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勝手に10選〜イカしたロック 60's編(前編)〜
(前記)
ビートルズは1962年にデビューし、1970年に正式に解散する。
1960年代を象徴し、世界を圧巻したのは間違いなくビートルズだ。
自分達の音楽をストイックに探求し、常に進化を遂げ、世界のロック史に偉大なる功績を残し、後のミュージシャンにも多大なる影響と多大なる提案を与え、駆け抜けて行った。
そんなビートルズが圧巻した1960年代であるが、同時代にどんなロックが切磋琢磨し、存在したのか。
今回はそんな1960年代にフォーカスし、前編、後編に分けて勝手に10選をする。
・You Really Got Me
1964年にイギリスのバンド、キンクスのシングルとして発表された曲で、同年に発表されたデビューアルバム''Kinks"にも収録された曲だ。
キンクスはイギリスにて、兄でリードボーカルとサイドギターを担当するレイ・デイヴィスと、弟でリードギターとコーラスを担当するデイヴ・デイヴィスの兄弟を中心として結成されたバンドであり、本曲にてブレイクに至った。
曲だが、実にタイトなロックだ。
主軸となるのは、パワーコードをスライドするシンプルなギターのリフである。
サビ以外がこの歪ませたギターリフを基盤を担っており、リフを多用する楽曲における名曲である。
因みにこのギターの歪みはスピーカーを切り裂き、穴を開けて作り上げたのだ。
歌詞も実にストレートなラブソングでシンプルかつタイトなロックに見事に融合している。
・Respect
1965年にオーティス・レディングのシングルとして発表された曲だ。
オーティス・レディングはアメリカにおけるシンガーソングライターで白人からも支持されR&B界を牽引するが1967年12月に自家用飛行機の墜落によって亡くなってしまう。
死の3日前にレコーディングをした楽曲"(Sittin' on) The Dock of the Bay"が、死後に自身にとって初の全米1位となった。
なんとも皮肉なエピソードである。
この曲はオーティス・レディングが作詞作曲を手掛けている本家であるが、アレサ・フランクリンのカバーが非常に有名である。
実に重厚感のあるR&B、ロックである。
肝となっているのはホーンセッションによるリズミカルかつ豪華なリフだ。
歌詞の内容は、彼女ないし妻に対してもっと自分に対して尊敬を態度でしめせ、という内容と取れる。
オーティスの実に力強いボーカルに、重厚感の溢れるオケが融合した名曲である。
因みに筆者はアレサ・フランクリンのバージョンよりオーティス・レディングの原曲の方が好みである。
・My Generation
1965年にザ・フーによって発表されたシングルで同年に発表されたファーストアルバム"My Generation"にも収録された曲だ。
ザ・フーは、1964年にデビューしたイギリスのロックバンドで、イギリスにおける3大バンドとして、ビートルズ、ストーンズとともに評価されているバンドだ。
1979年に公開された映画"さらば青春の光"原題:Quadrophenia)は、ザ・フーのアルバムを元に制作されており、1960年代の前半にモッズ達から支持を得られていた事が解る。
曲であるが、イントロから疾走感と重厚感が全開で曲が始まる。
ストレートな若者の大人に対する反抗心を、コールアンドレスポンスを用いて表現する、実にカッコいい、潔いロックンロールであり、気持ちよく気分を高揚させられる。
ひとつのパートと間奏のみで構成される曲のシンプルさにも圧倒される素晴らしい名曲だ。
・Light My Fire
1966年に発表されたドアーズによるデビューアルバム"The Doors"に収録され、翌1967年にシングルカットされた曲だ。
リードボーカルであるジム・モリソンは、ロスアンゼルスのUCLAで映画科を専攻していたが、後にドアーズのキーボードとなるレイ・マンザレクに自作の詩と曲を披露し、感銘を受けたマンザレクがバンドメンバーを集めレコーディングした事から、音楽への道に進み、やがてドアーズに繋がる。
曲であるが、元々は長い間奏があり、約7分にも及ぶ楽曲であったが、シングルカットの際に間奏の部分はほぼカットされている。
今回はこのシングルバージョンに沿って記す。
軽快かつシンプルにオルガンが舞い踊る様なイントロだ。
そして、Aメロに入ると演奏はやや控えめに、ジム・モリスンのボーカルを招く。
実に甘く美しいジムのボーカルがまとわりつく様にAメロは進行する。
そして、サビに入ると演奏も息を吹き返した様にジムのボーカルと融合し、実に素晴らしいメロディラインも伴い華やかな雰囲気となる。
歌詞に関してはドラックソングやら、色んな説があるが筆者的に訳してみると、今晩やろうぜ、というイメージである。
曲とも実にしっかりくるのだ。
・Sunshine Of Your Love
1967年にクリームのアルバムとして発表された"Disraeli Gears"に収録され、後にシングルカットされた曲だ。
クリームは、ギター、ボーカルのエリック・クラプトン、ドラムのジンジャー・ベイカー、ベース、ボーカルのジャック・ブルース3人によって構成されている。
元々はドラムのジンジャー・ベイカーが、既にヤードバーズ、ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズにて成功していたエリック・クラプトンに新バンドの話を持ちかけ、エリック・クラプトンはベースをジャック・ブルースにするなら、という条件をつけた。
しかし、当時ジンジャー・ベイカーとジャック・ブルースは不仲であり、クラプトンはその事を全く知らず、ジンジャー・ベイカーは大変動揺したが、受け入れる事でクリームは結成された。
曲であるが、名リフ中の名リフである。
ギター、ベースもサビ以外はこの名リフが首軸となり、切れ味の鋭い重厚感に溢れるヘビィなロックとなっているのだ。
歌詞は、君の愛が輝くところへ行くよ、というストレートな歌詞だ。
ストレートな歌詞が故により、この名演奏がより引き立っているとも思える。
(後記)
後編へ続く
読んでくださった方々へ
ありがとうございました