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AI絵×手描き絵でイラスト製作 〜グリザイユ画法とCoPainter〜

前回の記事はこちら

今回はtrinartnijijourney、そしてCoPainterを使用しました。

案出し

今回描くのは先日FEHで実装された双界ハロウィンアンナさん。元のイラストがとても可愛らしかったので自分も描きたくなりました。
ハロウィンイラストを描くので、プロンプトにハロウィンを入れつつポーズと大まかな容姿の指定だけしました。本当は大人の女性と子供の女の子で生成させたかったのですが、どれも親子感がすごかったので諦めました。
inpaintで修正しつつできあがったのがこちら。

nijijourney作。inpaintで帽子の削除、指の人間化をしました

このイラストを元に製作していきます。

ラフ〜下描き

AI絵のままだと2人とも少女という感じなので、今回はあくまで構図を借りるだけにしました。デッサンには自信がないのでクリスタの3D素体を用いて体を描いていきます。

アプデで顔も詳細に調整できるようになったのは嬉しい
ざっくり素体をトレスして
↑をtrinartでi2i。複数枚の中からそれぞれ良いところを合成しました

この上から公式のイラストを観察して服などを描き足してできた下描きがこちら。

かわいい

ちなみに元のAI絵と比較するとこんな感じ。

あくまでアイディアだけ借りた感

nijijourneyはトレスしてもなぜか上手く描けないことが多かったので、利用する時はこの方法が自分には良いのかなと思いました。

線画〜下塗り

先程の下描きをtrinartでi2iし、線画に備えます。

trinart絵

↑を参考にしながら線画を描きます。

線画。主にマントの布の傘なりとポニテの毛先を参考にしました
下塗り

この線画と下塗りから、CoPainterを用いて塗りの作業を進めていきます。

CoPainterで塗りを作成

今回色塗りでは線画と下塗りデータを送信するとAIが色塗りしてくれるサービス、CoPainterを使用してみました。

精度もかなり良い感じですっかりお気に入りです。
先程用意した線画と下塗りの画像データをそれぞれ設定し、(たぶん)「線画、下塗りを分ける」で生成したものがこちらです。

PSDデータをクリスタで開くとこんな感じ

一部色が変わってるところもありますが、特に破綻もなく良い感じです。このうち線画だけ非表示にして書き出します。

めっちゃすごい

今までアニメ塗りをしていましたが、ちょうど先月からレイヤー削減のためにグリザイユ画法に変えたので、これをそのまま利用するために↑の画像をモノクロにして明度を下げます

ほぼそのまま使える(ちょっと加筆してます)

これに下塗りレイヤーをオーバーレイで重ねる(間にオーバーレイで暗い赤を入れてます)とこんな感じ。

グリザイユなのでAIの塗りから色味を調整する必要なし!

もうこれだけでほぼ完成と言えるでしょう。背景なしの絵ならこれで十分な気がします。すごい、影を塗る段階をまるまるすっ飛ばせた……
グリザイユ画法は以下のサイトを参考にしています。

背景とライティング

背景は最初に生成したAI絵からinpaintでキャラを削除してハロウィンっぽく描いてもらいました。今回はキャラでほとんど画面が埋まるので背景に加筆はほぼしてません。

街中っぽい感じ

スキマ時間にはスマホのアイビスでライティングのイメージ作りもしました。今回は頑張ってキャラを背景に馴染ませたい!と思ったので、塗りはAIに任せ、短縮できた分の時間をライティングに注力しています。たぶん影を自力で塗ってたら時間かかりすぎてここまで頑張れなかったかもしれないです。
ChatGPTに添削してもらいつつ、色味のイメージを固めていきます。

ChatGPTに添削してもらった例。とても参考になる
アイビスで色味とか、光が当たる場所のイメージを考えながら作った

ライティングのレイヤー構成は以下のサイトの夕焼けの空(その2)を参考にしました。

アイビスで作った絵をtrinartやnijijourneyでi2iし、エアブラシよりもハッキリしたハイライトの参考源を作ります。

trinart。大体30〜40%の間でガチャ。主にハイライトの位置を参考にしました
nijijourney。主にハイライトの色を参考にしました

これで大体のイメージが完成したので、再びクリスタに戻って作業をします。
と言っても、これより先は普通にグリザイユ画法と仕上げ加工の話になるのでほぼ割愛します。もっと上手い方の分かりやすい解説がたくさんあるので😌

あとは個人的に気をつけたことなどを。
元がAI製なので、拡大すると画質が荒かったり、線画近くに黒い点々があったりして気になったので、そこは加筆して綺麗にしました。遠くから見たら気にならないのがほとんどですが、気になったので。これは今になって思いますが、モノクロ化する際、事前に高画質化しても良かったかもしれませんね……次からはそうしてみます。

加筆前
加筆後

また、モノクロレイヤーに加筆しながら微調整をしていったのですが、スポイトの設定で参照先を「編集レイヤー」にしておくことで、オーバーレイのレイヤーを非表示にすることなく調整ができて便利でした。おかげでグリザイユ画法初心者でも簡単に塗り作業ができました。

赤丸のところ。これで色に影響されずモノクロのまま厚塗りできる

あとは、背景と馴染ませるために色んな効果のレイヤーを使ったり、グロー効果や背景ぼかし、あと微妙に背景も乗算レイヤーで顔と顔の間は暗く、加算レイヤーで光源周りを明るくしたりしています。
そうして完成したのがこちら。

これまでの記事の絵と比較するとクオリティが上がった気がします。影塗りの時間をほぼ全て魅力的なライティングと背景に馴染ませることに費やしたおかげですかね!ずっと集中して考えながら作業できました。時短にはこういうメリットもあるんだなぁと思いました。というか2人画面に入れたイラストを描くのってほぼ初めてなんですよね。それでもこんなに描けたのは色んなAIのおかげです。
制作時間は約20時間でした。

まとめ

nijijourneyで案出し

3D素体を使って等身やポーズの修正

ラフをi2iして良いとこ取りしながら下描き

線画と下塗りレイヤーを用意してCoPainterで塗りを生成

生成されたものをモノクロ化&明度を下げてグリザイユ画法用に転用

画質の荒いところなどを加筆しながらライティングを調整し描き込む

仕上げ加工して完成!

といった手順になります。
ちなみに後半は作業を中断した後、スキマ時間にChatGPTに添削や相談をしていました。本当に参考になるアドバイスばかりで勉強になるんですよね。

CoPainterはいいぞ
いや、本当にめちゃくちゃ大助かりなサービスでした。βテストとはいえこれ無料で使えていいの?ってくらい便利です。特にスマホからでも操作できるのが最高です(私のパソコンが劣化して使い物にならないので)。
CoPainterの塗りをそのまま採用するのは色味が変わってしまうので難しいのかな?と思いますが、グリザイユ画法との相性は最高でした。CoPainterが使える間はずっとこの手法になりそうです。
本当にオススメですので興味のある方はぜひ!

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