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地域への優しい眼差し~子ども食堂

朝8時過ぎに玄関を出ると、既に30℃近い熱気に思わず顔をしかめました。熊本の夏独特の蒸し暑さには慣れているつもりでも、まだ7月でもあり先が思いやられます。午前中の早い時間なら暑さも少しは違うだろうとこの時間帯を設定したのですが、あまり意味はなかったようです。

事務所に出かける前、用事を済ませるべくある場所へ。私が携わっている来春開業予定の『子ども食堂』の準備で、空き家をリフォームする工務店と庭の手入れをお願いする造園関係者との現地打ち合わせに立ち会うことになりました。

空き家といっても、1年ほど前までは使われていたので、そこまで荒れているわけではありません。ただ、築40 年以上が経過しており、多くの人たちが訪れることを想定すれば、導線の確保や安全性を考えると、手を加えなければならないところはかなりあります。また、庭も、気候のいいときは窓を開放して、母屋と一体的に使えるようなスペースは確保しておきたいものです。ただ、予算は無尽蔵にあるわけではなく、もちろん収益事業でもないので、初期投資だけでなく維持管理費用も含めてなるべく低コストに抑えることが大前提です。

代表者の構想としては、子ども食堂を基本としながらも、学習支援や高齢者支援、料理教室なども合わせて行い、多世代が多目的に集まれるような地域の居場所にしたいとの考えであり、私も大賛成です。最近では、地域の交流の場、居場所というものは、ありそうでなかなか見つからないもの。私の子どもの頃は、稲刈や収穫の済んだ田畑は“グラウンド”となり、納屋の中なら雨でも関係なく外遊びができました。集まってはその中の一人の家に上がり込んでは、また遊んだものです。公民館や公園だけでなく、至るところに集う居場所がありました。

子ども食堂は私も何カ所か見に行ったり、少しお手伝いをしたことがあります。やり方はそれぞれで、多世代交流であったり、多目的であったり、地域の状況やスタッフの個性に応じて運営されています。それぞれに違いはあれど、共通するのは地域への優しい眼差しであると感じています。

あと半年あまりでこの空間はどんな変貌を遂げていくのでしょう。これからこの場所も家屋がリフォームされ、庭も整備されていくことになります。そして来春にはいよいよオープン。地域に望まれる場所になっていくことを願って止みません。

桜の季節、初日の様子を想像し、思わず笑みがこぼれました。その瞬間ばかりは、暑さのあまり、思わず顔をゆがめてしまう私のしかめっ面も消えていたようです。

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