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一勝地の梨が語りかけるもの

子どもの頃、私の実家の周辺には梨畑がたくさんありました。今でも近くの金峰山を少し登ると、道沿いからミカン畑だけでなく梨畑も見かけることができます。以前は、今のように品種改良が進んでいなかったのか、口に入るのはほとんどが『20世紀梨』。小ぶりの青梨はこの時期の定番であり、皮を向きヘタの部分をとって8等分に切られた梨が、食卓に並んだものです。みずみずしくシャリシャリとした食感は、子どもの頃の思い出であり忘れられません。

そんな梨の季節を迎えた今日、Aさんが梨を届けてくれました。『あきづき』という品種だそうで、『荒尾のジャンボ梨』で有名な『新高』と『赤梨』の『豊水』とをかけ合わせたものだそう。形や表面の色など見た目もとても美しく、持ってみるとずしりと重い。冷やしてからいただくことにしますが、とても楽しみです。ネットで調べてみると、『新高』や『あきづき』だけでなく、『豊水』、『幸水』、『水のしずく』、『グリーンジャンボ』、『秀麗』等々があり、Aさんからそれぞれの収穫時期、特徴等についてレクチャーしていただきました。

Aさんの出身地である球磨村一勝地では、せっかく素晴らしい梨ができているのに後継者がいないため、現在梨作りを担っている生産者の多くが、自分の代までと覚悟されているといいます。梨畑は高台にあるので、畑自体に水害の影響はなかったそうですが、自宅や納屋が被災したほか、しばらくは道路が閉鎖されるなど、梨農家にとってもかなり影響を受けたようです。一勝地の梨といえば「知る人ぞ知る」特産物でもあることから、私たち二人で「もったいない、何とかできないものか?」と思案しました。

球磨村一勝地の梨、『あきづき』など、皆さんも覚えておいてくださいね。もし、お店で見かけることがあればぜひとも一度お買い求めください。また、梨作りにご興味のある方は、コメント欄を使ってお知らせくださいね。一勝地の梨を引き継ぐため、皆さんのご協力をよろしくお願いします。


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