世界陸上から目が離せない!
米国のオレゴンでは『2022年世界陸上競技選手権大会』が開催され、連日ライブ放送されています。
あらためて陸上競技には色んな種目がありますが、どんな競技か簡単に表現すると、「少しでも速く走る歩く」「遠くまで投げる」「より高く、遠くへ飛ぶ」という言葉に集約されるのではないでしょうか。それらをコンマ1秒、1ミリ、場合によってはもっと細かい単位で競う。ある意味ではとても単純な競技です。そこに主観は一切混じることなく、結果が数字としてはっきり表れます。また、当日の体調管理が上手くいかない、転んでしまう、フライングしてしまう、そうなると、どんなに力のある選手でも勝てはしません。だからこそ、アスリートたちはその一瞬に最大限の力を発揮しようと五感の全てを研ぎ澄ます。観る側の私たちも、筋書きの無いドラマを見逃すまいと集中する。純粋に楽しめるそんな競技であると思っています。
トレーニングやウェアなどは科学的に進歩しているのでしょうが、基本は身体を鍛え、その能力を最大限に発揮できるかが勝敗を分けること。その勝敗とは、もちろん相手との勝ち負けである一方では、過去の自分との闘いでもあります。ほんの僅かでも自己最高記録を更新することで、過去の自分を越えようと懸命になるものの、いずれどこかでピークを迎えます。先日はフィギュアスケートの羽生結弦選手のことをとりあげましたが、彼の世界ではこれからももっと上手くなることができるのでしょう。ただ、陸上競技の場合は、ピークを越えるともとに戻ることはほぼ不可能。その頂点の見極めは大事であり、自らに非情な通告をしなければならない時期が必ず訪れます。
だからこそ感動を与え、だからこそ、ドーピングは決して許されないのだと思っています。
今回の世界陸上競技選手権で、コロナに感染して出場できなかったアスリートたちは、さぞや無念だったでしょう。サニブラウン選手の100メートル走の決勝進出は一つの壁を越えてくれましたが、まだまだ先があるようで楽しみです。男子競歩の日本人同士の首位争いは見応えがありました。女子中距離で3種目に挑戦している田中希実選手、そして日本女子投てきで初のメダリストとなった北口榛花選手。織田裕二さんほど感情を表に出しはしませんが、その一瞬一瞬に感動を覚えています。
日本のアスリートが活躍しようが、すまいが、全てのアスリートたちのその一瞬にかける熱い闘いから目が離せません。