自転車乗り夫のよくわからない愛され力
夫が120万のロードバイクをあっという間にダメにしたと前に書いた。
レース中の落車に巻き込まれてだから、不運である。
しかしその後レースから足が遠のいてしまった。
仕事が忙しくまともな練習時間を取れないことが主な原因だが、フレームと一緒に心も折れてしまったという。
もう半年近くレースに出ていないし、ローラー台にすら乗ってない。
身体もやや、ぽよんとしてきた。
月に休みが5日くらいだから無理もない。
本人は転職して労働環境を変えてから復帰する気満々だけれど、こんなにブランクがあって大丈夫なのかなぁと思っていた。
ところが。
ここに来て驚きの展開が起きている。
■フレームで折れた心をフレームで押され
以前より自転車の乗り方を教わっている方が「よかったらレース用に使う?」とハイグレード(たぶんすごい)のフレームを無償で貸してくれるというのだ。
※フレーム:自転車の骨組みのところ
しかも、既に都内の馴染みの自転車屋さんに届けてくれているという。
その方は遠方に住んでいるので、本来ならこちらから受け取りに行くのが筋のところを、「ちょうど東京に来たから預けといた!」そうだ。
知り合いからハイエンド車貸してもらえるって小野田坂道くんですか????
本当にわけがわからない。
そんなふうに背中を押されて、夫は来期も選手登録をした。
「こんなふうにされたら、走るしかないよね」
うん、そうだねぇ。
■愛され力=脇目も振らずクレイジーであること?
後半ほとんどレースに出ていなかったのに、
別にSNSやFacebookもさほどやってないのに
なんか知らんが可愛がられる夫。
不思議だけれど、側から見ていると
・今できる全力をかける姿
・とにかくやってみるひたむきさ
・がむしゃらなようでいて、理論で攻めるクレバーさ
・それなりに結果を出す妙な強さ
あたりが可愛がられる要因なのかなぁと思う。
いきなり120万の自転車を買うぶっ飛び感とか、飄々としているようで実は熱いところとか。
(レースに出るような人間はみんなそうだ)
長距離高強度な練習を楽しげに積んでいるところとか、何度もツール・ド・おきなわに挑戦して完走したところとか。
そういうところから、自転車愛が、情熱が伝わるのだろう。
戦略とか、戦術とか、テクニックとか態度とか。
そういうのも大切ではあるけれど、個人が小さい範囲で応援を得るときというのは、もっとただ突っ走って、やりたいことをやって、エンジン回してるさまが響くのかもしれない。
体育会系さやスマートな人付き合いとは無縁だけれど、妙に愛される不思議な夫。
こう、しっかりして、ちゃんとして、自分のことは自分で出来るようにならなくちゃ、と思い生きてきた結果「隙がない」とか言われてしまう私は、夫から学ぶところも大きい。
来年はいいシーズンになると良いね。
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