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勝手に10選〜THE ROLLING STONES編〜

なんという偶然!以下の文章を書き終えた途端、18年ぶりのニューアルバム"ハックニー・ダイヤモンズ"が10月20日に発売される事が決定!
更にニューシングル"アングリー"のMVも解禁!
今リアルタイムで観ました。どんな80歳だ?
カッコ良すぎだろ!
以下は、この解禁前に書いております。

(前記)
今回は、チェッカーズ、ビートルズについて投稿した流れで、The Rollig Stonesについて投稿する。

ありがちな問い掛けに"ビートルズ派?ストーンズ派?"という質問がある。
そんな事はどうでも良いのだ。たまたま、ビートルズが少し先だが、同時代でイギリス出身のモンスターロックバンドで世界中の人々を熱狂させた故に、そんな質問をよく耳にするんだろう。
そんな事は実にどうでも良いのだ。
曲調、そのバンドの持つルーツ、グルーヴだったり、ロックというカテゴリーであれど、対比する曲など無く、野球で例えば、"ライト派?レフト派?"みたいな事だ。それぞれにしか無い、魅力が絶対的にあり、共通点はあれど、ロック史における役割だって全く異なる。
ビートルズのメンバーと、ストーンズのメンバーは、実に仲が良く、共演もある。当人達は、同じ時代を歩む同志、位の感情しか無かったのでは。
自身はビートルズもストーンズも大好きだ。そんなもん、どちらが好きか、なんて要らないのである。
そこで、今回はそんなTHE ROLLING STONESの勝手に10選をする。

・(I can't get no)satisfaction
1965年に発表されたシングル。まさに代表曲の一つで、この曲によりストーンズはロック史に名を刻むバンドになったきっかけとも言える。
この曲の象徴は、なんといってもキースによるファズの効いたリフだ。キースが寝ている時に思いつき(どんなこっちゃ、な話ではあるが)、起きてその辺のカセットに録音して、また寝た。その後周りに、このリフ知ってるか?と聞きまくったが、誰も知らず、キース自身がこの大名フレーズを生み出した事を知る。
この曲のリフ以外はミックが作っているが、リフを活かした大名曲である。

・Let's spend the night together
1967年発表の"RUBY TUESDAY"との両面A面のシングルとして発売。楽曲は、ミックとキースの合作だ。
経緯は忘れたが、筆者が初めて聴いたストーンズの曲だ。このリズミカルなピアノから始まる実に疾走感に溢れて、サビの盛り上がりも、どこをとっても明るく突き抜けるロックに、一発でやられてストーンズのファンになった。
当時、TVで披露される際に歌詞がセクシー過ぎると指摘されサビの"NIGHT"の部分を"SOMETIME"に変更して歌う映像が残るが、不満だったろう、ミックがその時だけ白目を剥いている。

・RUBY TUESDAY
"Let's spend the night together"とともに両面A面シングルとして1967年に発表された。作詞、作曲ともにキースの楽曲だ。
曲の出だしがピアノと弦楽とボーカルのみで、なんで暗くて悲しげな曲なのか、と思いきや、サビになると、テンポも上がり楽器も増え、切なさの中に光が舞い踊る様な絶品のサビだ。
メロディラインも素晴らしい。この、サビとAメロ、Bメロのコントラストが実に見事だ。ピアノと弦楽のみのAメロ、Bメロが、サビを実に生き生きと引き立たせている。
一回聴いてだけで大好きになった曲だ。


・Jumpin' Jack Flash
1968年にリリース。ミックとキースの合作だ。ブライアンジョーンズが1969年に脱退するまでを前期とするなら、サティスファクションとともに初期の代表曲だ。
出だしのギターもクールで、ギターのリフが肝となる楽曲だが、なんとこの曲にはエレキギターはいっさい使っていない、とキースは証言しているが、最高にクールなバッキング、リフはそうだとしても、おかず的な部分はエレキに聞こえてしまうが、どうだろう。
いずれにしても、ブルージーな香りも漂う、ストーンズのストレートな王道ロックのお手本だ。
ライブの大定番を長年務めている名曲である。

・Tumbling dice
1972年に発表された最高傑作と名高いアルバム"Exile on main st."に収録。ミックとキースの合作だ。
ミドルテンポのブルースの香り漂うロックで、この頃から、ストーンズは女性を交えたり、コーラスを多様化して加える事も多くなるが、この曲におけるミックのボーカルと、コーラスの絡みが絶妙で、実に華やかさをもたらしている。Aメロ、Bメロは実にシンプルに、そしてサビになるとホーンも加わり、コーラスも更にサビを盛り上げる。楽曲、ボーカル、コーラスがその役割を遺憾なく発揮し融合する、実にグルーブが心地よい名曲だ。

