勝手に10選〜カッコいいアルバムジャケットPart.4(邦楽編)〜
(前記)
張り切って邦楽編に移る。
町田町蔵蔵さん率いるバンドINUのアルバムジャケットだ。
町田町蔵とは、後の町田康さんである。
このINUというバンドは短期間で解散したが、町田康さんは小説家として後に芥川賞を受賞する。
黄色の背景に、町田町蔵(町田康)さんのモノクロームの写真のみだ。
この町田さんの目付きだ。
睨み、怒り、反抗、苛立ち、やるせなさ、不安、勢い、様々な想いが、痛い位にジャケットから突き刺さるのだ。
吉田拓郎さんのアルバム"ひまわり"のジャケットだ。
このジャケットのアートワークは、タモリ倶楽部のソラミミストで有名な安齋 肇さんによる。
フォーヴィスムを感じるジャケットだ。
フォーヴィズムとは、日本語では野獣派とされる20世紀初頭に、マティスやドランを代表に、写実的な絵画には別れを告げ、心の色で絵画を表現する手法だ。
写真では映らない、吉田拓郎さんの深い世界観が見事に表現されたジャケットなのだ。
ザ・モッズによるアルバム"NEWS BEAT"のジャケットだ。
モノクロームで壁画風に描かれたメンバーの顔と、メンバーを囲む色鮮やかなコラージュ、そして、モノクロームで遊び心満点に文字を入れる事により、実に華やかで全体のバランスが秀悦している。
イカしたロックンロールが聴こえてくる様だ。
サザンオールスターズによって発表されたアルバム"Southern All Stars"のジャケットだ。
白い背景に、交尾を連想させるカブトムシが2匹。
背景の白とカブトムシの色からモノクロームっぽい雰囲気を出しつつ、赤文字でフォントも見事に大きく、Southern All Stars、とに記す事によりストレートにカッコよく、カブトムシによるユーモアも兼ね備えた素晴らしいジャケットだ。
ミッシェル・ガン・エレファントのアルバム"cult grass stars"のジャケットだ。
くつろいでいるメンバーだろうか、くすんだ黄色と黒によるモノトーンの黒をやや強調する事によって、赤によるバンド名とタイトルが強調され、配置バランスも素晴らしい。
向かって左上に品番が記されているが、これはCD版、アナログ版、再発版でそれぞれ異なっている。
ブランキー・ジェット・シティのアルバム"C.B.Jim"のジャケットだ。
実にキュートな、なんの動物だろう、ぬいぐるみにも被り物にも見えるが、オートバイゴーグルにバンダナを身につけ、実に粋だ。
このアルバムのオープニングを飾る"PUNKY BAD HIP"に登場する、バイクのフロントフォークが1番長いC.B.Jimが正体らしい。
実にイカしたロックの香りがするジャケットだ。
藤井フミヤさんのアルバム"PURE RED"のジャケットだ。
裸の真っ赤に彩られた男女が、空中で一回転している瞬間を上下を反対に対とされているデザインだ。
ハートだったりを連想したり、胎児であったり、素の男性、女性を赤にする事によって素の血がめぐる人間のピュアだったり、イノセントな部分を見せつけられいる様にも思える。
実にシャープなカッコいいジャケットだ。
ザ・ハイロウズのアルバム"バームクーヘン"のジャケットだ。
緑の背景にバームクーヘンのみと実にシンプルな構図だ。
しかし、このジャケットからはクラシックは聴こえない。ジャズだって演歌だってヒップホップだって聴こえない。
ゴキゲンなロックしか聴こえてこないジャケットなのだ。
ウルフルズのアルバム"KEEP ON, MOVE ON"のジャケットだ。
白を背景にメンバーの顔が絶妙なモノトーンの色とバランスでシルクスクリーンの様に重なっている。
下に題名が記されているが、各々のメンバーのカラーが文字の最初に、メンバーの顔と対極になる様に配置されているのが実にセンスを感じる。
実にアーティスティックなカッコいいアルバムだ。
スピッツのアルバム"インディゴ地平線"のジャケットだ。
実に気持ちの良いジャケットだ。
とても綺麗な青空に、Norton製のレトロなバイクにまたがる女性が、ジェット型のヘルメット、オートバイゴーグルに、レトロなセットアップを身に纏っている。
ヘルメットの色とセットアップの柄が同じ色となり、一体感が増している。
写真を撮る角度も、青空をバイクの女性も共に強調する配置も実に素晴らしい。
どんな音楽が流れてくるか、とても気になるカッコいいジャケットなのだ。
(後記)
ジャケットはそのアーティストのアルバムだったりシングルだったりの楽曲や、アーティストの世界観を視覚的に楽曲を聴く前に予感させる
大きなマテリアルなのだ。
ひと時代前には、ふとジャケットが気に入ってついつい買ってしまう、ジャケ買い、という事が存在して、それが新たな音楽との素敵な出会いとなる事もあったのだ。
読んでくださった方々へ
ありがとうございました