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勝手に10選〜素晴らしきカバー曲 洋楽編Part.2(前編)〜

(前記)
素晴らしきカバー曲の邦楽編Part2に続き、洋楽編Part2に挑む次第だ。

邦楽編と似たような前置きになってしまうが、曲をカバーする、という事は、単に真似をする、そこそこの歌唱力を持った自称歌手的な輩がただ歌う、という事では無い。

曲とアーティストに敬意を払い、しっかりと曲を咀嚼して、消化して、カバーする側の世界観を持って再構築をする事により、カバー曲が完成するのだ。

そうやって歌は歌い継がれるのだ。
誰も歌わなくなってしまったら曲として死を迎えてしまう。
原曲のまま残り続ける曲もあるが、カバー曲によって原曲が蘇るケースもあるのだ。

そんな視点から、今回は素晴らしきカバー曲の洋楽編Part2を前編、後編に分けて勝手に10選する。

・Hound Dog by Elvis Presley
誰もが認める、ロックンロール創世記におけるKing of Rock’nRollてわあるエルビス・プレスリーの楽曲だが、あまりにもプレスリーのバージョンが有名過ぎるが、この曲はカバーである。

原曲は1953年にビッグ・ママ・ソーントンにより発表された曲だ。
原曲はテンポが遅く、実に重厚感が溢れるソウルも感じるブルースで、ボーカルもシャウトを多用している。

このエルビスによるカバーでは、テンポを上げ、実にタイトで軽やかなロックンロールにアレンジし、エルビスの甘く緩急のついたボーカルが実に映えている。

また、歌詞はソーントンのバージョンはいわゆるヒモである男性をメタファーに書かれているが、プレスリーのバージョンでは、そのまま犬として歌詞が変えられている。

ロックンロール創世記を象徴した、欠かす事の出来ない大名曲なのだ。

・Route 66 by The Rolling Stones
一般的にこの曲といえばジョージ・マハリスのバージョンを1番耳にするかと思われるが、このバージョンはアメリカで放映されていた同名のドラマのテーマソングとして、出演者であるジョージ・マハリスがカバーしたものだ。

元々は1946年に作られたジャズのスタンダードナンバーで、"(Get Your Kicks On) Route 66"が正式な題名であり、ナット・キング・コールが最初にヒットさせている。

実に多数のカバーが存在する曲である。

このストーンズのカバーであるが、実にタイトでシンプルなロックナンバーとなり、更にこの曲の肝となるブレイクもイカしており、むしろジョージ・マハリスの華やかなバージョンより、大平原と自然と閑散とした街を連想させる実際のルート66という道にシンプルに似合うアレンジとも言えるのだ。

・Respect by Aretha Franklin
原曲がオーティス・レディングによるカバーだ。

原曲はドラミング、ホーンセクションも厚みがあり、ホーンのリフも冴えて、オーティスのボーカルも力強い骨太ソウルである。

アレサ・フランクリンのカバーであるが原曲と比して、ホーン、ドラムを抑えてコーラスを多様し、タイトでスタイリッシュなオケである。オケが幾分軽やかになる事でアレサ・フランクリンの素晴らしいボーカルが冴え渡るのだ。

さすがQueen Of Soulである。
緩急をつけながら、力強くも美しい素晴らしいボーカルだ。

ロック史における名曲ランキング的な企画の上位の常連であるが、筆者的にはオーティスの原曲ももっと評価して頂きたい。

・Hippy Hippy Shake by The Georgia        Satellites
原曲はチャン・モレロが作詞作曲して、1959年に発表するもの、ヒットには恵まれず、1963年にザ・スウィンギング・ブルー・ジーンズにカバーされ、これが大ヒットする。

原曲はいわゆるオールディーズのゴキゲンなロックンロールであり、ギターの雰囲気から、サーフサウンドの香りもする。

カバーであるが、実に原曲を踏襲してソティスフティケートした様な、洗練された様な軽やかさと爽快感を兼ね持って、実にタイトなロックンロールである。
聴いていて、実に心地よいロックンロールだ。

・I’m Waiting For The Man by Vanessa Paradis
原曲はヴェルベット・アンダーグラウンドの曲だ。

ヴァネッサ・パラディは3枚目のアルバム"Vanessa Paradis"のプロデューサーにレニー・クラヴィッツを起用し、そのアルバムに収録されているカバーだ。

原曲は抑揚の少ない淡々とした演奏にルー・リードのシンプルで甘いものボーカルが絡み合う様にして独特の世界観を醸し出している曲だ。

カバーは、ほぼ原曲を踏襲して、レニー・クラヴィッツによる重厚感溢れるオケになり、ギターのバッキングとリフも鮮やかになり、コーラも効いて実にイカした雰囲気だか、そこにヴァネッサ・パラディの軽やかで艶っぽいキュートなボーカルに乗ることにより、原曲とは違った雰囲気を醸し出しているのだ。

(後記)
後編に続く。

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