勝手に10選〜カッコいいアルバムジャケットPart.2(洋楽編)〜
(前記)
レコードからCDに移行する時期に少年時代を過ごした。
田舎だったが、一軒だけ実にイカしたレコードショップがあり、中学生の頃は放課後に親友とレコードを見に、買いに随分通った。
当時の筆者は50's、60'sのいわゆるオールディーズにどハマりしていたが、親友と情報交換をしたり、店長からも色んな音楽を教えてもらったり、無理を言ってレコードを取り寄せてもらったり。
やっと手に入ったレコードを持ち帰り、包装のビニールを剥がすと、プンっと輸入盤の香りがする。レコードに針を落として、レコードのジャケット、ライナーノーツを眺めながら曲を聴いていたものだ。
レコードジャケットも作品の重要なマテリアルだ。
名盤と呼ばれるレコードは、レコードジャケットから素晴らしい曲を視覚的に感じとる事すらあるのだ。
今の時代を批判はしない。
ジャケットからの視覚的情報も無く、店員さんとの会話も無く、ワクワクしながら重いレコードを持ち帰る必要も無く、カセットテープに録音してラベルを書き友達とプレゼントし合う事も無く、面倒臭いビニールの包装を剥がす必要も無い。
ネットで即座に曲のデータが手に入る時代だ。
実に便利な時代だ。
だか、アナログの時代には、良い意味でも残念な意味でも音楽というものに付随する、そこにしかない様々な物語があったのだ。
遠回りして、素敵な音楽を手にするまでに、様々な物語と経験があったのだ。
そんな思い出も付随していたのだ。
そんなアルバムジャケットにおける勝手に10選Part.2、洋楽編を記す。
1965年に発表されたボブ・ディランのアルバムだ。
ディランの挑発的な目、トライアンフのTシャツに柄物のサテンぽいシャツ。
背景にカメラマンを置く事で、ナチュラルな印象となり、敢えて白の下地に写真を載せ、下地の上に絶妙な色遣いで名前と題名。
実にカッコいい。
中学生の時に行きつけのレコードショップて"スカってなんすか??"と問い、で紹介されたレコードだ。
1967年に発表されたスカのコンピレーションアルバムだ。
なんとも色合いが素晴らしい。
バックにきつめのピンクにして黄色のフォントもクールでバランスもバッチリな題名と、パステルに近い色を多数使い一文字一文字に非常にバランスに富んだ色付けをした、非常にカッコいいジャケットだ。
1968年に発表されたジミ・ヘンドリックスのアルバム"エレクトリック・レディランド"のジャケットだ。
この躍動感と、赤みを帯びた色遣いがジミヘンの世界観を見事に表現している。
敢えて文字を入れていない事でジミヘンの持つ迫力が引き立っている。
1977年に発表されたデヴィッド・ボウイのアルバム"LOW"のジャケットだ。
ぼやっとしたオレンジ調の背景に、ボウイの髪の毛も調和した色合いだが、ボウイの服をブラックにしたところで、実にメリハリが効いて全体の雰囲気をキリっとしめている。
1975年に発表されたパティ・スミスのアルバムHorses"のジャケットだ。
モノクロのフォトを用いた名作だ。
敢えて上下にブラックの背景を置く事でフォトを引き立たせる。
題名とブラックとホワイトで引き出すセンスが実にクールだ。
1975年に発表されたボブ・マーリー&ウィラーズのアルバム"LIVE!"のジャケットだ。
ボブの躍動感に溢れる演奏を、ややぼかせて、その躍動感を見事に主軸として、ラスタカラーでフォントも魅力に溢れる表題、そして左右にラスタカラーを用いて、実にボブ・マーリーの
存在感に華を添えている。
1972年にジョン・レノンが発表したライブアルバムだ。
背景は恐らく黒の無地にアレンジしたのではないか、と思う。
そして、赤のライトに照らさるジョンの隣りに黒の背景に赤で名前、題名を入れる事により実に全体的なバランスがとれ、ジョンの存在感を引き立たせている。
1993年に発表されたジャミロクワイのアルバム"Emergency on Planet Earth"のジャケットだ。
リードボーカルのジェイ・ケイがデザインし、自身を模したバッファローマンと、お馴染みであるフォントの名前のみの実にシンプルなデザインだ。
ストーンズのLips and Tongueを始めとして、こういったロゴ、シンボルが確立されていると何かと強いウェポンとなる。
2002年に発表されたアヴリル・ラヴィーンのアルバム"Let Go"のジャケットだ。
ボヤけた都会の街角をバックに黒のセットアップに身を包んだブロンドの美少女、これだけでクールな楽曲を連想させる。
スカートではなく太めの黒のパンツがお見事だ。
木に切り刻んだ様なフォントの見出しもクールに融合している。
2012年に発表されたテイラー・スウィフトのアルバム"RED"のジャケットだ。
テイラー・スウィフトの顔を全面的に押し出しつつも帽子と影により、美しいブロンドの狭間の真紅の唇が強調され、題名の赤いREDの文字と相まって実に美しい。題名と名前のバランス、色合いも素晴らしい。
これは実にカッコいいジャケットである。
(後記)
邦楽編へと続きます。