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勝手に10選〜昭和のロック 邦楽編(後編)〜Pert.2〜
(前記)
それでは張り切って後半に移る。
・SOMEDAY
1981年に発表された佐野元春さんのシングルで1982年に発表したアルバム"SOMEDAY"の表題曲だ。
佐野元春さんは中学生の時にザ・フーのピートタウンゼントに影響を受けギターを手にし、高校時代にボブ・ディランに多大なる影響を受けた。
高校時代にピアノを習得し、高校3年生でバンドを結成し、大学進学後の1974年にヤマハのポプコンに出場した際に、本選まで進むが無冠に終わる。
大学時代に出会った佐藤菜々子さんのプロデュースやCM楽曲に参加などをした後にソロにて、1978年にヤマハのポプコンに出場し、優秀賞を獲得した。
1979年に大学を卒業するが、同時期に就職もしていたが退社をして、本格的に音楽活動を開始し、1980年にシングル"アンジェリーナ"でデビューを果たす。
この曲は1981年に発表された4枚目のシングルだか、シングル発表時よりも翌年に発表された同題名のアルバムが大ヒットによりブレイクする事となった。
素晴らしいミドルテンポで美しさの中に哀愁をスパイスにしたロッカバラードだ。
驚く位、今聴いても全く古さを感じないのだ。
当時、親交深く共にアルバムを制作していた大瀧詠一さんの影響による、ウォール・オブ・サウンドが実に美しく哀愁も漂うサウンドを引き立てている。
構成なAメロ、Bメロ、Cメロ、サビとなるがそれぞれのパートが自己主張をして、その緩急が歯車となり、実に豪華で圧巻のバラードなのだ。
妙な例え方をすれば、この曲を解体すれば、2、3曲の名曲が作れてしまうのでは、とすら思っていまう。
歌詞は実に美しく抽象的だ。
筆者なりの解釈では、大人と大人未満の狭間における恋愛なりを含めたアイデンティティに対する葛藤に思われる。
1つ1つのフレーズが実に美しく、素敵な曲と素晴らしく融合する大名曲なのだ。
・男の勲章
1982年に嶋大輔さんのシングルとして発表された曲だ。
嶋大輔さんは元々バリバリの暴走族で当時、横浜銀蝿のライブを訪れた際にその場で横浜銀蝿のマネージャーからスカウトされ芸能界への道を進む事となった。
横浜銀蝿の弟分として1982年にデビューを果たし、この曲がセカンドシングルとなる。
この曲の作詞作曲は横浜銀蝿のJohnnyさんによるものである。
哀愁感をスパイスにした実にイカしたロックンロールだ。
歌詞が絶品である。
"つっぱること"は、ピュアでいる事、自分に素直でいる事、周りに流されない事、自身の軸がぶれない事のメタファーである。
そういった事を勲章として生きてきた、そして生きて行く、という実に素晴らしい歌詞なのだ。
そんな歌詞が哀愁、ノスタルジーをスパイスにしたイカしたロックンロールのオケと見事に融合し、歌詞とオケがお互いを高め合う名曲である。
・ス・ト・リ・ッ・パー
沢田研二さんの、実に34枚目のシングル(えらい事だ)として、1981年に発表されたナンバーだ。
沢田研二さんは、実に異色、日本における唯一無二の存在である。
1967年にザ・タイガースのファーストシングル"僕のマリー"デビューする。
筆者に物心がついて、ジュリーこと沢田研二というアーティストを認識したのは、記憶が曖昧だが、恐らく"TOKIO"の頃だ。
ルックスの格好良さはもちろん、曲毎に派手はコスチューム、時にはボルサリーノを粋にキメ、突然派手な化粧だったり、ウイスキーを口から吹き出したり、とにかく異彩を放っていた沢田研二さんである。
しかし実に色気のある甘い声で優しく、時に激しく、その曲毎に変幻自在にジュリーの存在全体でその世界観を表現している。
”日本のデヴィッド・ボウイ”的なアイコンだったのだ。
