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勝手に10選〜70年代 イカしたROCK 洋楽編(前編)〜

(前記)
筆者の音楽人生は、小学生の時にチェッカーズを聴いた瞬間から始まった。

元々チェッカーズというバンドはアマチュア時代はオールディーズ、ドゥーワップのコピーを主としていた為、そこから50's、60'sのロックンロールを、ビートルズをストーンズを掘り下げレコード屋に通い、聴いていた。

当時は80年代、もう完全にロックに洗脳されており、洋楽、邦楽ともにリアルタイムで興味がある曲はなんでも来い、と並行して聴いていたものだ。

そこで、ぽっかりと空いてしまったのが70年代だったのだ。
ピストルズ、ツェッペリンなどは聴いていたが、圧倒的に割合が少なかったのだ。
従って筆者の70年代デビューは、少し遅れたのだ。
70年代にはどんなロックが存在し、どんな時代だったのか。

そんな思い出が残る70年代のイカしたロックを今回は前編、後編と分けて勝手に10選する。

・Ziggy Stardust
1972年にデヴィッド・ボウイのシングルとして、また同題名のアルバムの表題曲として発表された曲だ。

1964年にディヴィー・ジョーンズ・アンド・ザ・キング・ビーズ名義のシングルでデビューを果たすも、しばらくブレイクに恵まれず、名前をデヴィッド・ボウイとし、1969年にセカンドアルバムと表題曲のシングル"Space Oddity"にて、ブレイクを果たす。

そしてこの曲は1972年にセカンドアルバム"The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars"を制作するにあたりボウイ自身で作られた曲だ。

エレキギターのカッティングによる名リフにて曲は始まる。
構成はシンプルにAメロ、Bメロ、間奏であるが、ミニマムなオケと淡々とシンプルであるが、Bメロではギターのカッティング、ボウイのボーカルが激しくなり、ギターのリフが良いスパイスになっている。

アルバム自体が"ジギー・スターダスト"という火星からやって来たギタリストにボウイがなりきる、とのコンセプトに乗っ取っており、歌詞は物語性が強い。

火星からやって来たサウスポーのギタリスト、ジギー・スターダストとバンドを組んだが、簡潔に記すと調子に乗ってファンに殺されてしまうが、ギターは上手かった。
そんな歌詞が、歪んだギターを全面に出したシンプルかつミニマムな曲とマッチする名曲なのだ。

・JET
1973年にポール•マッカートニー&ウイングス
が発表したアルバム"Band on the Run"に収録されており、後にシングルカットされた曲だ。

1970年にビートルズが解散し、ソロ名義で2枚のアルバムを発表したが、セールスはそこそこでも世間的に絶賛される訳でも無かった。

そしてポールがライブも出来るバンドとして、妻のリンダらをメンバーに1971年にウィングスを結成する。

そんなウィングスにおけるアルバムの最高傑作が1973年に発表された"Band on the Run"に収録された曲だ。

実に重厚感に溢れるホーン隊のリフと裏拍でレゲエ調のギターによるイントロで曲が始まる。
このイントロを初めて聴いたら、恐らくどんな展開か全く読めなだろう。

一転して重厚感を残しながら、JETの掛け声と共に疾走感と勢いを兼ね備える前奏(このパートにコーラスが入る事で後のサビとなる。)
に入る。非常に気持ちが良く、高揚する。

Aメロは勢いをそのままに実に気持ちが良い。Bメロにて、イントロのカッティングとホーン隊が実に緩急がつく、サビへの架け橋となり、またコーラスが加わったサビへと移行し、その疾走感に高揚するのだ。

2回目のサビの後、ミドルエイトが入るが重厚感がまた良い緩急となりこの後の間奏のギター、キーボードのソロも実にイカしている。

元々、ボールがライブを意識して結成されたウイングスだが、このイカしたロックは今日までセットリストに入っており、盛り上がらない訳がない、実に気持ちの良いロックなのだ。

・D'yer Mak'er
1973年に発表されたレッド・ツェッペリンのアルバム"Houses of the Holy"に収録された曲で、同年にシングルとしても発表された曲だ。

エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジと世界3代ギタリストを排出したヤードバーズであるが、1966年に至るまでメンバーが続々と脱退し、残されたジミー・ペイジがニューヤードバーズの名のもとにメンバーを募り、もはやオリジナルメンバーもいない事から結局は、レッド・ツェッペリンと改名して、ツェッペリンが誕生したのだ。

1969年にレッド・ツェッペリンはアルバム"LED ZEPPELIN"でデビューを果たし、続々とヒットを連発し、ハードロック、メタルロックの教祖的存在になったのだ。

曲であるが、難解な題名である。
日本語では"デジャ・メイク・ハー"と発音され、元来"Did you make her ?"が英語圏では実際に"ジャマイカ"と聞こえる事に由来し、曲もレゲエなのである。

この曲を選出した理由は、ただ好きなだけだ。
間奏、Aメロ、Bメロからなる構成でシンプルに繰り返すのだが、なにせツェッペリンがレゲエなのだ。
レゲエをツェッペリンが演るとこうなるよ、みたいなレンジの広さを知らしめられ、言ってしまえば、アーバンなレゲエを見事にソティスフティケートしているのだ。

聴いていて、身を委ねるだけで実に気持ちがよく心地の良いアーバンなレゲエの名曲なのだ。

・20th Century Boy
1973年にT.REXのシングルとして発表された曲だ。

1967年にマーク・ボランを中心に前身バンドでフォークロックあるティラノザウルス・レックスが結成され、1968年にデビューアルバムを発表する。

1970年頃よりエレキギターを導入し、バンド名をT.REXに変更し徐々にロックバンドとしてのメンバーも加入し、頭角も表し1971年にアルバム"Electric Warrior"で全英1位を獲得し、ブレイクする。

以降もヒットを連発(当時は何故かアメリカで不発だった)するのだが、1977年にマーク・ボランが交通事故で亡くなるまで、実にメンバーがコロコロ変わり、結果的にT.REXは、マーク・ボランのソロプロジェクトであったと言える。

曲であるが、なんとこの大名曲は、ツアー時に訪れていた東京、赤坂にあった東芝EMIのスタジオで録音されたのだ。

伝説のイントロ、歪んだEのエレキギター1発で始まり、また不滅のギターリフに移る。

実にシンプルでミニマルなロックだ。
構成はギターリフを多用しAメロ、Bメロ、サビからなる。
実にイカしたサビの疾走感と、緩急のついた他のパートのバランスも素晴らしい。

コードも少なく楽器も多用せずに、これだけの素晴らしいロックを生み出したマーク・ボランは実に凄いアーティストなのだ。

グラム・ロックのアイコンみたいな位置付けをされるT.REXであるが、コードも少なく、楽器陣もミニマムで、素晴らしい演奏とメロディラインで勝負してくるところは、むしろパンクだと思うが如何だろうか。

・Saturday Night
1974年にベイ・シティ・ローラーズのアルバム"Rollin''に収録され、1975年にシングルとして発表された曲だ。

前身であるバンドは、1965年に結成され、地道にライブ活動を行い、1968年にベイ・シティ・ローラーズにバンド名を変更し、1971年にシングル"Keep on Dancing"でデビューをはたす。

それからは幾度のメンバーチェンジを重ね(リードボーカルまでも。)、1975年にシングル"バイ・バイ・ベイビー"や、本曲で大ブレイクを果たし、イギリス、アメリカ、日本などでブームを巻き起こす。

曲調が非常にキャッチーな曲が多く、衣装などからもアイドルバンド的なイメージもあるが、列記としたロックバンドなのだ。

曲であるが、実にキャッチーで明るい気持ちの上がる爽快なロックだ。
前奏と間奏の、"S.A.T.U.R.D.A.Y"の掛け声が実に楽しいスパイスとなっている。

曲の構成は、Aメロ、Bメロ、サビとシンプルで、特にAメロのメロディラインは秀逸している。
Bメロからのサビへと移行、ブレイクも見事で、サビも土曜日らしい、今から彼女とパーティだ、的なシンプルにストレートな歌詞が素敵なメロディラインに調和している。

実に軽やかでネガティブな要素は何も無いポジティブで爽快感に溢れるロックなのだ。

(後記)
後半に続く。

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