LGBTQを身近に感じた出来事

先日、息子の通う小学校にて、人権講演会というタイトルでLGBTQ(性的マイノリティ)の支援をされている大久保暁さんのお話を聞きました。
これまで、LGBTQという言葉は勤め先の教育で資料を見たり、グループディスカッションをしたりしたことはありましたが、当事者目線がなく、うわべだけの薄っぺらい知識だけが残っていました。
大久保暁さんは女性として生まれたものの、身体の性別と心の性別が異なる事に違和感があり、現在は性転換手術をされて男性として生きておられる方でした。
何より印象に残ったのは、大久保さんの曇りのない笑顔でした。幼少期からあった性的な違和感に悩み、学生時代にも悩みを打ち明けられない辛さを感じ、社会人になってからも性転換をされたという事で様々に苦労をされてきた大久保さんが、今現在、こんなにも素敵な笑顔で堂々と多くの方の前でお話をされていることに感動しました。
LGBTQの方がいわゆる障害者の方と異なる大きな点は外見では全く分からないこと。また、LGBTQについてはこれまで長い歴史の中で嘲笑されたり、避けられたりしてきたということも教えてもらいました。

嬉しかったのは息子の反応です。小3の息子には今年から家庭で性教育の話を時々するようにしてきたお陰もあってか、とても興味を持ってくれて、大久保さんに「女性のままでガマンしようと思う気持ちも大きかったですか?」と直接質問をしました。

当日は30名程度の参加者がおられて、少し緊張しましたが、私も発言しました。
「自分の勤め先でLGBTQのアライ(理解して、支援する存在)である事を表明されるグッズを特に理解もせずにもらって使用していたが、LGBTQの方々にとって、心の支えになり得る大切な物である事を知れて良かった」

これを聞かれた大久保さんが講演会終了後に「よかったら11月に開催されるイベントに協賛してもらえませんか?」と声をかけて下さいました。社名を伝えると、既に問い合わせ済みで断られたことが分かりました。それでも大久保さんから、「担当の方に改めて協賛をオススメいただければ嬉しいです」と言われました。

その後、すぐに会社の人事部担当者の方に連絡して、「なかなか対応が難しいかもしれませんが、改めてご検討お願いします」と伝えました。
私の会社は世間一般から見ても保守的な会社であるため、正直期待はしておらず、今後少しずつでもこういった案件への取り組みが進めばいいなと思っていました。

しばらくして、会社の人事部担当者から、再検討の結果イベントに協賛することが決定したと連絡がありました。たった一人の社員の声で大きな組織が動くこともあるんだ!と感動しました。小さなつながりから、大きな動きが生まれていく。何か勇気をもらえた気がしました。

今回の出来事でLGBTQについて少しだけですが、理解を深めることができ、私の今後の目標はアライであることを積極的に表明して、LGBTQの方から相談してもらえる存在になることです。そのためには、まず自分に関わるあらゆる人と信頼関係を築いていくことを実践したいと思います。

大久保さんに感銘を受けたのは私自身も一種のマイノリティであるからなのかと感じました。私の場合は表現するとすれば宗教的マイノリティです。日本では宗教を真剣に信仰しているというだけで、敬遠されたり、勧誘されるのではないかと警戒されたり、何かにつけてネタにされるという風潮があります。私は近年世間を賑わせている新興宗教やカルト宗教ではなく、既成仏教である浄土真宗本願寺派(西本願寺)の教えを真剣に信仰しています。でも、怪しげな宗教かどうかに関係なく、信仰を持っているというだけで、差別的な扱いを受ける場合も少なからずあります。もちろん、宗教に関わる問題で多くの方が被害にあっているからこそ、宗教というものを一緒くたにして敬遠したくなる気持ちも分かります。しかし一方で、本当に人間の精神を救うことができる宗教の世界では、究極的な「自分らしさ」を実現できると思います。私自身が浄土真宗の教えを実践することで、「自分らしく、生き生きと生きる」ことができるようになりました。大久保さんが苦労の末に実現した「自分らしく生きる」という道。そして、自分らしく生きているからこその曇りのない笑顔。そこに私自身の生き方が重なったのかなとも思いました。

↓24年11月24日開催予定のイベントリンク
https://prideinkyoto.com

↓私に浄土真宗を教えてくれた久保光雲先生のサイト
http://koun18.com

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