紛失した現金が教えてくれたこと
私にとってはとても恥ずかしいことなのですが、「世の中まだまだ捨てたもんじゃないなぁ」と実感したので、思い切って告白しますね。
娘が久しぶりに帰省したこともあり、昨夜はその娘のリクエストに応え、少々奮発して外食することにしました。夕方、財布に補充しておこうとコンビニへ。まずはATMでお金をおろし、レジである振り込みを済ませました。家に戻り、妻と娘と予約しておいたお店へ。
満足のいく食事を終え、「そろそろ支払いを」と財布を覗き込むと、なんと、おろしたはずの現金がない。財布だけでなく、バッグも何度も見直したのですが、やはりない。仕方なくカードで払おうとするも、現金のみ。キャッシュカードはあったので、近くのコンビニまで走ることを覚悟したら、妻と娘の持ち合わせで何とか足りることがわかったものの、面目丸つぶれでした。
面目よりも問題は現金の行方。もう一度、コンビニ以後の行動を思い起こし、あるとすれば車の中か、家に戻って財布等を移し替える前のバッグ、そう目星をつけました。祈る気持ちで、家に戻るとすぐにその2カ所にまっしぐら。やはり見つかりません。残るはコンビニしか考えられず、振り込んだ際のレシートにコンビニの電話番号が記載されており、「あるわけないか」と諦め半分、ダメもとでかけてみました。
「夕方そちらのコンビニで振り込みをしたものですが、店内に現金の忘れ物はありませんでしたか?」
おそるおそる尋ねると、
「あっ、ありますよ!おいくらでしたか?」
「えっ、あっ、ありましたか!〇〇円です」
「はい、間違いありません!私がレジで対応しましたし、カメラで本人確認もできますので、私が店にいる時であればすぐにお返しできますよ」
「すっ、すぐに行きます!」
飛んで行くと、準備してくれていたようで、すぐに手元に現金が戻ることに。
状況を聞いてみると、私がATMから引き出した現金をそのままにしていたらしく、次に使おうとした人が気付いて、レジまで届けてくれたとのことでした。
「親切な人がいるもんだ。何か御礼でも」と思い、お店の方に尋ねると、
「お名前や連絡先はわかりません。若い方で、学生さんだと思います」
「そうですか、本当にありがとうございました!!」
妻や娘からはさんざん叱られ、自分でも呆れてしまうような出来事でしたが、的確に優しく対応してくれたコンビニの店員さん、そして何より、現金をレジまで届けてくれた学生さんの正直さに、感動してしまいました。
「世の中まだまだ捨てたもんじゃないなぁ」そう思った出来事でした。