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韓流ドラマに世相を見る

現在韓国では大統領選挙の真っ最中。韓国では常に激しい選挙戦が展開され、現在は野党候補の優勢とも報じられていますが、果たして結果はどうなるのでしょうか?

そんな韓国で、先日は、2020年の合計特殊出生率(*)が0.84と報じられていました。同じく少子化が深刻な課題の日本でも、2020年で1.34ですから、より深刻さが伺えます。韓国では今後も、0.69、0.62、0.57、2025年には0.52まで低下すると見込まれていて、少子化はさらに加速するといわざるを得ません。また、30歳代の未婚率は2020年は女性33.6%、男性50.8%と報告されており、少子化の要因の一つになっているようです。

なぜ、それだけ少子化が急速に進んだのか、その原因は「非正規労働者の増加」と「不動産価格の高騰」にあるという分析があります。20~30歳代の30.1%が非正規職であり、ソウル市内の不動産価格は、直近の4年間で倍増しているそう。収入の減少と不動産価格の上昇で持ち家を用意できないことが、未婚率の上昇につながっているともいわれています。

韓国では『ペントハウス』というドラマが空前の大ヒットとなりました。シーズン1からシーズン3まであり、日本では現在WOWOWでシーズン3の放映中。韓国では瞬間最高視聴率が30%を超えたとか。

どんなものかと、観てみると「そんなこと有り得ないだろう〜」の連続。超高級タワーマンションを舞台に繰り広げられる利権まみれの大規模再開発事業と教育戦争、プライドがぶつかり合う怒涛の愛憎劇。お金や名誉のためなら殺人や犯罪も厭わない大金持ちたちにも、最終的には天罰がくだされるのでしょう。もちろんフィクションではありますが、ここまで視聴率が高いということは、現在の韓国社会の世相を表したものであることには違いないのでしょうね。そういえばアカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』も格差社会の矛盾を表したものでもありました。

同じ少子化に苦しみ、バブル時ほどではないにしても、都市部の不動産価格上昇を続け、格差社会が深刻になりつつある日本でも、決して他所ごとではないのかもしれません。韓国の大統領選挙の結果とともに、新政権でどんな政策が打ち出されるのか注目したいと思います。

ちなみに『ペントハウス』の話は今週いっぱいで結末を迎えます。あり得ないとは思いつつ、ついつい観てしまうんでしょうね(笑)

*15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの

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