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勝手に10選〜昭和のイカしたアニメ主題歌(後編)〜


(前記)
張り切って後半に移る。


・ラムのラブソング

アニメ"うる星やつら”の主題歌として、1981年に松谷裕子さんのデビューシングルとして発表された曲だ。

この楽曲はキーボディストの小林泉美さんによって作曲、プロデュースされているが、この小林泉美さんは10代の頃からプロのキーボーディストとして、中村雅俊さんのバックバンドや、高中正義さん、中島みゆきさん、松任谷由美さんらのレコーディング、ライブに参加し、20歳の時には自ら作詞作曲、プロデュースをしてソロデビューをしている、凄まじいキャリアを持っているアーティストである。

そんな小林泉美さんが、アニメのイメージから、10分ほどでこの曲を作ってしまう、という腰が抜ける程の逸話である。

実にイカしたテクノポップだ。
この曲、ボーカル以外はほぼ小林泉美さんのキーボードのみで作られているのではないだろうか。楽器の構成を知りたいものだ。

曲は4つのパートから成るが、どのパートも各々の個性が異なり、各々が実に素晴らしい。

そのパートをA、B、C、D、とすると、構成は前奏→A→B→C→D→A→間奏→D→A→Bという、各パートのキャラクターを見事に活かした構成である。Cに至っては

Aはキュートに語りかける様に歌い、Bは、好きよ、とお色気っぽくリズミカルに連呼し、Cは軽やかにリズミカルに歌い上げ、Dでは実にキャッチーかつ美しいメロディラインで見事に歌い上げている。

演奏といい、パートの構成、キャッチーさ、セクシーさ、軽やかさ、楽しさ、など沢山の観点から、実にアニメソングの域を超えた大名曲である。

ちなみに筆者はアニメの内容はよく知らない。


・タッチ

1985年に公開されたテレビアニメ"タッチ"の主題歌として岩崎良美さんによって発表された曲だ。

解って頂ける方には解って頂ける所だと思うが、曲が全体的に初期のチェッカーズと雰囲気が似ている。

それは実に当然な話で、この曲は作曲、プロデュースが、チェッカーズの初期のサウンドをプロデュースしていた芹澤廣明さんなのである。

曲はキャッチーな名ギターリフから始まり、Aメロ、Bメロ、サビからなる王道ロックであり、疾走感を保ちつつキャッチーなメロディラインと、サビのブレイク、パート毎の緩急の付け方は流石である。

筆者が完読した稀なアニメの一つであり、実に素晴らしいストーリーであるが、テレビアニメはあまり観ていない。

歌詞は物語の内容に微妙に沿っているかな、という印象であるが、とにかく楽曲そのものがバッチリとはまり素晴らしく、その素晴らしい楽曲自体も1人歩きする典型例だろう。


・キャッツアイ

1983年に公開されたテレビアニメ"CAT'S EYE"の主題歌として杏里さんにより発表された曲だ。

筆者はこのアニメに関しては全く内容も知らないが、この曲を歌っている杏里さんもアニメの内容は知らなかった様だ。

実に1980年代っぽいシンセサイザーなどの楽器をふんだんに取り入れた、非常に勢いのある豪華なロックである。

曲の構成はAメロ、Bメロ、サビの王道であるが、とにかくサビの突き上がるメロディラインが秀悦しており、実に聴いていて気持ちの良い楽曲だ。

歌詞は散文的であるが、この曲に関しては歌詞を深掘りせずに身を任せるのが気持ちよく、散文的であるが故に、アニメの世界観に捉われず、主題歌の枠を超えてヒットし、聴く者の心に響くのだろう。


・思い出がいっぱい

1983年に公開されたテレビアニメ"みゆき"の主題歌でH2Oによって発表された曲だ。

今回の10曲の中で、最も楽曲が1人歩きをし、長年に渡り歌い継がれてれいる名曲であろう。

作曲が鈴木キサブローさん、作詞が阿木燿子さんという実に豪華なコンビである。

実に美しく切なく前向きなミドルバラードである。

少女から大人の女性になる狭間みたいな時期を客観的に見守っている様な、ノスタルジックかつ前向きな素晴らしい歌詞に、キャッチーでシンプルかつ美しいメロディラインがベストマッチしている。

サビの頭にある"大人の階段のぼる"のメロディとフレーズの融合は特に、それだけで語り継がれる名フレーズなのだ。

ちなみに、あだち充さんによるアニメは好きなのだが、このアニメに関しては内容を知らない。

・背番号のないエース

1986年に公開されたアニメ映画"タッチ 背番号のないエース"の主題歌としてタフ&レディによって発表された曲だ。

筆者の思い入れが強すぎるのかも知れないが、この曲はもっと現在でも評価されて良いと思う。

アニメ"タッチ"の劇場版の主題歌なのだが観に行ったのかどうだか覚えて無い上にストーリーも忘れたのだか、知らないのに、この曲だけが強烈に頭の中に残っている。

実に見事なミドルバラードだ。
控えめなAメロから切なげなBメロが見事な橋渡しとなり、緩急もつけながらサビへ移行するが、このサビが実に見事である。
美しく抑揚するメロディラインに切なさをブレンドし、爽快に突き上がるの感じが実に素晴らしい。

歌詞は失礼を野球をメタファーとして表現しており洒落ていて、切ない世界線が見事に曲とマッチしている。

この曲は是非歌い継がれて欲しい、歌い継がれるべき大名曲である。

(後記)

前記でも散々触れたが、筆者はアニメというジャンルにかなり疎い。

この10選を閃いた時点で、はてさて、10曲あるかな、と少し不安であったが、すぐ枠は埋まった。

凄く記していて楽しい時間であった。

アニメの曲に関してもまた記してみたい。

読んでくださった方々へ
ありがとうございました。

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