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恋愛ドラマを観なくなった理由

ここ3年、私はテレビを全く見なくなりました。何故かというと、面白くないな~と思うことが増えたからです。

それまでは、仕事から帰ってすぐにテレビをつけるのが習慣でした。なにを見るわけでなくてもとりあえず、つける。音が鳴る。声が聞こえる。部屋が明るくなる。それだけでもなんだか家に帰った安心感というか、ホッとする感覚っていうのがありました。

ところが、コロナ禍になってから、私の大好きなヨーロッパの旅番組や諸外国の取材番組が悉く撮影不可になり、アーカイブばかりを放送するようになって、つまらなくてテレビ自体をつけなくなってしまいました。

毎日のニュースや天気予報はネットで見られるし、毎朝習慣にしているラジオからも最新の暮らしの情報はじゅうぶんに得られます。つけなくなるとそれが当たり前の世界観になり、テレビの存在が我が家から消えました。

もともと娘も息子もテレビを見る習慣がなく、個々のPCでオンデマンドの番組(多くはアニメやYouTube、そしてゲーム)や情報を得るというのが、学生の頃からの彼らの生活スタイルであるため、私が意味もなくテレビをつけていると娘からしばしば厳しい指摘が入るほどでした。

「ねぇママ、これ、見てるの?見てないなら消して。うるさいから」などと注意を受けることも度々あり、昭和のお茶の間のようなデフォルトでテレビがついている家族団欒の風景というのはいつの間にかなくなっているんだな、と少し寂しい気持ちにもなりました。

しかし、この禍の中でいざテレビの存在感が生活から消えると、それはそれで快適であることに気づかされました。
自由時間が見違えるほどに増え、このnoteを始めとして書いたり読んだり、オンラインやテキストで人と交流したりという、以前とは全く違った時間の使い方をするようになりました。

映画やドラマもオンデマンドです。好きなときに好きなものを好きなだけ見ることが当たり前になり、かなり個人的な片寄った見方になりました。


ここ数日、私はNetflixでドラマを観ました。
昨年の11月末頃から放送され、大ヒットした恋愛物語 「First Love 初恋」 です。

話題になっていたときは全く興味が湧かなかったのですが、ひょんなことからつい先日、なんとなく見つけて、「あぁこれ、ちょっと前に流行ってたヤツだな」と何の気なしにエピソード1を見始めました。

一話終わると「次のエピソード」へ。テレビのようにCMもなく、ドラマの世界にまんまと引きずり込まれました。

昨晩までで9話を観納め、これからラストエピソードへと突入します。
最終話を観終わったら、改めて感想を書こうと思います。

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観てきました。
今、最終話を観ながらワインを2杯飲んでほろ酔い気分でこれを書いています。

よくよく考えると、恋愛ドラマ自体、観るのがめちゃくちゃ久しぶりでした。
そしてNetflixという媒体オリジナルのドラマを観ることも初めてでした。

その感想は・・・・。

恋愛ドラマを観るって、結構色々と条件がいるんだな、ということです。
あ、この言い方はちょっと語弊があるかな?

私のような人生の終盤に差し掛かる年代の、酢いも甘いも噛み分けた、人生の様々な理不尽を経験し、辛酸を舐め、疲弊を伴う経験を積んできた人間にとって、このベタベタな恋愛物語を素直に受け入れることは、結構な心の葛藤と「んなわきゃねぇだろ!」的な憤りと「あのね、もっと冷静になれば他に方法はいくらでもありますよね?」的な冷めた目線との戦いという側面もあるのでした。

そう、今の私にとって、“素直に恋愛ドラマに浸れない“ という現実がよ〜〜〜く分かったことがショックでした。

こういった、運命に翻弄されながらもお互いへの愛情を強く持ち続け、別れや出会いを繰り返しながらも最後は“初恋”という純愛を貫き、ハッピーエンドへと導かれることへの違和感、しかもお互いの幼き日の“夢”を同じ環境の中で実現させ、おまけに最後のシーンでは3回もチュッチュチュッチュと甘〜〜いキスをして、『END』なんて出された日にゃあアンタ!

・・・・・・。

まぁね、よかったよ。ほんまによかった。こんなハッピーエンドにまさか!まさかのまさか!まさか誘われるとはつゆとも思ってなかったぉ!!!!

あのね、見ている最中何度もツッコミいれたよね。そしてそんな自分に嫌気がさしたよね。なんで素直にどっぷりとハマらんのかよと自分を責めたよね。

でもねでもね、仕方がないのさ。だって人生はそんなふうに上手くいくことなんて絶対にないからさ。でもね、このドラマでとっくに捨て去った“夢“というものの甘ったるくて優しい存在に少しだけ、ほんのひとときだけでも触れられたことに感謝ですね。ほんまに良い夢見させてもらいました。

何が良いかってね、満島ひかりさんの可愛さね!演技力の高さね!その一言に尽きるっしょ!!
マジでいい女優さんですね。美しく、儚く、可憐で愛しい。

最後のエンドロール的な映像だけの場面で、バックハグからのキスは、あれ、きっと“自由演技”ってやつじゃない?きっと佐藤健のアドリブなんじゃないかというくらいに、ひかるちゃんが驚いた表情してたんよね。あれ、健が仕掛けたヤツちゃう???そんくらい、ひかるちゃんが予期せぬキスに驚いたお顔が可愛かったんよね。もう、健ったら!やるねぇ!!!くっそぅ、コンニャロめ!!!!


はあぁ、ほんまにオバはん。わしはもう恋愛ドラマを素直に見られんようになっとったんじゃな。ということがよ〜〜〜〜〜く分かった次第です。


恋愛ドラマを観るには素直な心、そして運命を信じる純真さ、素直さが何より必要であり、それがなかった場合はひたすら自分の荒み切った内側を冷静に受け止めるだけの度量が必要だ、ということであります。

ヒロインの母親役のキョンキョンこと小泉今日子さんと同い年の私、キョンキョンの老けた現状を目の当たりにして余計に身につまされる思いがしたのであります。もちろん役作りなのは百も承知の助だけれどね。それでも結構な老け具合に自分の現状を突きつけられた感じも否めないのであります。ガ〜〜〜〜ン!!
もちろん、女優小泉今日子の実力はハンパなかったけれどね。マジ素敵です。

いやぁ、恋愛ドラマは観る側にも賞味期限があるのね。というお話しでした。

それではまた。


宇多田ヒカルの「First Love」がタイトルナンバーというのは、ドラマにのめり込むのに非常に効果的だったことは言うまでもありません。
文句なく、選曲が素晴らしかった。


*アーカイブは下のマガジンから読んでいただます。よろしければどうぞ。

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