勝手に10選〜とにかく元気の出るROCK、洋楽編part2(後編)〜
(前記)
それでは、張り切って後半に移る。
・METAL GURU
1972年に発表されたイギリス出身のマーク・ボラン率いるT.Rexによるシングルで、アルバム”The Slider"に収録されている曲だ。
1967年に前身であるバンド、ティラノザウルス•レックスとしてデビューをするが、当時はコンビであり、1970年にバンド名をT.Rexに変更し、翌年にはベース、ドラムも加入し4人編成のバンドとなった。
そして1971年に発表した"Electric Warrior"が大ヒットし、グラム・ロックブームの火付け役となる。
以降、イギリスにて大ヒットを連発し、なんと日本でも日本武道館でライブを行っているが、当時は肝心なアメリカでヒットする事は出来なかった。
そしてグラムブームの終焉を迎え、1977年に恋人の運転する車が街路樹に衝突して、この世を去った。…亡き後に評価される点ではゴッホの様だ。
曲であるが、実にギターのストロークとコーラスによる実に広大な雰囲気を醸し出す、始まり方をして、のっけから心を掴まれる。短い間奏を省いてほぼ一つのコード進行と並行して2つのメロディの繰り返しという、実にシンプルかつソリッドな構成であるながら、実に広大で軽やかな心地の良いロックなのだ。
マーク•ボランの曲の特筆すべき点は、コードが実にシンプルなのである。
本曲は4コード(細かいところは抜いて)で、”20th centry boy"や”Get It On"に至っては3コードなのだ。
そのシンプルな構成の中においてメロディラインとアレンジで大名曲を生み出したマーク・ボランのセンスには脱帽しかない上に、後のパンクに影響を与えた事は間違いないのだ。
・Livin’ On A Prayer
1986年に発表されたボン・ジョヴィの3枚目のアルバム”Wild In The Streets”に収録され、同年にシングルとして発表された曲だ。
1984年にファーストアルバム"Bon Jovi"にてデビューを飾り、同年に日本のフェスへ出演し、日本と日本のファンとの相性が抜群で、1985年に発表されたセカンドアルバム"7800° Fahrenheit"には"Tokyo Road"という曲まで発表し、その直後日本で単独ライブを行っている。
曲であるが、1986年に発表されたサードアルバム"Slippery When Wet"に収録され、またシングルとしても発表された。
このアルバムで全米1位を8週連続でキープし、アルバムからシングルカットされた、この曲を含む3曲が全て全米1位となり、完璧なるブレイクを果たしたのだ。
筆者もリアルタイムで聴いていたが、当時は洋楽であれば、男女問わず、石を投げたらボン・ジョヴィみたいな思い出がある。
そんなボン・ジョヴィから1曲というのは大変頭を悩ませたが、この曲がやはりは筆者にとって思い出深く、最高である。
ビートが効きながらも、少し不気味な雰囲気で曲は始まり、歌詞は貧しいけど明るい未来を夢見るトミーとジーナが主人公だ。
Bメロで上がり気味になり、それがサビへのクッションとなり、怒涛ののサビへ。
どこまでも疾走感を保ちながら突き上がるのだ。最高に気持ちが良い。
歌詞も曲も絶妙な緩急を持つ、実に元気になれる曲なのだ。
・ARE YOU GONNA GO MY WAY
1993年に発表されたレニー・クラヴィッツのアルバム"Are You Gonna Go My Way"のオープニングを飾る曲だ。
Beverly Hills High Schoolに在学中に既に音楽的に開花しており、同校を中退する。…想像するに、実に優秀な経歴である。
1989年にアルバム”Let Love Rule"にてデビューを果たし、1991年にセカンドアルバム”Mama Said"を発表し、1992年に当時の恋人であったバネッサ・パラディの名作アルバム"Be My Baby"をプロデュースし、1993年に本作を発表し、世界的にブレイクを果たす。
この曲は間違いなく代表曲であり続けるのだ。
曲であるが、ギターリフをこれでもか、と多用し、よってサビの緩急も生かされたいる、実に重厚感溢れるロックだ。
この曲ではレニー・クラヴィッツが全ての楽器を担当している。
全て自身で演奏することで、自身の唯一無二のグルーヴが発生されるお手本の様な曲なのだ。
実に心地よい、重厚感とグルーヴを持つ名曲だ、
・ROCKS
1994年にイギリスのロックバンドであるプライマル・スクリームが発表した4枚目のアルバム''Give out But Don't Give Up"に収録され、この曲は先行シングルとして発表されている。
1987年にアルバム"Sonic Flower Groove"にてデビューしたプライマル・スクリームであるが、デビューから次々とロックを軸に様々な要素を取り入れ変幻するバンドだ。
3作目のアルバム"Screamadelica"にて、ロック、ハウス、アシッドジャズの見事な融合に大成功し、初のヒット作そしてバンドの代表作となった。
この曲はその次作となるアルバムに収録されている曲だ。
ハウスの流れからの実に軽快な4つ打ちのリズム、クールなギターのカッティング、パーカッション、ホーン隊によって見事にハウス、アシッドジャズを踏襲したロックを作り出したのだ。
疾走感に溢れ、実に聴いていて気持ちの良いゴキゲンなロックだ。
・GINA
1989年にストレイ・キャッツにより発表されたアルバム"BLAST OFF"に収録された曲だ。
ブライアン・セッツァー率いるストレイ・キャッツは1981年にアルバム"STRAY CATS"にてデビューした、現代のロカビリーにおける最高峰に君臨しているバンドだ。
ロカビリーにおけるすストレイ・キャッツの魅力の大きなマテリアルは、カントリー、ブルースなどを踏襲した奏法としてギャロッピングなど、卓越したブライアン・セッツァーのギターテクニックだろう。
そして、今やブライアン・セッツァーの代名詞とも言えるギター、グレッチの6120だが、元々はジャズギターであり、ロックンロールにこのギターを持ち込んだのはエディ・コクランであり、それを真似たブライアン・セッツァーが自身の代名詞にしてしまった。
この曲は1984年に一旦解散して、1986年に復活し、1989年に5枚目のアルバムとして発表された収録された曲だ。
実に明るく、ゴキゲンなロックンロールのお手本だ。
肝となるのは、演奏がソリッドでシンプルなのだ。ブライアン・セッツァーによる実にシンプルかつキャッチーなリフを中心に、テクニカルな部分が削ぎ落とされている分、シンプルな分、実に自然と心を踊らされる実に軽快なロックンロールなのだ。
(後記)
今回も我ながら時代もバラバラで多岐にわたって、過去に自身を元気づけてくださったロックを思うがままに10曲つまんでみた。
まだ、全然ある。
まだ続編として、思うがままにピックアップしてみたい。
読んでくださった皆様へ
ありがとうございました。