ブラッド・バード監督のピクサー作品「レミーのおいしいレストラン」を観ました。
この映画には、料理の批評家が登場する。
映画の終盤に読み上げられる彼の批評文ほど、この映画を批評するのにふさわしいものはない。
そこで、この批評文を借りて、私なりになるべく原文の持つ意味を取りこぼさないように翻訳し、間に私の私見を挟むことで、この映画のレビューとしたいと思います。
そう、プロアマ問わず、このnoteも含め、世に溢れる映画レビューは気楽なものですよね。そして、過剰に否定的で煽情的なレビューも多いです。(もしくは逆に過剰に肯定的で煽情的か)
あたかも、映画制作陣を低く観るようなレビューも多い。自戒も込めて。
ぐさり。
ふむふむ。
批評家がレミーの作った料理を食べたことをこのように表現しています。
ここからが、この映画のメッセージの核心です。
これを映画に置き換えるなら、『誰にでも映画は作れる』となりますかね。
やはりそうは思えない。
グストーの、いやブラッド・バード監督の真意はなんだったのでしょう。
なるほど。偉大な映画はどこからでも現れ得る、というわけですね。
「ディズニーだから」とか「◯◯監督の映画だから」とか「制作国が◯◯だから」とか、映画本編とは別の情報でもって映画をジャッジしてしまうことは多々あります。
でも、偉大な映画がどこにあるか、どこから現れるかは、現れてみないと分からない。
思えば、中学から高校にかけてハリウッド映画を観まくっていた日々。ひょんなことからディズニーアニメーション映画を見たことで、「こんなによくできた映画はない!」とディズニー作品に傾倒して行ったのでした、私は。
ブラッド・バード監督、その通りだと思います。
昨年のアカデミー賞をとった「エブエブ」こと「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」も、これまでの「いい映画」をぶち壊してくるような支離滅裂で訳の分からない、でも「いい!」と思えるような映画でしたけど、そういうことですかね。
あ、「エブエブ」でもこの「レミーのおいしいレストラン」のパロディというかオマージュシーンが出てきてましたね。きっと「エブエブ」の製作陣はブラッド・バード監督のこのメッセージに励まされたんじゃないかと思う。想像ですが。
私たちも、“お腹を空かせて”これから登場するまったく新しい映画を、楽しみにしたいですね。