そして、この曲であるが、沢田研二さん自身の作曲であり、もはや完全にロカビリーである。歌詞も過激で、この曲の世界観にベストマッチしている。
・バラとワイン(WINE & ROSES)
1987年にRED WARRIORSのセカンドシングルとして発表された曲だ。
レッド・ウォーリアーズは1985年にダイアモンド⭐︎ユカイこと田所豊さんと、元レベッカのギタリストでジャケこと木暮武彦さんを中心に結成された。
この二人は元々アマチュア時代から別のバンドとしての顔見知りであり、ユカイさんのバンドが解散した後に、木暮さんのバンドの練習にユカイさんが参加する様になったが、ユカイさんは本格的な参加を拒否した。
そしてユカイさんにフラれた後に木暮さんが組んだバンドがレベッカなのだ。
時は流れ、レベッカを脱退した木暮さんが声をかけた相手がユカイさんであり、そしてレッド・ウォーリアーズが結成された。
この曲はレッド・ウォーリアーズのセカンドシングルだが、シングルの題名は日本語表記では”バラとワイン”、英語表記では”WINE&ROSES"となる。
実に煌びやかで壮大な世界観を持ち、メロディラインも逸脱して美しく、聴いていて実に気持ちの良いロックだ。
歌詞はシンプルに、いつも心配ばかりかけている彼女の誕生日を祝う内容だが、ユカイさんのボーカルによって見事に曲と調和し、ボーカルとオケがお互いを高め合うのだ。
曲が流れた瞬間にその場の空気感をあっさり変えてくれる大名曲なのだ。
因みにアルバム"CASINO DRIVE"にの"WINE & ROSES #2 (Club Version)"として、別のバージョンが収録されており、こちらはディキシーを彷彿させるホーンが自由奔放に取り入れられて、実に豪華で煌びやかなアレンジになっており、こちらも大名曲である。
・GLORIA
1988年にZIGGYのシングルとして発表された曲だ。
この曲は1988年に発売されているが、翌年である1989年にドラマのタイアップとして再発売され、昭和の最後と平成の始まりを挟み2回発売されている珍しい曲なのだ。
1984年に森重樹一さんを中心としてZIGGYは結成された。
バンド名はデヴィッド・ボウイの楽曲"Ziggy Stardust"から拝借したものだ。
幾多のメンバーチェンジを経て、1987年にアルバム"ZIGGY ~IN WITH THE TIMES~"によってメジャーデビューを果たす。
そして1988年にファーストシングルとして本曲と"I'M GETTIN' BLUE"が二曲同時にリリースされたのである。
昭和の最後と平成の始まりにおける大名曲だ。
疾走感と重厚感を兼ね備え、キャッチーかつ実に素晴らしいメロディラインを持つ実に気持ちのよいロックだ。
ドラムのキック4発からキャッチーでイカしたギターのカッティングによるリフで曲が始まる。疾走感と高揚感が堪らない。
Aメロはワード、フレーズを窮屈に詰め込ませない事により、メロディラインの美しさが際立って実に心地よい。
Bメロで、少しマイナーにテンポも落ちるが、ここは力強いボーカルとメロディラインが緩急となるパートだ。
そしてサビに移るが、Bメロの緩急を活かして、実に疾走感と広がりのあるオケに美しく突き抜けるボーカルとメロディラインが最高に気持ちが良い。
間奏もドラムとベースが主軸のソリッドな雰囲気から疾走感を取り戻しながら、実に曲の雰囲気と相まったギターソロがこれまた素敵でクールだ。
エンディングまで、曲が鳴り終わるまで、その存在感、世界観に完膚なきまで圧倒され、実に気持ちが良いのだ。
(後記)
昭和にも実にイカしたロック、ロッカーが沢山存在するのだ。
まだまだある。もっと知らなければいけないのだ。
また、これからも続編に挑む。
読んでくださった方々へ
ありがとうございました。