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勝手に10選〜イカした失恋ソング(後編)〜
(前記)
張り切って後半へ移る。
・I Love you, SAYONARA
1987年にチェッカーズのシングルとして発表された曲だ。
作詞は藤井フミヤ(郁弥)さんで作曲が大土井裕二さんである。
実にシンプルながら美しく切なさもミックスされた心地良いサックスから曲は始まる。
失恋という出来事は様々なパターンが存在するが、この曲は2人が愛し合っていても別れなければいけない失恋を歌っている。
状況だったり、夢が邪魔をしてしまったり、恋人を引き裂いてしまうのは好きだの嫌いだのだけでは無いのだ。
実にタイトでメロディアスなAメロから、ビー
トが効いてボーカルも力強くなるBメロを経て、怒涛のサビへ移行する。
サビはブレイクを主軸にギターのカッティング、ベース、ドラムが見事に激しく絡み合い、郁弥(フミヤ)さんの心の叫びの様なボーカルが実に見事に融合する。
このサビだ。
こんなに切なさ、やるせなさを激しく凝縮したサビは他に類を見ない。
そして、I Love Youたけど、I Love You、I Love You、SAYONARA、という郁弥(フミヤ)さんが、I Love Youを繰り返す事で、実に本音を切実に表現した、訴えかける様なフレーズをサビの後に切なく歌い上げる。
チェッカーズの楽曲では非常に人気の高い楽曲で筆者も大好きな楽曲だ。
・ラブレター
1988年にザ・ブルーハーツが発表したアルバム"TRAIN-TRAIN"に収録され、1989年にシングルとして発表された曲だ。
作詞作曲は甲本ヒロトさんによる。
なんと美しいバラードだろう。
失恋をした主人公の中における葛藤、未練などが交錯して、ラブレターを書こうとしたり、ステレオを注文したりするのだが、結局のラブレターの内容は、相手に幸せになって欲しいと、前向きになる素晴らしい歌詞だ。
演奏も実に切なく実に美しい。
見事な緩急でサビを際立たせ、随所に聴けるブレイクの使い方が素晴らしいのだ。
コーラス、ストリングスも多様した華やかな美しい演奏に合わせて、甲本ヒロトさんのボーカルが素晴らしいメロディラインと融合し、時に淡々と、時には力強く、その緩急が見事に融合した名バラードである。
・WOMAN
1989年にアン・ルイスさんのシングルとして発表された曲だ。
実に重厚感がありながら美しいロックナンバーである。
特にサビののメロディラインと華やかさと切なさ、美しさが素晴らしい。
歌詞は、失恋をした女性が、まだ相手の優しさなどが頭を少しよぎる中、前向きに生きていく事を誓うような素晴らしい歌詞だ。
曲の構成としては、Aメロ、Bメロ、サビからなる王道のロッカバラードだ。
特記全ては、Bメロである。
マジョリティな展開だと、Bメロは控えめに、サビへの橋渡しとなるパートであるが、この曲の場合、Bメロで突き上がる様に盛り上がり、美しいサビへ移行する見事な橋渡しとなっている。
Bメロで、ぐいっと心を掴まれるのだ。
切ないけれども前向きにな歌詞を力強く、切なく、美しく歌い上げるあアン・ルイスさんのボーカルが重厚感と豪華さを兼ね備えたミドルテンポのロックにベストマッチをしている。
・チェリー
1996年にスピッツのシングルとして発表された曲だ。
心地よくも切なく、実に美しい軽やかミドルテンポのロックだ。
イントロからギターのカッティング、ドラム、ベース、キーボードが各々シンプルに融合して、実にタイトでシンプルに気持ちが良い。
名フレーズ、君を忘れない、からAメロが始まる。
曲の構成はAメロとサビのシンプルな構成で1度ミドルエイトが入る。
シンプルな構成なのだが、メロディラインの美しさや、サビへの見事な移行があり、更に、愛してるの響きだけで、の名フレーズで始まる実に美しく切ないメロディラインが秀悦しており、全く無駄が無く、素晴らしさが凝縮されている。
歌詞は散文的で抽象的であるが、フレーズ毎が実に素晴らしく、名フレーズが多いが故に、聴く者に対して、その人に合った意味を持ちながら各々の心に響く大名曲なのだ。
・One more time, One more chance
1997年に山崎まさよしさんのシングルとして発表された曲だ。
ずっと歌い継がれるであろう大名バラードだ。
優しいアコースティックギターの音色から曲が始まり、添える様にストリングスが絡み合う。
曲の構成はAメロ、Bメロ、サビから成るが、大事な肝となるミドルエイトが1つある。
Aメロ、Bメロでは、主に自身の自責の思いや、思い出、やるせなさ等を淡々と優しいメロディで歌い上げる。
サビへ移行するのだが、いつでも探しているよ、から始まる素晴らしい歌詞と美しい演奏が融合して名フレーズとなっている。
歌詞を断片的に、推移が解る様に記すと
いつでも探しているよ、探してしまう、どこかに君の姿、笑顔、欠片を、向かいのホーム、交差点、明け方の町、夢の中でも、こんなとこにいる、来る、ある訳もないのに。
実にストレートで素晴らしい歌詞だ。
メロディラインの美しさとストレートな歌詞が実に胸を打つのだ。
歌詞は受け取る側が判断すれば良いだけの話であるが、歌詞がストレートでキャッチーなだけにこの曲の歌詞に関しては様々な捉え方が存在する。
シンプルに失恋の名ソング、自身の売れない時期の事を恋愛をメタファーとして歌っている、などなど。
筆者は愛しい人との死別という形の失恋と感じる。
最初に触れたミドルエイトの、夏の思い出がまわる、ふいに消えた鼓動、のフレーズがそれを示していると思っている。
その上で、先に歌詞を抜粋したが、その推移もやはり死別を連想してしまう。
死別ほど辛い失恋はある筈がない。
あくまで、これは筆者の解釈だ。
歌詞の解釈は受け取る側の自由で良いだ。
どちらにしても様々な解釈であるが故に、人々の心を打ち、歌い継がれている事は名曲である証なのだ。
(後記)
ただ胸を打つだけでは無く、失恋から抜け出せない人々の心に響く、少しでもシンパシーを感じ前向きにさせてくれる失恋ソングの存在は、無くてはならない素晴らしいものだ。
筆者も思い出などと照らし合わせたり、なかなか改めて聴き直すと感慨深いものがあった。
また、まだまだ素晴らしい失恋ソングも存在するので、記していきたい。
読んでくださった方々へ
ありがとうございました。