・She's a Rainbow
1967年に発売されたアルバム"Their Satanic Majesties Request"に収録。ミックとキースによる合作だ。
しかし、実に美しい。美しいの一言が似合う大名曲だ。
ピアノ、ピアノと弦楽からなるパートと、サビを繰り返し、一カ所Bメロ的なパートもアクセントになっているが、とにかく、ピアノのパートとサビの繰り返しが実に美しい。ピアノのパートは最初はシンプルに、徐々に音が重なっていく。しつこい様だがピアノが奏でるメロディが、実に美しいのだ。
一方サビであるが、様々な楽器、コーラスをもって、切なさの中に太陽が垣間見える様なメロディラインを豪華に盛り上げてくれる。
実に侘び寂びが美しい、うっとりするしかない大名曲だ。
このアルバムの時期は、サイケデリックカルチャーにドラッグも相まって、ストーンズにとって一種異様な時期であったが、背景はどうであれ、この曲は輝き続ける。

・Midnight Rumbler
1969年発売のアルバム"Let It Bleed”に収録。ミックとキースの合作だ。
いや、これぞストーンズのブルースだ。キースのギター、チャーリーのドラム、ビルのベース、ミックのハーモニカ、ボーカル。実にソリッドかつシンプルなブルースロックである。8分を超える、珍しく長い曲であるが、テンポが流れるように上下を繰り返し、飽きることなく、ブルースが基盤となるストーンズの名グルーブに酔いしれる時間を堪能できる名曲である。
歌詞は夜中の殺人鬼をモチーフにしたしであり、いささか恐ろしい。
初代メンバーである、ブライアン•ジョーンズが最後に参加した曲としても有名(ただし、ギターではなくコンガだった。)。
因みに筆者は、この曲を何かで耳にして、速攻アルバム”Let It Bleed"を手に入れた。

・Honky Tonk Women
1969年に発表されたシングル。ミックとキースの合作だ。
アルバム”Let it Bleed”に”Country Honk"という曲が収録されているが、作曲の段階では、こちらが原型だった様である。
3分、である。短い曲だ。しかし陽気なカウベル(っぽく聴こえるが)からドラム、ベース、ギターが順番に入り、ミックのボーカルが始まる。ソリッドなAメロからサビに入ると、待ってましたと、コーラス、ホーン加わり、ミッのボーカルも力を増し、最高の盛り上がりを見せる。そしてまた、ソリッドなAメロを経てサビへ。盛り上がる間奏を経てサビにて終わる。3分だ。3分で、これだけのゴキゲンなミドルテンポのブルージーなロックを体感できるんだ。こんな大名曲を。

・START ME UP
1981年にシングルとして発表された。ミックとキースの合作だ。
もはやストーンズの長いキャリアを考えると、若い新入社員の様に思われるが、全くをもってストーンズの音である。
オープニングのカッティングによるリフに尽きる。このリフの為にこの曲が誕生した、と言っても過言はない。リフ中心に曲は進行し、サビにて最高潮の盛り上がりをみせ、リフに戻る。ことリフに関しては傑作の一つだ。
発表以降、ライブのオープニングの定番曲の一つとなるが、納得である。この頭のカッティング一つで、ストーンズだからだ。何万人のオーディエンスの心を鷲掴みにするからだ。

・BROWN SUGAR
1971年に発表されたシングルで、ジャケットのウォーホルによるアートワークやら、自身のレーベルからの初アルバムで、誰もが目にするLips&Tongueマークの誕生と、様々意味で有名なアルバム”Sticky Fingers"のオープニングを飾る曲だ。歌詞はミック、曲はミック、キースともに証言が曖昧である。
特徴的な一風変わったギターのリフから始まるが、始まるや否やの疾走感から、なるほどな名リフだ。曲に関しては、とにかくストーンズの歴史の中で、最も疾走感を持つ、痛快なロックとも言える。構成も、疾走感をそのままにラストまで極限に突き進む、突き上げる、実に見事な曲である。
が、である。が、歌詞なのである。
題名のBROWN SUGARは俗語でヘロインを指す、という事は諸説ありながらもマジョリティの見解である。
と、そこまではギリギリ笑って言える範疇なのだが、歌詞については完全に奴隷制度、人種問題にまで及んでしまっている。
ミックが何をメタファーとして表現したかったか、単に50年前なら大合唱できた歌詞なのかは解る訳がないが、際どすぎである事は否めない。
筆者がミックの肩を持つ訳ではないが、ストーンズの代表曲の一つである事は間違いない。
歌詞は言葉遊び、と言ってしまう事の難解さ、で終わらせてしまってはいけないかも知れない。
曲、曲の醸し出す雰囲気、疾走感、いずれも最高にクールなだけに複雑な心境になる。
実に様々な意味を持つ、代表作だ。オケ、曲は最高傑作の一つなんだ。

(後記)
と、THE ROLLING STONESの曲を勝手に10選した。
筆者は、ストーンズの全てのアルバムにおける全ての曲を網羅してない。これからの課題の一つである事を痛感した。勉強不足だ。
10曲を見返してみると、う〜ん、入門編寄りみたいになってしまったかな、という自負がある一方で、悩んだ曲も多々あり、削除した曲もあり、今回出なかった曲を、ストーンズの更なる魅力を紹介できれば、と思う。
読んでくださった皆様に感謝して、先に進みます。


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