父の事
初夏に退院してから わりと元気な日々を過ごしていた父ですが、先日 呼吸苦で またまた入院の運びとなりました。病院に駆けつけ、病棟に運ばれる ほんの一瞬ですが顔を見て話しました。同行していた施設の看護師さんが「娘さんきたよ、わかる?」と言ったら「わかる、そこまで耄碌してない」と半笑いで言ったので こちらが笑ってしまいました。とりあえず会えないけど頑張れ、と伝えて別れました。
その後、Dr.から病状の経過説明が電話で数回ありました。数日前には思うように治療が進まない、今回は治らないかもしれない、との説明。現在 病院は面会禁止を継続していますが、残り少ないかもしれない最期の時間、面会してください。との事。 さっそく会いに行きました。酸素マスクで呼吸が苦しそうで、辛そうで ああ もうお別れかもしれない、と感じました。仕事の休みをもらって毎日 面会に行きました。面会を許されてから 数回目かの面会の日。父が異様にはっきりした表情をしていて驚きました。 数日前の病人とは別人みたいで すごく違和感を感じました。呼吸は苦しそうですが、どこか元気そうな表情も見せるので不思議な感じでした。すると、私の横を見て お前と一緒に来たのは誰なんだ?と 聞きます。私はひとりです。 え?誰がいる?と横を見る私。父は再び私の横を見て あ、親父。と声をかけました。どうやら私の隣には 私の祖父がいたようです。思わず 見えるの?と聞きました。父は 何を言ってるんだ?みたいな感じでした。終始 祖父の存在に気を取られたような面会時間となりました。また明日来るね、と言うと、どこかうわのそらで うなづいていました。本当にお別れが近いのかもしれない、と感じました。不思議な気持ちにつつまれました。
実は 会社の同僚の中に 守護霊のようなものが見える、という方がいて だいぶ前ですが 私には こんな感じの人がついている、という内容を聞いて 祖父かな、と自分では思っていました。しかし私には見えないので確信はもてません。 ところが今回、お前と一緒に来たのは、と父が言った事から 祖父が私といる事まで繋がったのです。なんだか 本当にいろんなことあるなあ、とあらためて思いました。人の死に関連する事って ほんとに科学で解明できない事があるんだな、と感じた日でした。