言葉と思いが循環する✨ / ダイアログデザイナー 嶋津さんとの対話
私は人と話すことが好きだ。
大人になって社会に出てからずっと、接客販売業をしてきた。
人と話すことは『技術』だと思う。
訓練すれば必ず上達する。
私は元々口下手で、人と話をするのが苦手だった。
人見知りで引っ込み思案で自分の気持ちを言語化するのが苦手で、小さい頃から聞き役だった。
それがいつの間にか人と話をする職業に就いていた。
『接客』がやりたかった訳ではない。洋服が好きなだけだった。
あれからウン十年。
歳月をかけて、訓練によって会得したのは人との『コニュニケーション能力』だった。
それは『対話力』とは別のものだ。私は未だに人との『対話』が得意な訳ではない。
それでも。
不得意なことをカバーする効力のある『性質』がある。
それは『好奇心』。
私の唯一と言っても過言ではない長所は、この『好奇心』だと思う。
『知らないことを知りたい欲』がハンパない。
それは苦手な事をも軽々と超越する力を持っている。
怖気付いてる場合じゃない。
遠慮している時間はない。
もう決して若くはないけれど、恥も外聞もどうでもいいと思う程、私のハンパない『好奇心』が暴れ出すことが時々ある。
人とサシで話をしたいという衝動が度々起きる。
私から見て非常に魅力的で、その人の思考や哲学を聴き出して共有したくなる。
その人の時間を独り占めしたくなるのはまるで『恋』のような感覚に似ている。
その人の奥深くにある『核』の部分に触れたくなる。
自分の強欲さに少し呆れながらも、その人の本質に触れられた時の喜びは恋愛が成就した時よりもさらに上をゆく達成感を私にもたらす。
ダイアログデザイナー 嶋津 亮太さんとの対話が実現した。
それは私にとって珠玉の時間となった。
インタビューを申し出たのは余りにも気軽な場面だったので、まさか本当に実現するとは思っていなかった。
だがしかし、誠実で真摯な嶋津さんは決して社交辞令な返事をした訳ではなかった。
改めてインタビューのオファーをすると、すぐに快諾のお返事を下さった。
そして前もってインタビューのテーマや質問内容があれば教えてくださいと仰って下さった。
嶋津さんはインタビューのプロだ。
当然、ご自身がインタビュアーの立場の場合、先方のインタビュイーに向けて前もって話すテーマや質問内容の幾つかを提示されるのだろう。それは質問される側にとっては心の準備ができるし、仕事としてスムーズにことを運ぶためには必須事項なのだと思う。
一方、感覚人間の私は計画性のない行き当たりばったりの性格で、書くことも喋ることもその時の『雰囲気』や『感情』で行き先を決める。そのほうが自分的には気分が乗って偶然の閃きや情熱が功を奏することが多い。
もちろん失敗することも多分にあるが、その『失敗』よりもその時の『ライヴ感』を楽しむ事の方に価値や重要性を感じてしまう。
それは私の性格にとっては緻密な計画より魅力的であり自然な事なのだ。
案の定、前もって事前に提示しておいた質問事項とは違った内容の話になってしまった。
しかも、インタビューの出だしのお約束である『自己紹介を促す』ことをすっ飛ばしてしまった。これは流石に私の完全なミスだ。舞い上がっていたとはいえ、嶋津さんにも聴いて下さっているリスナーにも全く失礼なことだ。
しかし嶋津さんはそんな傍若無人な私の失態にも全く動揺せず、自己紹介を兼ねながらご自身の仕事や活動内容を話の中に上手く盛り込み、誰が聴いてもスムーズにその内容を理解できるよう匠の技でスイスイと捌かれていった。
話をしている途中で私はそのことに気付いたがもう遅い。このまま嶋津さんの話術に完全におんぶに抱っこで丸投げするように、私はその対話の海に気持ちよく身を委ねていった。
あぁ、これぞダイアログ。そしてそれを自由自在にデザインする嶋津さんは誰もが認める『対話の魔術師』であり、これぞまさしくご自身が名付けた『ダイアログデザイナー』に他ならない。
嶋津さん、その節は大変失礼しました。
そしてある意味本当に感服いたしました。
これに懲りず、また是非ともお相手して頂けましたら飛び上がって喜びます。
好きな人と『対話』の時間を持つことは人生の奇跡であり何ものにも代え難い幸福と言えよう。
前半は『え?事前の内容と違うじゃんか!』と、動揺の色を隠せない嶋津さん。しかしその卓越する技量での話ぶりは、私の無茶振りに対して瞬時に対応される巧みな話術に鍛え抜かれたマイスターの技を味わっていただけることでしょう。そして私はそのライヴ感を思う存分楽しんでおりました。
その感動的な対話の中身はこちらです。
どうぞ、最後まで存分にお楽しみください。
嶋津さん、本当にありがとうございました!