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対話で課題解決~ファシリテーション力

「『対立と無関心』を乗り越えてよりよき社会を築くためにはまず『対話』が大事」―とはいえ、『対話』って簡単なようで結構難しいですよね。

家族間の会話ですら、時には「難しいな~」と感じることがあるのに、それが初対面で、なおかつ、相手が何を考えているのかわからない場合などは、どうしてもお互いに身構えてしまいますよね。インターネットの普及とともに対人関係を苦手とする人が増えたという話を聞いたことがありますので、『対話の難しさ』は増しているのかもしれません。

ただ一方では、コロナ禍の副産物としてZOOM等のリモート環境が整備され、新たなコミュニケーションツールとしてはとても有効であることを実感しています。皆さんも出張や会議のための外出が極端に減ったのではありませんか?

リアルな対面にしても、リモートにしても、話の切り出し方が大切です。意見が異なる相手と議論を交わしたり、相手の意見を引き出すために役立つ手法の一つに『ファシリテーション』が挙げられます。直訳すると『促進』。『ファシリテーター』は対話や会議等を『促進する人』ということになります。

首長を務めていたころ、これからの職員に求められる資質に『ファシリテーション力』を挙げ、職員研修のカリキュラムに盛り込んでいました。市民の多様な意見を集約したり、対立の構図を和らげたり、行政と市民とが協働で事にあたる場合など、その力の有無が結果を左右すると感じていたからです。

『ファシリテーター』とは自分の考えを押し付けるのはご法度だけど、かといって自分の考えを封印した単なる司会進行役ではありません。これまで行政の長として、かなりの場数を踏んできた私だからこそ、一人ひとりの意見を引き出し、さらに合意形成へつなげていくことの難しさは痛感しています。

結論ありきや異論を封じ込めるような風潮が強まり、民主主義の形骸化が懸念される昨今、社会をよりよきものにするためにも『ファシリテーション力』はより一層求められるに違いありません。声にならない声を聞いて、その課題を一つずつ解決していくために、私自身これまでの経験をファシリテーターとして生かせるよう、「頑張らないとな~」と自らを奮い立たせています。

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