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あらためて、選挙はとても大事です

令和4年参議院選挙を受けて、先のnoteで選挙制度について記しましたが、今回は選挙そのものについて、皆さんも一緒に考えてみてください。皆さんは選挙と聞いてどんなイメージを持ちますか?

鉢巻きを締めて、マイクを手に街頭で政策を訴える。
大音量を発して駆け回る選挙カー。
笑顔で握手をしまくる候補者。

そんなところでしょうか。
「政治家になりたい!」という人でも「選挙さえなかったら……」と言う人は少なくありません。それだけ、選挙は、政治家にとっても、市民にとっても、双方から忌み嫌われているのかもしれません。

ある情報番組を観ていたら、某政治評論家が「政治家は票を集めることが仕事」そう言い切っていました。確かに、票を集めなければ現職の政治家にはなれないし、議会等での発言権も得られない。多くの票を得て信任を得ることが、政治家としての力になる、そう言いたかったのだと思いますが、だからといって、選挙が票を集めるための単なるイベントと化し、政策が二の次になってしまえば、それは本末転倒です。

知り合いの政治家から「選挙は3度の飯より好き」という言葉を聞いたことがあります。その真意を確かめることまではしませんでしたが、私自身は、好き嫌いというよりも、とても意味のある活動だと思っています。

それはなぜか?
選挙期間中は、市民の声を直接聞けるまたとない機会であり、自らの考えを伝える場でもあります。これまで行ったことのないような場所に足を踏み入れてみると、これまでにない出会いがあり、初めて知る具体的な意見を聞くこともできる。時には考え方の違いから、罵声を浴びせられることがあれば、口論になることも。お互いに共感して感動することだってあります。いずれも魂が触れ合うことにより得られるもので、それらの経験こそ、政治家にとって何よりも貴重なものだと感じてきました。

先ほどの『票集めの法則』からいけば、大きな組織を、陣取り合戦のように次々と囲い込んでいくことが効率的な戦い方です。これまでの『組織選挙の常道』とも言えます。ところが、それに頼りすぎると、市民の声が組織というフィルターを通ることになり、生の声として届きにくくなります。それでは選挙の醍醐味の大部分を失うこととなり、政治家として成長する機会をも失うことになる。そして、どの組織にも所属していない多くの市民にとっては、選挙が他人ごとのようになってしまいます。

ただ、今回の参議院選挙も含めて、最近変わってきたなと思うのは、やはりSNS普及がもたらす影響です。これまでは、新聞やテレビ等を通して伝わってきていた候補者の政策や政治姿勢に、直接触れることができるようになりました。第三者に編集されることなく、ありのままに触れることができる。もちろん、編集・加工されて発信される可能性も否めないので、そこは割り引く必要はありますが、圧倒的な情報量の中から、『素の候補者』に触れる配信を探し出すなど、じっくりと吟味することができるようになったのは大きいと思います。これまでは大手メディアがほとんど扱うことのなかった小規模で新しい政党も、そのツールさえ確保すれば、しっかりと考えを伝え、双方向でのやりとりだって可能となる。今回の選挙結果にも、一部に現れています。政治家も市民も大いに活用したいものです。

これまで、「選挙の戦い方次第でその後の政治活動は決まる」とも感じてきました。例えば選挙の際に『貸し借り』を作ってしまえば、その後の活動は、『お返し』するために使われることになります。だからこそ、政治家は楽をせずに、選挙を通して有権者と真剣勝負で向き合うことが大事。そうすることが政治家になるための必要な準備であり、だからこそ選挙は大事なのです。

さらにいえば、選挙は終わったあとも大事。当落に関係なく、選挙期間中に訴えていたことが、その後も行動として伴っているのかどうかが問われます。もちろん問うのは『市民』。終わったあとが大事なのは、政治家だけでなく、市民にも言えることなのです。そんな緊張感のある関係性ができれば、社会はもっとよくなると信じて疑いません。
いずれにせよ、もっと選挙が身近なものになればいいなと思っています。

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