挙期間中に配るビラには全部小さな証紙というシール張るものです。このシールが小さくてとても貼りにくい(証紙の話はまた、別の機会に)。
郵便局へGO!
はがきの納品というのは、郵便代が国費負担される3万5千枚を指定された郵便局に持って行くことです。段ボール箱で10個弱になるので、荷下ろし、確認場所への移動は力作業となります(郵便局の人が手伝ってくれます)。
陣営によって、枚数は3万5千枚より多いことも少ないこともあります。多い場合は、有料になります。少ない場合は、有料にはなりません。
郵便局では、最初に、はがきの大きさと、重さをサンプリングで確認します。官製はがきの大きさになっていて、重さが1枚6g以下であることを確認されます。確認すると、一旦、納品は完了です。郵便局の人が預かり証を作ってくれるので、それをもって帰ります。
郵便局の力
郵便局が、預けたはがきの枚数を専用機で数えてくれます。たくさんの選挙陣営がはがきを持ち込むので、順番待ちになって、枚数確認には数時間から1日程度かかります。
郵便局が数え終わったところで、郵便局から、電話がかかってきて、再度手続きのために郵便局に伺います。電話番号は、選挙事務所である必要はなく、手続きをする事務所の誰かの携帯電話で大丈夫です。手続き書類に不備があった際の訂正印も候補者の印である必要はなく郵便局に出向いた人の印で良いです。
印が必要なことのほとんどがそうですが、本人確認も印鑑証明確認もなく、ただ、印さえあれば良いことになっています。印は形がい化しているように思います。
郵便局から電話があったら、再度郵便局に出向きます。そこで、枚数の確認をします。枚数については、なぜか1様式に500枚までの決まりがあり、3万5千枚の場合、70枚の様式を提出します。この提出書類の最初のページには、候補者の名前と、郵便局に出向いた人の印を押します。これも不思議です。全70ページに候補者の名前を書きます。ゴム印があれば早いですが、手書きですと10分くらいかかります。
手続きが終わると、郵便局員の方々が、各戸に配送してくれます。郵政の配達力はすごいです。ほんとにすごい。
ちなみに、郵便局内は撮影禁止。外観は良いそうです。